KAPLA(カプラ)ブロックを徹底解説!効果や遊び方は?
カプラブロックとはどんなブロック?
まずはカプラブロックがどんなブロックなのか、詳しく見ていきましょう。カプラブロックは、考え抜かれて精巧に作られたブロックなんですよ。
パーツの種類はなんと1つだけ!
カプラブロックの特徴として、パーツの種類が1つだけということがあげられます。他のブロックには、四角や三角、丸の形をしたものがあったり、既に家や動物の形をしたブロックもあったりするため、それらを使って楽しみます。しかし、カプラは大きさも形も1つだけです。
サイズは長さが150mm、厚みが10mm、幅が30mmという計算しつくされたもの。子どもが持ちやすくい細長い形をしており、重くありません。
ブロックのサイズは考えて作られている!
ワンサイズのブロックは、考案者のトム・ブリューゲン氏が15年の歳月をかけて考え出されたものです。
先ほどの大きさの比率を述べましたが、これがまさに黄金比率と呼ばれているもの。この比率で作られているからこそ、ブロック1つで建物の階段や、動物、アートなども表現することができます。また精巧に加工されているため、薄い板にも関わらず高さ15mまで積み上げることも可能です。
いろいろな賞を獲得している
カプラブロックは発売されてからさまざまな玩具賞を受賞しています。フランスの国内にとどまらず、カナダやアメリカ、日本などで世界のあちこちで称賛されているのも納得。また、フランス文部省も推奨しているブロックで、日本でも幼稚園や小学校、中学校などでも取り入れられています。
カプラブロックは誰でも楽しめる
カプラブロックはシンプルながら奥が深い玩具のため、子どもからお年寄りまで、年齢を問わずに楽しめます。子どもたちと祖父母など、世代を超えて交流の懸け橋にもなってくれるアイテムです。
想像の世界を共有したり、年齢関係なく意見を交わしたりすることができ、1つのものを協力しながら完成させることで、達成感の喜びもみんなで味わえます。
作品集の発売やKAPLAアーティストも現れる
発売されてから、カプラブロックの魅力にはまる人たちがたくさんいます。画家で造形作家のハナ・ブリューゲン氏もその1人で、創作されたカプラブロックの作品集が出版されています。少ない枚数で表現するハナ・ブリューゲン氏の作品もあれば、作品指導や表現指導をするマリー・パスカール氏の何万枚も使って表現する作品もあります。
カプラブロックで得られる効果とは?
では、カプラブロックで遊ぶことによって、どのような効果が期待できるのでしょうか。いくつかピックアップしてみました。
想像力や思考力がアップする
カプラブロックは、はめ込み式でもなく、のりやクリップで止めたりすることもありません。簡単にやり直しができるのも魅力の1つです。イメージと違えば、そのつど作り変えることができます。カプラブロックは建物の屋根やアーチ、動物の表情まで豊かに表現できるため、自分の想像するモノに、より近づけていくことができるのもポイントです。いろいろなものが作れるからこそ、子どもたちの想像力を掻き立て、芸術的なセンスを磨いていくことにつながります。
また、カプラブロック立体的なモノを作り上げることができるため、空間を認識する力を養えます。「こうやってみたらどうなるか」といった論理的な思考を促すことにもつながります。遊びの中で、自然と想像力や思考力などが磨かれていくのも、カプラブロックの魅力です。
集中力と忍耐力を養える
今後身につけてもらいたいと思っている能力に、集中力や忍耐力と思っている人もいるのではないでしょうか。カプラブロックは、その能力を伸ばす手伝いをしてくれます。
自分のイメージしたものを表現するためには、集中力が必要です。カプラブロックは、ブロック同士が固定されておらず、何かの拍子で壊れてしまうことも。そうならないために、子どもたちは作品を作るたびに集中し、反対に集中力が途切れると、崩れてしまうということを経験します。そこであきらめずに、新たに作品を作り直していくことで、集中力だけでなく忍耐力を養うことにもつながります。
