子どもの探究心はどう育む?探究心を伸ばすとメリット満載!
探究心とは?
大人にも必要な能力とされている「探究心」。いろんなところでその言葉が使われていますが、しっかりと意味を理解しているか不安になりませんか?
「探究心」とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。
「探究心」の意味
探究心とは、物事について深い知識を身に付けたり、物事の本質を明らかにして理解を深めたりしようとする気持ちのことをいいます。この探究心は、実は学校の教育で育むのは難しいのだとか。
大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとってはさまざまなことが不思議に感じられたり、疑問を抱いたりするものですよね。そうした好奇心が探究心へとつながっていくため、探究心を伸ばすためには幼児期からの働きかけが重要になるといわれています。
思考力や観察力の基盤となる探究心は、成長してから身に付けようとしても難しいそうです。幼児期から子どもの探究心を培うことは、子どもの知的好奇心を育むことにもつながるでしょう。
好奇心との違い
「好奇心」と「探究心」は似ている印象を抱いている人も多いかもしれませんが、どのような違いがあるのか気になりますよね。好奇心も探究心も、物事に興味を抱くという点は同じだといいます。異なるのは、その後の行動です。
好奇心の場合は、本や写真、動画を見るなどして表面的なことを知って満足するといいます。一方探究心の場合は、実際に動物園や動物園などに足を運んだり、植物の成長を観察したりとより深く物事を追求していくのだそうです。
探究心が盛んな年齢
探究心が一番盛んになるのは、3歳頃だといわれています。子どもは生後6ヶ月頃までは「感覚」3歳頃までは「行動」6歳頃までは「探究」という段階を踏みながら発達していくとされているので、3歳頃から子どもの探求心をのばすことを意識していきたいですね。
子どもの探究心を伸ばすメリット
探究心を伸ばすことは大切だといいますが、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか?
探究心を育むことで、子どもの積極性や能動性を培うことができるといわれています。「ママやパパに言われたからやる」のではなく「自分で考えて行動する」力は社会で生き抜く上で大切な能力だといえるでしょう。
また探究心を育むことで、子どもが遊びや勉強などさまざまな物事に興味を持ち、意欲的に取り組みやすくなるかもしれません。こうした意欲は、大きくなってから自然と身につくものではなく、幼少期に土台を作っておくことが大切だといいます。
また物事を追求していく中で、やりたくないことや嫌なこともでてくるでしょう。しかし嫌だからと逃げず、物事の探究のために努力する経験は、自己管理能力の向上につながるはずです。
子どもの探究心を育むヒント
子どもの探究心を育てるには、どのようなことを意識すればいいのでしょうか?
子どもの疑問に向き合う
3歳頃になると、さまざまなことに関心を示し「なぜ?」「どうして?」と疑問を抱きます。そうした質問が増えることから、この時期は「質問期」とも呼ばれているのだとか。そんな子どもの疑問には、可能な限り向き合うようにしましょう。
また子どもの疑問に答えるときは、できれば科学的根拠も添えることをおすすめします。難しい言葉では理解するのが難しいので、子どもにとってわかりやすい言葉で説明してあげてくださいね。
質問の答えが理解できないと「どうせ聞いてもよくわからないだろう」と質問すること自体にうしろ向きになってしまう可能性があるため、注意が必要です。疑問がきちんと解決されると、子どもの探究心をより引き出すことができるでしょう。
子どもといっしょに物事を調べる
いくら大人でも、子どもの質問になんでも答えられるわけではないですよね。子どもに投げかけられた質問の答えがわからない場合は、子どもといっしょに調べてみてはいかがでしょうか?
