赤ちゃんの【ハンドリガード】は成長のサイン!どんな意味がある?
ハンドリガードってどういうもの?
ハンドリガードのリガードは、英語で「じっと見つめる」という意味があります。 赤ちゃんが手をじっと見つめるしぐさのことを、ハンドリガードというのです。 自分の手を見つめるだけではなく、手をグーパーと開いたり閉じたりしたり、腕をゆらゆら揺らす動作などもハンドリガードの一種です。
赤ちゃんはハンドリガードをすることによって、ものを見る力や身体を動かす力を養っていきます。そうすることで、見たいものに焦点を合わせたり、身体を自由に動かせるようになったりできるようになるのです。
ハンドリガードをするのはいつからいつまで?
ハンドリガードは、一般的に生後2~3ヶ月ごろに多く見られます。しかし、赤ちゃんによって個人差があり、生後4~5ヶ月ごろに見られる場合も。
そしてハンドリガードは、やり始めてから3ヶ月経つと見られなくなってきます。早い子では、1ヶ月でしなくなる場合もあるため、ハンドリガードをしているのに気づけなかったということもあるのです。
ハンドリガードは成長している証!
ハンドリガードは手をじっと見つめるので、「ものを見る力」が発達してきたといえます。ハンドリガードをするためには、見たいものへ焦点を合わせる必要があるのです。
新生児期の段階でも強い光を感じて目を閉じたり、光が目に当たると瞳孔が縮んだりといった目の動きは見られます。しかし、この段階では見たいものに焦点を合わせることはできません。生後1ヶ月ごろになると、ものを見つめる「注視」という力が、生後2~3ヶ月ごろになると、ものが動いたほうへ視線を合わせる「追視」という力が身についてきます。
ハンドリガードをはじめるようになったのは、さまざまな色や形を認識して、動いているものを追視できるようになったためといえるのです。
また、ハンドリガードをするには自分の手を目の前に来るように動かす必要があります。つまり、新生児期にはくにゃくにゃしていた赤ちゃんに「自分の手を持ち上げる力」がついたということなのです。
赤ちゃんの中には、足を持ち上げるように開脚したり、足を口に入れたりするようなハンドリガードをする子もいます。フットリガードとも呼ばれ、手を動かす筋肉だけではなく下半身の筋肉もついてきた証なのです。
ハンドリガードをする時期に気を付けたいこと
ハンドリーガーは手を見つめるだけでなく、手を口の中に入れることもあります。あまり神経質にある必要はありませんが、赤ちゃんの手をウェットティッシュで拭くなどして、清潔に保ってあげるといいでしょう。また、手を口に入れたときに口の中をけがしてしまわないよう、赤ちゃんの爪を切っておくことも大切です。
ハンドリガードを始めたら取り入れたいこと
ここからは赤ちゃんがハンドリガードをはじめるようになったら、家庭で取り入れたいことをご紹介します。
赤ちゃんに積極的に声をかけてあげる
ハンドリガードをはじめる時期には喃語を話す赤ちゃんも多いです。そのときは、赤ちゃんの身体に優しく触れながら積極的に話しかけてあげるといいでしょう。「おっぱいおいしいね」や「眠たいね」など、赤ちゃんの気持ちに共感した声掛けをしてもいいですね。
触れ合い遊びをする
ハンドリガードをはじめた赤ちゃんは、自分の身体を認識してきています。そのため、赤ちゃんと触れ合う遊びを取り入れるのもおすすめです。手遊び歌に合わせて身体を触ったり、動揺を歌いながら赤ちゃんの身体をマッサージしたりしてみるのもいいでしょう。
この時期の赤ちゃんにおすすめの手遊び歌には、「あたまかたひざぽん」があげられます。歌詞に出てくる部位をタッチしながら楽しめ、テンポやタッチする部位のアレンジもできます。そのほかにも、「らららぞうきん」や「きゅうりができた」などの歌で、身近なものに赤ちゃんを見立ててマッサージやタッチするのもおすすめです。
おもちゃを活用してみる
まわりの様子に興味を持ちはじめたらおもちゃを活用してみるのもいいでしょう。仰向けでも遊べるようなベビージムを購入したり、ベビーベッドにメリーを取り付けてみたりしてみるのがおすすめです。興味を持った赤ちゃんが自分の手をのばして取ろうとする仕草が見られるかもしれませんね。