遊びの中で、重要な能力が身につけられるのも嬉しいポイントですね。
社会性も身につけられる
意外かもしれませんが、カプラブロックでは社会性を身につけることができるのです。もちろん1人で作品を完成させることもできますが、大きな作品などは誰かと一緒に作ることもできます。
例えば、どんどん上に積み上げていくときは、どうすれば崩れないように安定して積み上げられるか友達と相談して決めます。また、ここに駅を作ろう、ここにビルを作ろう、線路をこっちに伸ばすのはどう?と、意見を出し合いながら街を作ることも可能です。
このようにカプラブロックを通して、子ども同士がコミュニケーションを図り、共感したり意見を交わしたりすることができます。こうした経験を幼児期にしておくことは、社会性を獲得していくうえでも重要な要素になるでしょう。
五感を育める
カプラブロックに使われている自然素材は、子どもたちの五感にも働き替えてくれます。木の温もりを感じたり、木目の違いに目をやってみたり、手ざわりや香りを感じることが可能です。また木と木をふれ合わせた時の音は澄んだ心地の良いもので、感性を育む機会を与えることもできるでしょう。
カプラブロックの遊び方
カプラブロックについて紹介してきましたが、ここからはどんな遊び方があるのか見ていきましょう。意外な遊び方もあって、びっくりするかもしれませんよ。
どんどん積み重ねよう
先ほども少し述べましたが、カプラは高く積み上げられます。どんどん積み重ねて、子どもたち自身の身長を超えて積み上げることも可能です。どうすれば安定的に高く積み上げられるか、子どもたちも何度もやるうちにアイデアを出してきます。
長方形のブロックを縦にするのか、もしくは横にするのか、など積み上げ方もたくさんあり、毎回違う作品が完成する楽しみも。時間制限を決めて、親子や兄弟、友達とどちらが高く積み上げられるか競争してみれば、白熱した戦いが繰り広げられます。
小さなものから大きなものまで作れる
カプラブロックは、小さなものから大きなものまで作れるのが特徴の1つです。動物を作ったり、小さなお城を作ったり、大きな空間を利用すれば橋や塔などの立体的な大きな作品を作ることも。
線路を作ればどんどんと伸ばしていくこともでき、子どもたちが小さな建築家になって、たくさんの作品を作り出してくれます。そのたびに子どもたちの想像力に驚き、どんどんと精巧なものを作っていく成長過程を見ることができるのも、親としては嬉しい限りですよ。
壊す楽しみも味わおう!
ブロックは作品を作って完成、あとは崩して片づけるだけ思われているかもしれませんが、カプラブロックは違います。もちろん作品が出来たら終わりということもありますが、崩す時にも「カラカラカラ」と木と木が触れ合ってまるで楽器のように美しい音色を奏でるのです。またなんと、崩れる姿を楽しめる作品もあります!
筆者の私も、以前イベントで子どもたちとカプラを体験したことがあり、その時に驚かされました。周りにいた人たちと協力し合って、大きな作品を作り、大作ができたね、とみんなで喜んでいたところ、なんとそれは崩すために作ったと言われてしまいます!
それはナイアガラの滝という作品で、なんと崩れる姿はまるで水が流れるようで美しいものだったのです。綺麗な音を立てて、順に崩れていく姿は圧巻です。作るだけでなく、その後の崩れる姿を楽しめるブロックは、他にはありません。
さいごに
1枚の板から広がる世界は、まさに無限大です。小さな作品から大きな作品まで作れるカプラブロックは、自由な遊び方ができ、子どもたちの様々な能力に働きかけてくれます。これを機にカプラブロックの世界に飛び込んでみませんか?
参考サイト
- カプラジャパン公式ホームページ(https://www.kapla.co.jp/)
- 田中 正浩『幼児期における「社会性」育成について考える』(http://www.jfecr.or.jp/publication/pub-data/kiyou/h19_36/t1-7.html)