祖父母と同居で得られるメリット!子どもに与える良い影響
同居はわずらわしい!?だんだん少なくなっている同居世帯
みなさんは、旦那さんの両親や自分の両親との同居について、どう思われますか?なかには、同居に対して悪いイメージを持っている人もいるかもしれません。核家族化が進む昨今では、同居を選択する人は減少傾向にあります。なぜ同居は選ばれないのか、まずは現状を確認し、その上で理由について見ていきましょう。
三世代世帯は減少の一途。代わりに増えているのは…
まず、現在の日本で同居を選択する世帯が減っていることをデータから見ていきましょう。総務省統計局調べの「国勢調査」によると、1980年は全体の12.2%を占めていた三世代同居世帯の割合は、2015年には5.7%までに減少しています。代わりに増えたのは単身者の単独世帯で、1980年の19.8%から、2015年の34.6%となんと15%も増加しているのです。家族の単位は、大家族から核家族へ、そして単独家族と徐々にコンパクトになっている現状があります。
(参考)
同居に対する悪いイメージ
なぜ同居は、敬遠されるのでしょうか。その背景に、同居に対する悪いイメージもあるようです。
旦那さんの両親と暮らすと、気を遣って家でくつろげないし、いろいろ口出しされそう
両親の介護や送迎など、面倒で大変なことが増えそうで嫌
子育てや生活に介入されるのはわずらわしい
一緒に暮らすのが自分の両親だと、遠慮がないから喧嘩が多くなりそう
気軽に友達を家に呼べなくなる
たしかにどれも想像できる内容ばかりですね。義両親との同居なら、本来くつろげる場所であるべき家が気を遣う場所になりそうだし、自分の親との同居なら、距離が近いが故に生じるトラブルもありそうです。
さまざまなデメリットもある同居ですが、メリットはないのでしょうか。次に、同居のメリットについて、事例も交えながら考えてみましょう。
実はメリットもたくさんある!三世代同居の魅力
もちろん、同居にもメリットがあります。さまざまな役割を分担することで、働きやすくなったり、金銭的にも助かったりするでしょう。また、子育て世代にとっては、子どもの成長への良い影響もあるようです。
実際に義両親と三世代同居中の筆者の事例も織り交ぜながら、同居のメリットについて詳しく見ていきましょう。
金銭的に楽になる
同居することで、金銭的に楽になるということもあります。家の購入資金や修繕費、毎日の生活費などを、分担で支払えばそれぞれの負担が軽減するでしょう。
同居の形態や居住スタイルにもよりますが、例えば水道光熱費の支払いを一緒にすれば、それぞれの基本使用料の支払いがひとつで済みます。ほかにも、インターネット回線や有料動画サービスなど、同居して一緒に使えるものやサービスは多岐にわたります。
実際に筆者の家では、インターネット回線や固定電話といった通信サービス、高圧洗浄機やホームベーカリーといった、たまにしか使わない家電も共有しています。浮いたお金は、子どもの習い事やほかのことに有効活用できるのも嬉しいですね。
家事を分担できる
夫婦で共働きという世帯も多くなっている昨今。仕事で疲れて帰ると、家事が山積み……なんてこともありますよね。
両親が元気な場合は、親世代と自分たちで担う家事をうまく分担すれば、それぞれの負担を軽減できることもあるでしょう。キッチンが共有なら料理を当番制にしたり、共有スペースの掃除や買い物なども分担したりできれば、家事の効率化が図れそうですね。実際に、平日は親世代が料理を作って、週末だけ自分が料理するように分担しているという家もあるようです。
筆者の家では、キッチンが別なので日々の料理は分担していないのですが、年末のお餅つきや年始の御節料理などのイベント食は、義両親に頼りっきり。また、義母は裁縫が趣味なので、子どもの使う袋や布バッグ、弁当包みなどの制作はお任せしています。
その代わり、義両親のパソコンの不調やスマホの使い方がわからないときなどは、私たちの出番。それぞれの得意分野を活かしながら、できることを分担して暮らしています。
子育てを助けてもらえる
