
子どもの自立心を養う!はじめておつかいに行かせる際のポイント・体験談

おつかいに行くメリットとは?
子どもをはじめてのおつかいに送り出す親は、不安や心配がつきませんよね。成功してもしなくても、おつかいに行くということが子どもにとって貴重な経験です。そんな貴重な経験の機会を親がなくしてしまわないために、少しでも不安や心配が減るよう、おつかいに行かせるメリットを紹介します。
自信がつく

「今までしたことがないことを自分だけでできた」という達成感は、子どもの自信につながります。もし、おつかいが成功しなくても、一人でおつかいに行こうとした気持ちをしっかり褒めてあげてください。子どもの成長に合わせてさまざまな体験をさせることで、子どもは少しずつ自信をつけていき、自己肯定感を高めることができます。
自立心が養われる

一人での挑戦には、勇気が必要です。勇気を振り絞っておつかいに行き、自分で買い物をして帰ってくる、「一人でできた」という経験は子どもにとって、大きな自信になり、それは自立心にもつながります。幼稚園や保育園では園バスや送迎が必要ですが、小学生になると自分で登下校しなければいけません。成長すると自分のことは自分でしなければいけない機会が増えるので、自立心は成長する上でとても重要な心の成長と言えます。
一足先に、社会生活を体験できる

おつかいに行くことで、今まで知らなかった大人の世界を少し知ることができ、子どもに社会生活の一端を体験させることができます。子どもは大人が日々やっていることをよく見ていますが、実際体験することで、「自分も人の役に立つことをした」という喜びを味わえます。それはやる気にもつながり、どんどん人の役に立ちたいと思うようになるはずです。
はじめてのおつかい!気を付けるべきポイント
おつかいは、子どもだけのチャレンジです。親ができるのはサポートのみ。子どもがはじめてのおつかいにチャレンジする際に、親として気を付けるべきポイントをご紹介します。
交通ルールや危険な場所の確認
交通ルールがきちんと守れるかどうか、危険な場所がわかっているかなどは重要なポイントです。横断歩道の渡り方や信号の色、死角となる場所など、普段のお出かけや散歩などで一緒に確認しながら歩きましょう

おつかいに行かない場合でも、交通ルールや危険な場所を知っておくことは大切なので、散歩など遊びを通して教えることがおすすめです。
わからなくなった場合の対処法を教える
やる気満々で出発しても、いざ店内に入ると何を買うべきか忘れてしまうこともあります。わからなくなったら、どこに行けばいいか、誰に聞けばいいかなどのシミュレーションをしておくと親も子も安心です。

字が読める子にはメモを持たせておきましょう。字が読めなくても、わからなくなったらこれを見せてと言って渡しておけば、きちんと買い物をして帰ってくることができます。成功してほしい気持ちはやまやまですが、万が一のことを伝えておくことも、親の優しさと言えます。
できなくても大丈夫!
はじめてのおつかいは、成功することのほうが珍しいです。違うものを買ってきたり、お釣りをなくしてしまったり、目的地まで行くことができなかったり、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。失敗したとしても、行こうとしたことをしっかり褒めてあげることが大切です。子どもは使命感からできなかったと落ち込んでしまうかもしれません。しっかり励まし褒めてあげることで自信を取り戻し、またチャレンジしようという気持ちになれるのです。
おつかいはその子にあった方法を選ぶべし
どのようなおつかいができるかは住んでいる環境やその子の性格によって違います。自分の子にできるおつかいをしっかり見極めてどんなことをお願いするか選びましょう。
環境や年齢に合ったおつかいを選ぼう
おつかいというと、買い物を思い浮かべることが多いかもしれませんが、近くに買い物できるお店がない場合には、買い物のおつかいを頼むことは難しいです。また、年齢や性格的にお買い物のおつかいは無理そうな場合もあるでしょう。そのようなときには、買い物以外のおつかいをお願いするのがおすすめ。ポストに手紙を投函する、クリーニング店に仕上がり品を取りに行く、ご近所に届け物をするなど、大人が子どもに頼めばおつかいになります。

その子にあった方法のおつかいをお願いすれば、親も安心でき子どもも自信を持って取り組むことができます。
兄弟がいるなら一緒にいかせてもOK
兄弟がいるときには、一緒におつかいに行かせるのもおすすめ。一人よりも心強く、自信を持って行くことができます。おつかいに行きたいけど不安が大きいときには、無理に行かせるのではなく、様々な方法を模索していい解決策を見つけることが重要です。

