小学校受験前の夏休みはどう過ごす?1日の学習時間と夏休みの目標
小学校受験前の夏休みの目標
小学校受験前の最後の夏休みは、どのような目標をもって過ごす家庭が多いのでしょうか?
自分で考えて行動する力を伸ばす
幼児期の小さな子どもの場合、身の回りの世話などをママやパパに頼ることも多いでしょう。しかし、すぐに周囲の大人に助けてもらうことが習慣づいていると、保護者が付き添えない受験会場で困ったことが起きたときに対応するのが難しいかもしれません。
何でもママやパパに頼るのではなく、自分で考えて行動する力を身に付けることは、子どもの自立にもつながることでしょう。子どものためにとつい助けたくなることもあるかもしれませんが、大人が余計な手出し・口出しをせずに見守りに徹することも大切かもしれません。
満点への意識づけ
難関校の場合はとくに、些細なミスが合否を分ける可能性も高いといわれています。小学校受験では、中学受験や高校受験などと比べて、高い点数が合格基準となる傾向があるといわれています。
難関校は満点に近い点数、そうでない学校でも80~90%程度の問題に正解することが求められるそうなので、夏休み期間中には満点をとることを意識して問題に取り組む姿勢を育てられるよう意識してみてはいかがでしょうか?
応用問題に慣れる
新学期が始まると、受験対策は過去問が中心になっていきます。そのため、過去問に対応できるように基礎固めはもちろん、応用問題にも積極的に取り組み、慣れていきたいものですね。
小学校受験前の夏休みの学習時間の目安
小学校受験を控えた夏休みは、受験対策のカギとなる時期でもありますが、1日にどのくらい勉強をするのが望ましいのでしょうか?
目安は1日5~6時間
年長の夏休みの学習時間は家庭によって異なりますが、1日に5~6時間程度が目安といわれています。この時間の中には、幼児教室や塾の時間はもちろん、運動テストや絵画・制作テスト対策の時間なども含まれます。
勉強時間は長ければ長いほど効果が期待できるように感じられるかもしれませんが、子どもの集中力が続く時間は短いため、学習の質が低下してしまう可能性があります。効率よく学習を進められるよう、子どもにとって無理のない時間配分を意識してみてくださいね。
ペーパー問題にノルマは設けない
ペーパー問題は年長になると1日に10~20枚以上取り組む家庭が多く、なかには30枚以上をこなす子どもも珍しくありません。しかし子どもの課題を進めるペースには個人差があり、問題にもそれぞれ難易度があるため、毎日決まった枚数をこなそうと思っても難しいケースも。
「夏休み期間中は1日○枚のペーパーに取り組む」などとノルマを設けてしまうと、それが子どもにとって大きなストレスになってしまう可能性が懸念されます。そのためはっきりとしたノルマは設けず、子どものペースで学習を進められるよう枚数は日々調整してあげることをおすすめします。
夏期講座は必要なものを見極める
夏休み期間中の幼児教室の授業は、1日2~3時間のところもあれば、朝から夕方ごろまでみっちりと行うところもあります。しかしそんな夏期講座も、多く受ければいいというわけではないといいます。
授業を受けっぱなしにするのではなく、きちんと自宅で復習をすることで身につくといわれているので、夏期講座とあわせて自宅学習の時間を作れるかどうかも考慮するといいでしょう。
遊ぶ時間も受験対策につながる
受験で頭がいっぱいになっていると、子どもの遊ぶ時間がもったいなく感じられるかもしれません。しかし、そんな遊びの時間も受験対策へつながるといわれています。ブロック遊びで空間認識力や想像力を鍛えたり、ほかの子どもと遊ぶ中でコミュニケーション能力を伸ばしたり、直接的に受験に結びつかなくても身に付けられる力は少なくないはずです。
それを頭に入れておくと、ママやパパも穏やかな気持ちで子どもの遊びの時間を見守れそうですね。
小学校受験前の夏休みの過ごし方
小学校受験を控えた年長の夏休みは、下記のようなポイントを意識して過ごしてみてはいかがでしょうか?
予定を立てる
計画的に受験対策を進めるため、夏休み全体を通して大まかな予定を立てておいてはいかがでしょうか?幼児教室や習い事、外出などの予定を家族で共有しやすいよう、カレンダーなどに一目で把握できるようまとめておくのもおすすめです。
またそれとは別に、1日のタイムスケジュールを立てておいてもいいでしょう。起床時間や睡眠時間、食事や入浴時間などを意識して生活することで、夏休み期間中も規則正しい生活を送ることができそうですね。
生活習慣を整える
早寝早起きを習慣化すると、脳の活性化を促すことができるといわれています。夏休み期間中は生活リズムが乱れやすいため、早寝早起きを徹底するよう心がけてみてはいかがでしょうか?
