お箸の練習っていつから?始めるタイミングとトレーニング方法を解説
年齢は目安じゃない?子どもの手指の発達具合を確認しよう
まずは、子どもの手指の発達具合を確認しましょう。
お箸の練習を始めるタイミングとチェックポイント
フォークやスプーンを鉛筆握りで持てるようになった頃が、丁度よいタイミングといえます。具体的には、お箸を持つ親指、人差し指、中指の3本が思ったように使えること、そして手首も柔軟に動かせるようになったことがチェックポイントです。フォークやスプーンでご飯を食べる時に、「こう持ってみよっか!」と大人が見本を見せたり、正しいお箸の持ち方を促したりしてみてください。最初は少しの間だけでも正しい持ち方ができればよいでしょう。正しい持ち方ができた時は、たくさん褒めてあげてください。
手指の発達具合の目安として、手遊びなどで確認することもできます。じゃんけんでちょきとグーを素早く交互に出せたり、親指と人差し指で輪っかを作れたり、鉛筆持ちで線や絵を描けたりといった方法です。子どもと一緒に遊びながらチェックしてみてください。
今じゃない?子どもが嫌がった場合は無理にやらない
子どもがもし鉛筆握りを嫌がったら、無理に進める必要はありません。今はまだタイミングではないのだと割り切りましょう。お箸の練習には、本人の興味や関心も必要不可欠です。興味や関心があれば、子ども自身から手を伸ばしたり、質問したり、じーっと見てきたり何かしらのアクションがあるでしょう。好奇心が起点となれば、練習も続きやすくなります。小学校にあがる頃までにお箸を使えるようになれればよいので、子どものペースに合わせ気長に付き合いましょう。
矯正箸やトレーニング箸って必要?子どもに合ったお箸を選ぶポイント
次に、子どもが練習に使うお箸について確認していきましょう。
使った方がいい?矯正箸・トレーニング箸の選び方
矯正箸やトレーニング箸は、必要な指を入れるリングなどの補助機能が付いています。正しい持ち方も分かりやすくなっており、滑りにくくもなっていて便利です。ですが、必ず使った方がいいというわけでもありません。リングなどがついていない、大人と同じものを持ちたいと思う子どももいるでしょう。また、補助機能の有無では力の加減が異なるため、普通のお箸を実際に持った時に持ちにくいということもあるようです。矯正箸やトレーニング箸を使う場合は、使い方に慣れてきたら、早めに普通の箸へ切り替えることをおすすめします。
子どもに合わせ長さや素材もチェック!普通のお箸の選び方
普通のお箸を使いたがる場合は、子どもの手の大きさに合った長さのお箸を用意してあげるとよいでしょう。3~4歳の標準サイズは、14~15cmくらいといわれていますが、体格によって手の大きさも異なります。手首から中指の指先までの長さを測り、そこに3cmくらい足した長さを目安と考え、用意するお箸の長さを決めるとよいでしょう。
また、素材や箸先の加工も確認しておきましょう。素材でいえば、プラスチック製よりも木製の方が食べ物が滑りにくいです。プラスチックでも、箸先に溝が入っているなどの加工がしてあれば、食べ物をつかみやすくなりますよ。
お箸を練習するときは食べ物にも工夫を!