子育て世代にとって、同居はメリットが豊富。家にたくさんの大人がいるということは、子どもを見る目がたくさんあるということ。近年問題視されている、“孤育て”の防止にも役立ちます。(oriori関連記事:母親ひとりの「孤育て」から、皆で支える「子育ち」へ)
同居している世帯では、祖父母に子どもの幼稚園や保育園、習い事の送迎を手伝ってもらっているというケースも少なくありません。また、買い物や用事で子どもを置いて出かけたいときや、子どもの病院でほかのきょうだいは留守番させたいときなど、家で祖父母が子どもの面倒を見てくれていたらとっても助かりますよね。
筆者には子どもが4人いるのですが、出産入院で何日か家を空ける際、子どもたちが自分の家で変わらずに毎日の生活を送れたことが本当にありがたかったです。
祖父母が家にいることで、子どもたちに親だけでは作れない大きな安心感を与えてあげられていると思います。
さまざまな視点で子育てできる
子どもにとっても、家におじいちゃんおばあちゃんがいることで、少なからず良い影響があるでしょう。人はそれぞれに多様な価値観を持っていますが、祖父母と同居している子どもは、お父さんとお母さんの価値観にプラスして祖父母の価値観に触れることができます。
子どもにとって、大人の意見はその子の価値観を決定づける大きな要因のひとつ。さまざまな価値観の大人が関わって子育てすることで、子ども自身の価値観にも、さまざまな選択肢が生まれるでしょう。
実際に我が家では、祖父母と私たち夫婦の意見が異なることもしばしば。「おじいちゃんはこう言っていたけど、お母さんはこう思う」、「お父さんはこう言っていたけど、おばあちゃんはこう思う」ということをそれぞれが子どもに伝えながら、どう受け止めていくかは本人次第です。
このことは、見方を変えると同居のデメリットとも捉えられると思いますが、さまざまな立場と考え方があるということを、子どもが知る良い機会だとも思います。
また、元小学校受験塾講師によると、小学校受験においては、「祖父母と触れ合うことがよい」と言われております。(oriori参考記事:小学校受験では祖父母と触れ合うことが吉!4つのメリットをご紹介)
帰省しなくても良い
帰省の手間が省けるということは、あまりメリットと思われていないかもしれませんが、これも同居のメリットのひとつ。祖父母と離れて暮らしていると、長期休暇に何日か泊まるような帰省をするということもあるでしょう。たまにしか合わない間柄だと、帰省のたびに気を遣って疲れるという話もよく聞きます。
しかし同居していると、良いことも悪いことも包み隠さずにばれてしまうので、そこまで義両親に気を遣うこともなくなり、なにより毎日一緒に暮らしているため、長期休暇に帰省しなくても良いのです。まだ子どもが赤ちゃんのうちは、たまの帰省で人見知りをして泣いてしまうということもありません。
我が家では、正月やお盆休みなどの長期休暇に帰省しなくて良いため、家族で旅行に行ったり、キャンプに行ったりと好きなことをして過ごしています。
親がいつも近くにいるから安心
親にはいつまでも元気でいてもらいたいものですが、子どもたちが成長し自分たちが歳をとるように、親もだんだんと高齢になっていきますよね。
親が高齢になって介護のために同居をスタートするという家もあると思いますが、まだ両親が元気で、子どもが小さいうちから同居しておくことで、家族の絆が強まるということもあります。また、一緒に暮らしているからこそ、困ったときにはすぐ助け合えるのです。
さいごに
何かと敬遠されがちな同居について、メリットや子育てへの良い影響などをお伝えしてきました。もちろん、同居をはじめてすぐは、慣れずにストレスが溜まるようなことがあるかもしれません。
しかし、良いことも悪いことも含め、一緒に暮らすからこそ深まる家族の絆もあります。とくに、子どもたちにとっての祖父母との同居は、多くのメリットがあるでしょう。
とはいえ、人同士のことなのでそれぞれの人柄や相性によっても左右されること。親との同居を検討するときは、ぜひさまざまな視点からメリットとデメリットを考えて、検討してみてくださいね。