子どものモチベーションが維持しづらい場合は、ラジオ体操を活用するのもおすすめです。スタンプカードを用意してあげると、早起きの成果が目に見えてわかるため、子どもが達成感を得られやすいかもしれません。
また近年は感染症の影響で取りやめになっている地域も少なくありませんが、近隣のラジオ体操会場に足を運ぶのもおすすめです。老若男女問わずさまざまな人とともに体操をすることで、子どものコミュニケーション能力や社会性を伸ばすことができそうですね。
自分のことは自分でやらせる
慌ただしい日常の中で、子どもを「待つ」時間がなかなか作れないというママ・パパも少なくないでしょう。とくに朝の忙しい時間帯においては、子どものペースに合わせてしまうと登園時間に間に合わなくなってしまうこともあり、つい身の回りの世話を大人がやってあげることも多いですよね。
夏休みは登園時間を気にする必要がないため、子どものペースを大切にしながら、自分のことは自分でやらせることができるのではないでしょうか?着替えや食器の上げ下げ、勉強道具の準備・片付けなど、時間がかかっても急かさず、見守ってあげてくださいね。
お手伝いをしてもらう
子どもに、家の手伝いをしてもらっていますか?「まだ難しいだろう」とつい敬遠してしまう人も少なくないでしょうが、何事も挑戦しなければいつまでもできないままかもしれません。
やり方をきちんと説明したうえで、思い切ってひとりでやらせてみてはいかがでしょうか?最初のうちは時間がかかったり、十分な出来ではなかったりするかもしれませんが、経験を重ねることで上達していくはずです。
またお手伝いをしてもらったら「助かったよ」「ありがとう」などと感謝の気持ちを伝えてあげましょう。「家族の役に立った」という達成感は、責任感を持ってお手伝いに取り組むモチベーションになりそうですね。またそうした経験は、子どもの自信や自己肯定感を高めることにもつながるかもしれません。
小学校受験の面接でも、お手伝いに関する質問をされることは多いといいます。気が向いたときにたまにやる程度のお手伝いでは、深堀りされた質問をされたときに回答するのは難しいでしょう。
日々真剣に取り組む中で「どんなところが大変?」「どういうところに気を付けてお手伝いをしているの?」などといった質問にも答えられるはずですよ。
ひとりで勉強する時間を作る
子どもが受験勉強をしているとき、そばでつきっきりでサポートをしているというママ・パパパも少なくないでしょう。しかし受験本番では、子どもは一人で試験に臨む必要があります。
そのため、子どもがひとりで勉強に取り組めるよう、あえてそばを離れることも必要なのかもしれません。複数枚のプリントを渡したり、取り組む問題集のページを教えたりとおおまかな指示だけ出したら、あとは子どもに自分で考えて学習を進めてもらってはいかがでしょうか?
ただしいきなり突き放してしまうと、どうすればいいのかわからずに混乱してしまうこともあるかもしれないので、子どもの様子を見ながら必要最小限を心がけつつフォローをしてあげるといいですね。
ミスを減らす対策を徹底する
小学校受験では高い正解率が求められるため、些細なケアレスミスが命取りになってしまう可能性があります。そんなミスを減らせるよう、問題を解き終えたら見直しをする習慣を身に付け、間違えたところはきちんと復習することが大切です。
ただし子どもがミスをしたからと、厳しく叱りつけるのは控えましょう。「失敗したら怒られる」という恐怖心から余計にミスが増えてしまったり、子どもが勉強自体に苦手意識を抱いたりする可能性があるので注意してくださいね。
応用問題に積極的に取り組む
難易度の高い応用問題は、つい後回しにしたくなるかもしれません。しかし受験も近づいてきた年長の夏休みには、難しい問題にも積極的に取り組むことをおすすめします。応用問題に慣れていくことで、難しい問題に直面しても考えることを放棄せず、前向きに取り組めるかもしれません。
ただし難しい問題ばかりが続くと子どものモチベーションが低下してしまう可能性があるので、問題の難易度のバランスも意識してみてくださいね。
親子の時間を作る
夏休み中は、普段よりも親子の時間を作りやすいことでしょう。会話やスキンシップなどを通してコミュニケーションをとったり、料理や工作などにいっしょに取り組んだりしてもいいですね。
またキャンプや海水浴などのアウトドア体験など、家族のイベントに子どもを積極的に関わらせることを意識してみてはいかがでしょうか?子どものやりたいことを計画に練りこんだり、子どもの役割を設けたりすることで、よい印象深いエピソードとなるでしょう。
そうした経験は、小学校受験の面接などでも役立つかもしれません。
息抜きの時間を作る
受験対策に集中しすぎると、大人も子どももストレスがたまってしまいますよね。そうした不安定な精神状態では、学習の効率も低下してしまうかもしれません。そうならないよう、大人も子どももほっとできるような息抜きの時間を作ってはいかがでしょうか?
しっかりとリフレッシュできたら、また前向きに受験対策に取り組めそうですね。
さいごに
年長の夏休みは、小学校受験において重要な時期ですが、勉強ばかりだと気が滅入ってしまうかもしれません。子どもが学習へのモチベーションを維持できるよう、子どもの楽しめるイベントを用意しておいてはいかがでしょうか?
家族旅行や帰省、花火など、夏休みだからこそできることも多くあります。そうした経験も、間接的ながら受験に役立つことでしょう。ただし、受験に大きな影響を及ぼしかねない怪我には十分注意してくださいね。