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親子で防災クッキングをやってみたら想定外の連続? やってみてわかった教訓をご紹介

白川ゆうこ
2024/03/27 00:03
地震や台風などの災害で急にライフラインが絶たれたとき、どうするか考えていますか?緊急時に家族を守るためには、日頃からの備えが大切です。今回、筆者は家族で防災を考えるための最初のステップとして、5歳の娘と防災クッキングをしてみました。実際に災害に遭ったときにどの程度助けになるかは未知数ですが、知識が少しあるのとないのとでは大きく違うと感じました。体験してみて得た気づきもお伝えします。

防災クッキングとは

防災クッキングとは、災害時に水道や電気、ガスが使えなくなった際にも使える、なるべく水を使わずに調理することです。ペットボトルの水を使い、調理にはポリ袋を使用するなど、水を減らす工夫をして料理をします。また、電気が使えない状況では、冷蔵庫内の食べ物は鮮度に不安があるため使用できなくなる可能性もあります。缶詰や乾物、常温で保存可能な野菜をメインにするといいでしょう。


さらに電気、ガスがストップしてしまったときは調理の熱源がありません。カセットボンベとカセットコンロを用意しておけば、非常時も温かい食事を用意することができ、ほっと一息つくことができます。


防災クッキングを体験する前に

今回は防災意識を高めるための第一歩として、断水と停電が起きたときを想定してみました。いつもは当たり前に使える水や電気が突然使えなくなったとき、子どもたちに何を食べさせ、どのように過ごせばいいのか困ってしまうかもしれません。また、今回はあえて家にあるものを使用して食べられるものを準備することにしました。


参考にしたのは全国大学生活協同組合連合会の「災害のための「超カンタン!お料理レシピ」」です。このホームページには、多くの災害用のポリ袋調理レシピが紹介されています。


娘と一緒にレシピを見ていると、鯖缶やイワシ缶などの魚の缶詰や、焼き鳥缶など、使用されている材料には我が家にないものが多いことに気づきました。ツナ缶も買い置きがちょうど切れているタイミングだったため、災害時を考えてストックの管理や品目を改めて考えなければならないことがわかりました。


また、娘は食べ慣れないものにはとても慎重になってしまうタイプなので、防災時にも作ることができそうなレシピを、普段から試す必要がありそうです。


今回は初めての取り組みなので、失敗が少なそうなゆで卵と、炊飯にチャレンジすることに。



全国大学生活協同組合連合会「災害時のための「超カンタン!お料理レシピ」」 


実際に防災クッキングをしてみました

調理は材料をポリ袋に入れ、湯せんで調理する、ポリ袋調理です。ポリ袋は湯せん対応のものかを確認して、ストックしておくと便利です。

筆者撮影画像1
筆者撮影画像1

まずは白米100㏄と水120㏄を3重にしたポリ袋に入れ、その後30分以上浸水させます。卵はそのままポリ袋に入れ、口を縛ります。

筆者撮影画像2
筆者撮影画像2

次に鍋に水を入れ、火にかけます。沸騰したら、ポリ袋が焦げないように鍋底に皿を入れ、食材を入れたポリ袋を両方とも沈めます。しかし、お皿を入れるとぼこぼこと鍋から水があふれそうになったので、子どもとチャレンジする場合は注意が必要です。

筆者撮影画像3
筆者撮影画像3

ここで、本当は袋から空気を抜いてから沈めなければならなかったのですが……。事前にレシピをきちんと読み込んでいなかったため、写真ではポリ袋がかなり膨らんでいます。緊急時にあわてて調理して事故にならないよう、普段からポリ袋の調理を試しておかなければ……と反省させられました。




そして、ポリ袋を沈めてから15分加熱します。15分経過したら、今度はふたを閉めて火を消したまま15分余熱で加熱します。

筆者撮影画像4
筆者撮影画像4

完成したのがこちらです。お米がご飯になっているのがわかるでしょうか。

筆者撮影画像5
筆者撮影画像5

ゆで卵も、しっかり「かたゆで」に仕上がっていました。

筆者撮影画像6
筆者撮影画像6

娘がご飯を食べてみたところ、「ご飯、固いところとやわらかいところがある~」と言っていました。

筆者撮影画像7
筆者撮影画像7

ご飯を食べてみると確かに少し固い気もしますが、ほかほかで温かく、おいしく食べられます。

筆者撮影画像8
筆者撮影画像8

ただ、娘は白ご飯だけではあまり食が進みませんでしたが、塩をふってのり巻きにすると食べてくれました。のりやふりかけなど、長期保存できるご飯のお供も用意しておくと、災害時に役に立ちそうです。

実際に防災クッキングをやってみて感じたこと

 ここからは実際に防災クッキングをやってみて感じたことを紹介します。  

防災クッキングのレシピは家族が食べられるものかチェックしておく

今回は急な災害を想定して、家にあるもので防災クッキングを試してみました。しかし、防災クッキングで紹介されているレシピは缶詰や乾物を使用したものが多く、普段使わないものも材料として紹介されています。また、子どもたちが食べ慣れない味のものはあまり食べない場合もあります。普段から防災時にも作れるレシピを試してみて、レパートリーに組み込んでおく必要性を感じました。