おつかいをテーマにした絵本をご紹介!
おつかいに興味を持ちだしたら、おつかいがテーマの絵本を読んであげましょう。こんなことをするんだよ、こんなところに気をつけなくちゃいけないね、など会話をしながら読み進めることで、行ったことはなくても行った気分を味わうことができます。
「はじめてのおつかい」
5歳のみいちゃんが初めておつかいに行く様子を描いたお話です。1977年に発行され、今なお人気の高い絵本なので、読んだことがある人も多いでしょう。作者自身の記憶や経験をもとに作られたというストーリーと、細かいところまで描かれたお店の様子やみいちゃんの豊かな表情など優しいタッチの絵は、子どもだけでなく大人の心をもつかんで離さない魅力があります。おつかいに興味を持ちだしたらぜひ読んであげたい1冊です。
著者:さく/筒井頼子、え/林明子
出版社 : 福音館書店
ページ数:32ページ
価格:990円(税込)
「おつかい」
お母さんが雨の日に女の子におつかいを頼みます。でも「あしやふくがぬれたらどうしよう」と心配ばかりでなかなかお出かけできません。覚悟を決めて、いざ出発するぞ!と家を出るころには雨はやんでいて…というお話です。雨に備えていろいろなものを準備する女の子がユーモアに描かれています。読みながら、女の子と一緒に親子で想像を膨らませながら読んでほしい1冊です。
著者:さとうわきこ
出版社 : 福音館書店
ページ数:48ページ
価格:1,210円(税込)
【体験談】おつかいに行かせたことがある親の気持ちとは?
実際におつかいに行かせたことがあるパパやママの体験談をご紹介します。
体験談1:行き慣れたスーパーへのおつかい!(6歳女の子のママ)
娘がはじめておつかいに行ったのは年少さんの時でした。
目的地であるスーパーは、我が家から100mほど行った目と鼻の先にあり、道路を横断することなく歩道をまっすぐ行けば着きます。それに加えて、娘は小さなころから責任感があり姉御肌だったので、早くからおつかいに興味を持っていたことなどが行かせた理由です。
毎日のように行っていたのでどの商品がどこにおいてあるか娘もわかっており、顔見知りの店員さんもいたため「必ずその人のレジに並ぶんだよ」と約束をしてから送り出しました。
我が家は、家を出てからスーパーに入るまでをベランダから見ることができます。店内に入ったことを確かめ、その後もずっとベランダから離れることができず様子を伺っていました。しばらくして買い物袋を抱えてお店から笑顔で出てきたときには、ホッとしました。
帰って様子を聞くと、なんとも誇らしげに事細かにおつかいの様子を話してくれました。その姿は、自信がついて一回り成長したように見え、行かせてよかったと思いました。(6歳女の子のママ)
体験談2:一度は家を出たのだけれど…(5歳男の子のママ)
突然「おつかいに行きたい」と言い出した息子。慎重派で「ママと一緒じゃないとイヤ」が口癖なので驚きましたが、息子の気持ちを優先しようと夫と話をして行かせることにしました。お願いしたのは、家から5分ほどのところにあるポストにハガキを投函すること。
「行ってきます!」と元気よく家を出ましたが、しばらくすると息子が帰ってきました。往復でも10分程度かかるはずなのにと思っていると、わたしの姿を見るなり大泣きし始めました。
話を聞くと、家を出て少し歩くと急に不安になってしまったとのこと。
実は夫が心配で後をついていっていたので夫にくわしく聞くと、徐々に歩みが遅くなってついには足が止まってしまったようです。行く先をじっと見つめ立ち止まっている息子に声をかけようかと思っていると、引き返して走って帰っていったそう。
「一人で家から出ておつかいに行こうとしただけでもすごいんだよ」「頑張ったね」と声をかけると、少し落ち着いた息子は「また今度頑張る」と言いました。
おそらく息子にとっておつかいはまだ早かったのでしょう。また息子のタイミングで「行きたい」と言ってくれたときに不安なく行けるように、身近なおつかいや道のりの確認などをしておこうと思います。(5歳男の子のママ)
さいごに
おつかいのタイミングは、その子のやる気次第です。親ができることはサポートのみですが、いつおつかいに行きたいと言い出してもいいように、日ごろから交通ルールや危険な場所の確認をしたり、ちょっとしたお手伝いをお願いしたりしていると、スムーズにおつかいができるようになるでしょう。
心配する気持ちもあるかもしれませんが、やる気を尊重しつつ成功できそうなおつかいをお願いすることで、子どもは自信や達成感を身につけることができます。
子どもがおつかいをしたいと言ったときには、その子にあった方法を見極め、チャレンジさせることが大切です。