食事の時は、お箸でつかみやすい食べ物を用意してあげるとよいでしょう。豆腐などの柔らかい食べ物よりも、茹でて2cmくらいの大きさにしたブロッコリーや一口サイズにした厚揚げなど、お箸でつまんでも崩れず滑りにくい食べ物がおすすめです。他にも、煮物の根菜や、一口サイズに切ったホットケーキもよいでしょう。
お箸で食べることに慣れるまでは、手に力も入り疲れやすいです。長い時間は持っていられないため、フォークやスプーンを併用しながら、少しずつ慣らしましょう。
遊びで取り入れる!お箸のトレーニングは食事以外の時がおすすめ
食事ですぐに取り入れてしまうと、ご飯の時間が長引いたり、食べ物をうまくつかめずにこぼしてしまったりで、親子で嫌な気持ちになってしまうかもしれません。お箸のトレーニングに入る時は、初めから食べ物でするよりも、遊びの中に取り入れた方が子どもも楽しくできるでしょう。保護者にとっても気が楽になるためおすすめです。
まずは、トングやピンセット、洗濯ばさみなどを遊びに取り入れてみましょう。最初は何かを挟んだりするだけでもよい手指の運動になります。トングの方が大きく開くものが多いので、ピンセットよりも使いやすいかもしれません。バネがあるためお箸で使う親指、人差し指、中指の3本にうまく力を入れる必要があり、手指の運動になります。
慣れてきたら、何かをつまんで運んだり、入れ物へ移したりするゲームをしてみましょう。高価なものを用意する必要はなく、お家にあるものや100均グッズ、手作りのものでかまいません。
他にも、お箸を1本だけ持たせて上下に動かす遊びもよいです。親子で一緒にリズミカルに手首を動かすと、子どもも楽しめます。お箸を動かせる振り幅が大きくなったら、2本目のお箸を1本目の下に入れて持たせ、上のお箸だけを動かしながら物を掴む練習に移ってみましょう。
最初は見本を見せたり補助が必要だったりしますが、慣れてくると一人で集中して遊ぶ子どももいます。こうした遊びをとおして手指を鍛えていくと、手首が柔軟になり自分の思い通りに手指も動かせるようになるのです。
子どもも集中!?遊びながら楽しくできるお箸トレーニングの具体例
「できた!」と子どもも楽しみながらできる、お箸のトレーニングに繋がる遊びをご紹介します。モンテッソーリ教育でも取り入れている遊びです。
模様や形もバリエーション豊か!つまみのあるパズル
つまみの付いたパズルを使うと、パズルをしながら3本指や手首の運動になるためおすすめです。丸や三角、四角といった図形から動物やフルーツ、乗り物など、様々なバリエーションのつまみ付きパズルが販売されています。子どもの年齢や好みに合わせて用意してあげるとよいでしょう。パズルの型に合わせてはめたり外したりする必要もあるため、手先の器用さに繋がったり脳の活性化にもよいようです。購入するのに迷うという方には、おもちゃのレンタルサービスを利用するのもいいでしょう。
意外と難しい!手指のコントロールの練習には「ボール落とし」
豆やビーズ、小さめのぽんぽんボールをつまんで、ビンや穴に入れていく遊びです。家にあるもので用意できるため、取り入れやすいでしょう。一つずつつまんで狭い穴に入れる作業は、慣れていない子どもにとって難しいものです。柔らかくつまみやすい大きさのものから始め、できるようになってきたらツルツルしたものや、少し小さめのものを使ってレベルアップしてみましょう。
なお、この遊びは小さい物を扱うため、誤飲の可能性があります。遊ぶ時は必ず保護者が側にいて注意しておきましょう。
実際にお箸を使ってみよう!レベルを変えられる「お皿移し」
お箸を実際に使ったトレーニングです。まずは基本セットを用意します。浅めのお皿を2枚と、子ども用のお箸、おぼんのように使えるトレーもあるとよいでしょう。お皿の下に滑り止めを敷いて上げると、お皿が滑らず移しやすくなります。お皿の代わりに、製氷皿やお菓子の空き箱を用意してもよいでしょう。箸置きも用意し日本文化について触れてあげれば、外食先で箸置きがあった時にお箸を置いてくれるかもしれません。
続いてお箸でつまむものですが、練習の段階によって少しずつ難易度を上げていくのがおすすめです。 最初は小さくちぎったスポンジや小さめに丸めたティッシュなど、軽くてお箸に引っかかるものがよいでしょう。準備ができたら、お箸でつまむものを片方のお皿に入れ、もう片方のお皿に移していきます。次の段階では、100均に売っているような手芸用道具や髪留めを使いましょう。巻いたモールや中くらいの柔らかいぽんぽん、プレゼントにつけるフラワーリボン、くるくるしたヘアゴムなどが、お箸に引っかかりやすくつまみやすいです。どんどんできるようになってきたら、少し重みのあるものや滑りやすいものなどにもチャレンジしていきましょう。
さいごに
お箸の練習を始めるタイミングや、トレーニング方法についてご紹介しました。お箸を使うことは、子どもにとってはとても難しいものです。前段階として遊びの中で手指の運動をたくさんしておけば、お箸を持った時に子どもも扱いやすく、慣れやすくなるでしょう。焦らずゆっくり、子どもの成長や興味関心に合わせて、楽しくトレーニングを取り入れてみてくださいね。
参考サイト
- 3歳6ヶ月~「お箸」のおしごと | モンテッソーリほいくのたね ( https://montessori-hoikunotane.com/post-344/)