家族の人数分作れるかどうかも確認しておく

今回初めてのチャレンジだったため、親子2人で食べられる量を試してみました。しかし、実際に被災した場合、我が家は大人2人に子ども3人の5人家族のため、備蓄の水や食料が足りるか心配です。また、ポリ袋調理は少量ずつ多品目作るレシピが多いため、家族分のご飯を炊く訓練もしてみなければと感じました。

インターネットが使えなくなった場合も想定しておく

災害発生時は、スマートフォンやタブレットがインターネットに接続できない可能性もあります。そのとき、停電・断水時にも使える防災レシピを急に検索できないかもしれません。そのため、あらかじめ防災クッキングの方法を頭に入れておいたり、レシピを印刷もしくは書き写しておいたり、防災クッキング用レシピ本を準備したりして、インターネットが使えなくても調理できるようにしておかなければ……と思いました。

お皿や調理器具も洗えないため除菌シートやスプレーが活躍

今回の調理で炊いたご飯はポリ袋からそのまま食べることで食器の代わりにしました。実は非常時などに使えるよう、紙皿も用意していたのですが、実際に被災した場合はいつまで断水が続くかわかりません。2016年の熊本地震の際は、断水が完全復旧するまで1カ月以上かかったところもあったようです。紙皿をその分用意することは難しいため、我が家では非常時紙皿は使わず、ラップを敷いたお皿を使ったり、アルコールスプレーなどでふき取ったりして使用した方がよさそうだと思いました。そして、ラップや除菌シート、除菌スプレーも備蓄しておく必要性を感じました。

4人家族が1週間過ごせる在宅避難の備蓄とは?

今回少しだけ防災クッキングを体験してみましたが、我が家のように家族5人であれば何をどのくらい備蓄すればいいのかが気になりました。そこで目安として仙台市が発表している、4人家族を想定した災害への備蓄の量をまとめてご紹介します。



4人家族が1週間過ごすための食糧の備蓄とは?

災害発生時、多くの人が気になるのは食料や飲料水がどの程度必要になるか、ということです。東日本大震災では、自宅避難ができた家庭でも備蓄品が底をつき、長時間スーパーで長蛇の列に並び、食料や水をやっと手に入れられた、という方も多かったようです。そこで仙台市では家族分の1週間の食糧を備蓄することを勧めています。


想定されているメニューは、朝食がご飯、味噌汁、あじつけのりやふりかけ、缶詰のおかず、お茶です。昼食はスパゲッティやそば、そうめんなどの乾麺に缶詰のソースや缶詰のおかず、フルーツやお茶など。夕食はご飯にカレーや丼もののレトルト、味噌汁、缶詰のおかずかフルーツです。


また、東京ガス都市生活研究所によると、想定されている献立は異なるものの、4人家族が1週間に必要とするカセットボンベは約5本とされています。


これら必要となるものを、一覧にしました。


<家族4人分の1週間分の食料>

・飲料水(2L) 42本

・パックご飯 48個

・インスタント味噌汁 32個

・味付けのり 20袋

・缶詰おかず(サバの味噌煮、焼き鳥缶など) 52個

・お茶(ティーパック) 28個

・パン(缶詰など) 16個

・ふりかけ 8個

・スープ(フリーズドライや粉末のコーンスープやわかめスープ) 24個

・コーヒー(ドリップパックやインスタントスティック) 16個

・細めのスパゲッティ 800g

・ミートソースの缶詰 2個

・カルボナーラの缶詰 2個

・乾麺(そうめん) 800g

・乾麺(そば) 400g

・水もどり餅 8袋

・フルーツ缶詰 24缶

・カレー(レトルト) 4個

・すきやき(レトルト) 8個

・親子丼(レトルト) 4個

・麻婆豆腐(レトルト) 4個

・中華飯(レトルト) 4個

・ハヤシライス(レトルト) 4個

・カセットコンロ 1個

・カセットボンベ 5本


仙台市「家族4人分の一週間分の食料」 

東京ガス「【最新調査】4人家族が1週間の食事に必要なカセットボンベは約5本!在宅避難の備え、できていますか?」 


さいごに

今回、初めて子どもと一緒に自宅避難時の調理を想定した防災クッキングを体験してみました。子どもは食べ慣れないものを食べなかったり、食べる量が少なくなったりと変化に敏感になるケースも多いでしょう。そのため、普段から防災時を想定した食事や、十分な備蓄、準備が大切だと身をもって知ることができました。仙台市や東京ガスの試算による備蓄の量も膨大です。しかしこれらはあくまで目安のため、家庭で必要になる食料や物資の量および種類は、それぞれ異なるでしょう。災害時も家族が元気でいられるように、家庭に合った備蓄や防災調理を考えておくといいですね。

参考サイト


    この記事の著者
    白川ゆうこ(peekaboo)
    ライター
    1歳、4歳、7歳の元気な3姉妹に翻弄されながら、毎日楽しく暮らしています。読書、ネットフリックス、美味しい食べ物探しが趣味です。知育や子育てについて分かりやすく発信していきたいです。
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