ハンドリガードをしない赤ちゃんもいる
「うちの子、ハンドリガードをしないけど大丈夫なの?」と心配になることもあるかもしれません。しかし、ハンドリガードをしなくても、 赤ちゃんの成長に必ずしも問題があるというわけではありません。ハンドリガードをまったくしないで成長する赤ちゃんもいます。ハンドリガードをしなくても、おもちゃなどに興味を持ち、手をのばすことがあれば問題ありません。
ハンドリガードをしないことで、「発達障害や自閉症なのでは?」と心配するママやパパもいるでしょう。しかし、3歳になる前の乳幼児にみられる行動や言語には個人差が大きいです。ハンドリガードの有無だけで、専門家や医師が発達障害や自閉症を判断するのは難しいのです。
反対にハンドリガードを長期間続けていることを心配するママやパパもいるよう。ハンドリガードが見られなくなる時期にも個人差があります。もし気になるようであれば、乳幼児健診の際や小児科に行った際に、相談してみるのもいいでしょう。
ハンドリガードをしない場合の対処法
ハンドリガードをしないからと、あまり神経質になる必要はありませんが、どうしても気になる場合には赤ちゃんの好奇心を刺激してみるといいでしょう。
生まれたばかりの赤ちゃんは、自分で身体を動かすことはできませんが、大人よりも触覚が敏感です。マッサージや手遊び歌で身体を刺激すると、発育が促進されるといわれています。スキンシップがきっかけとなり、知的好奇心や自分で身体を動かすことへの意欲が生まれることもあるようです。
赤ちゃんの成長で気になることがある場合の相談先
ハンドリガードなど赤ちゃんの成長で気になることがある場合に、どこに相談したらいいのか、ママやパパの体験談を交えてご紹介します。
自治体の相談窓口
「生後2ヶ月のときに数日だけハンドリガードをして、それ以降はやらなくなってしまったので自治体の相談窓口で相談した」というママ。各自治体で子育てに関する無料の相談窓口が設けられています。専門のスタッフが在籍しているので、安心して相談できます。お住いの自治体のホームページから、子育て相談窓口の連絡先が確認できるので、なにか気になることがある場合は連絡してみましょう。
かかりつけの小児科
「生後3ヶ月をすぎてもハンドリガードをしなかったので、かかりつけの小児科で相談したママもいます。「はじめる時期には個人差があり、まったくしない場合もあるから心配いらない」と言われ、安心したようです。小児科は病気の診察や治療だけではなく、乳幼児の発達の悩みの相談ものってくれます。予防接種などの際に、発達の悩みなどを聞いてもらってもいいでしょう。病院で相談する際に落ち着いて話せるように、日ごろから気になることがあったときにメモをしているというパパもいました。
ほかにも、民間企業の森永コミュニケーションが運営している「ママさん110番」や、一般社団法人の社会的包摂サポートセンターが運営している「よりそいホットライン」などの電話相談窓口もあります。子育てのことで悩みがある方は、ひとりで抱え込まずに気軽に相談してみてくださいね。
さいごに
ハンドリガードは、赤ちゃんが成長していく過程で見られる行動のひとつです。ハンドリガードをしながら、赤ちゃんはものを見る力や身体を動かす力を養っています。しかし「ハンドリガードをしないけど大丈夫なの?」と、心配しすぎる必要はありません。赤ちゃんの成長は個人差が大きいので、ハンドリガードをまったくしないで成長していく子もいます。まわりの赤ちゃんと比べすぎず、なにか不安なことがあるときには、自治体の相談窓口やかかりつけの小児科、電話相談窓口を使用して相談してみるのもいいでしょう。
ハンドリガードをする時期はとても短いです。そのため、ハンドリガードをしている赤ちゃんの姿を写真や動画におさめて、あとで見返してみるのもおすすめです。わが子の成長を見逃してしまわないよう、あっという間にすぎてしまう乳児期の成長を楽しんでくださいね。
参考サイト
- 保育のひきだし|育児の悩みはどこに相談する?よくある悩みと相談先(https://www.hoikunohikidashi.jp/?p=16763207 )