時間があるときは時間をかけて図鑑や本などで調べてもいいですし、忙しいときなどは手軽に答えが検索できるネットを利用してもいいでしょう。大人だけで調べるのではなく、子どもといっしょに調べることで、子どもの探究心をさらに刺激できるはずです。
また疑問を自分で解消する経験を重ねることで、わからないことは自分で調べる習慣を身に付けられそうですね。
習い事をさせる
音楽や運動などの習い事も、子どもの探究心を引き出してくれることでしょう。子どもの興味のある習い事がわからなければ、いろいろな習い事の体験教室に参加してみてもいいですね。
外遊びの時間を積極的に作る
外遊びをたっぷり行うことは、子どもの探究心を伸ばすだけでなく、身体を守る方法を身に付けることにもつながるといわれています。実は最近の子どもたちの中には、上手に転ぶことができずに大怪我をしてしまう子も珍しくないのだとか。
子どもの動きは危なっかしく、見ているとひやひやしてしまう場面も少なくないでしょう。しかし多少の怪我には目をつぶり、身体を思い切り動かす経験をさせることが大切だといいます。そうした経験を重ねることで、自分の身体の感覚を把握し「このくらいなら大丈夫。ここからは危ない」といった危機管理能力を身に付けられるのだそうです。
また外遊びをしていると、子どもがなかなか家に帰りたがらずに困ることもあるかもしれません。しかし「早く家に戻りなさい!」と叱りつけるのではなく、可能な限り子どもに付き合ってあげることをおすすめします。
絵本・図鑑を用意する
子どもが興味を抱いているものがあれば、それに関する絵本や図鑑などを用意してみてはいかがでしょうか?気になることを自分で調べて学ぶ経験は、大きくなってから勉強にも役立つはずです。
ただせっかく絵本や図鑑を用意しても、子どもがなかなか興味を示してくれないこともあるかもしれません。しかしだからといって「ちゃんと読みなさい」と子どもを責めたり強要したりするのは控えたほうがいいでしょう。
ある日突然興味を示すこともあるので、子どもが手に取りやすい場所に置いておくことをおすすめします。筆者の子どもも恐竜が好きなのですが、喜ぶだろうと思って用意した恐竜の絵本にまったく興味を示してくれずに戸惑ったものです。
読み聞かせようとしても「イヤ」だと拒否され、購入したことを後悔していたのですが、数ヶ月が経ったころ、急に絵本を手に取ってくれるようになりました。最近ではお気に入りの絵本になったようで、1日に何度も読んでほしいとせがまれて嬉しく思っています。
大人が探究心を意識する
子どもは大人の想像以上に大人の様子を見ているもの。そのため大人が探究心を持って行動することを意識すると、子どもの探究心を伸ばすことにつながるかもしれません。
「きれいな色のちょうちょが飛んでいるよ。どんな名前のちょうちょなのかな?」などと子どもの興味を持ちそうなことに大人が関心を示し、実際に図鑑などで調べる姿を見せてみてはいかがでしょうか?
また、ママやパパが好きなことや気になることを子どもと共有するのもおすすめです。楽しそうにママやパパが話すのを聞くことで、子どもも興味を持ってくれるかもしれません。子どもが関心を示したら、いっしょに本を読んだり動画をみたり、博物館などに足を運んだりしてみてもいいですね。
子どもの探究心を伸ばすときの注意点
子どもの探究心を培うため、注意しておきたいポイントをご紹介します。
質問に対して適当な返事をしない
子どもからの頻繁な質問は、大人にとっては面倒に感じられることもあるでしょう。だからといって適当に流したり、でたらめに答えたりするのは控えましょう。そうしたおざなりな対応が続くと、子どもが誤った情報を覚えてしまうだけでなく、子どもの探究心を損なってしまうかもしれません。
「知らない」「まだ小さいからわからないでしょう」などと突き放したりせず、わからないことはいっしょに調べてあげてくださいね。また答える時間が作れそうにない場合「あとでね」と返事をしたら、必ず手が空いたときにきちんと答えてあげましょう。
「あとでね」の約束を反故にし続けると、親子の信頼関係にも悪影響が出てしまう可能性があります。
親の意向を押し付けない
「子どもにはこんなことに興味を持ってほしい」という親の理想もあるでしょうが、子どもが実際にどんなことに関心を示すのかはわからないもの。親の意にそぐわないからといって、子どもの好奇心を否定したり、親の意向を押し付けたりしないようにしましょう。
探究心は、子ども自身の意思があってこそ育まれるもの。親が強制することで伸ばせるものではないといいます。そのため、子どもが興味を示したものに「そうなんだ!おもしろいね」と大人が関心を示してあげることが大切なのだとか。
また小さな子どもは興味・関心が移ろいやすいものなので、ひとつの物事への関心が長続きしないからといって責めないであげてくださいね。
探究心を持続させる材料を小出しに用意する
子どもが一つの物事に関心を抱いても、探究心を維持することは難しいもの。子どもがより物事を追求できるよう、大人が材料を用意してあげてはいかがでしょうか?
例えば、子どもが植物に興味を抱いた場合、図鑑や動画を見せたり、植物園に出掛けたり、実際に植物を育ててみたりするといいですね。このとき、一度にすべての材料を与えないようにするのがポイントだといいます。
いきなり多くの材料を与えると、一つのことに集中するのが難しく、どれも中途半端になってしまうかもしれません。そうならないよう、子どもの探究心が冷めそうになるたびに新しい材料を小出しにしていくと、興味・関心を持続させやすそうですね。
さいご
子どもの探究心は、一朝一夕で伸ばせるものではありません。毎日の小さな積み重ねが探究心を伸ばしていくことを意識し、子どもの疑問に真摯に向き合ってあげることをおすすめします。
わからないことをそのままにせず、しっかりと調べる力を身に付ける力は、ママやパパにとっても役に立つことでしょう。