連休明けは「子どもの不登校」に注意!不安のサインと親ができること
新学期に子どもが抱える不安
新学年の子ども達の心は以下のような不安でいっぱいです。
- 一人で学校までいけるだろうか
- 学校やクラスに馴染めるだろうか
- 勉強についていけなかったら、どうしよう
- 怖い先生だったらどうしよう
- 友達ができるだろうか
大人からしたら「たいしたことない」といったことでも、子どもにとっては大きな不安になります。特に初めて学校に行く小学1年生だったらなおさらです。
小学1年生の場合、その不安を言葉にできない場合もあります。そんな時にはママ・パパが子どもの様子を観察して、不安がないかを確認することをおすすめします。
こんな不安のサインはありませんか?
例えば、以下のような様子が見られたら要注意です。
- 玄関で毎朝ぐずる
- 楽しくなさそうな顔をしている
- やけに近づいてきたり、甘え行動が増えている
- 家に帰ってきたとたん、はしゃぐことが増えた
- 聞き分けが悪くなっている
- 表情がない 無口になった
- 落ち着きがなくなり、物事に集中できていない
普段の子どもの性格や行動にもよりますが、何かいつもと異なる傾向がある場合には、注意して子どもの様子をみるようにしましょう。
新学期の疲れが出るのは5月が多い
新学期がスタートして、疲れが出始めるのが5月のゴールデンウィークが明けたぐらいです。以下のような心身の変化はありませんか?
- 物事に集中できず、やる気がない
- 落ち着かない、イライラしている
- よく眠れていない
- 朝起きた時から疲れている
- 疲労が原因で遅刻や早退、欠席が増える
- 頭痛・腹痛・吐き気をもよおす
- 微熱・立ちくらみ
子どもの不安を減らすために親ができること
子ども達は新しい環境に慣れようとする中で、無意識のうちに頑張りすぎていることがあります。その疲れが上記のような様子になって表れるのですね。
では、親はどのようにサポートすればよいのでしょうか。
- 親が張り切りすぎない
- 家ではリラックスさせる
- 子どもの話をじっくり聞く
「学校どう?」「担任の先生どう?」「友達できた?」など、矢継ぎ早に根掘り葉掘り聞くことは控えましょう。
不安や疲れが原因で不登校の可能性も!
朝起きて学校に行く時間になると体調不良の様子を示したり、登校しても途中で具合が悪くなったりして遅刻や早退、欠席が目立つようになると注意が必要です。
文部科学省が発表した2020年11月の資料によると、小・中学校における長期欠席者数は252,825 人(前年度240,039 人)です。このうち,不登校児童生徒数は181,272 人(前年度164,528 人)で、不登校児童生徒の割合は1.9%(前年度1.7%)です。
(参考:文部科学省『児童生徒の問題行動等調査結果公表資料』https://www.mext.go.jp/content/20201015-mext_jidou02-100002753_01.pdf)
不登校児童生徒数がかなり増えていますね。2020年は新型コロナの影響で学校が休校になったりしたことも一因かもしれません。
同資料からもう少し詳しく見てみましょう。
① 小・中学校における長期欠席者数は,小学校90,089 人(前年度84,033 人),中学校162,736人(前年度156,006 人)。全体では,252,825 人(前年度240,039 人)である。
このうち,不登校児童生徒数は,小学校53,350 人(前年度44,841 人),中学校127,922 人(前年度119,687 人),小・中の合計で181,272 人(前年度164,528 人)であり,在籍者数に占める割合は小学校0.8%(前年度0.7%),中学校3.9%(前年度3.6%),全体では1.9%(前年度1.7%)。
② 不登校児童生徒のうち,90 日以上欠席している者は,小学校22,632 人(前年度20,047 人),中学校78,225 人(前年度75,588 人),全体では100,857(前年度95,635 人)人で,不登校児童生徒に占める割合は,小学校42.4%(前年度44.7%),中学校61.2%(前年度63.2%),全体では55.6%(前年度58.1%)である。
不登校の要因の主たるものは,「無気力・不安(39.9%)」,「いじめを除く友人関係をめぐる問題(15.1%)」,「親子の関わり方(10.2%)」の順に多い。
子どもが不登校になった時、親はどうすればいいの?
新学期に緊張をするなというのは難しいことですね。しかし、子どもが学校に行くのを嫌がり、朝になると吐き気や腹痛、微熱などが起こってしまうと親は悩みます。次に親にできる対応を考えてみましょう。
1.登校を無理強いしない
本人が学校に行けない、行きたくない状態のときは、無理やり学校に行かせるのではなく、「休んでもいいよ」と声掛けしましょう。
2.親子で安心できる空間と時間をつくる
子どもが分離不安になっている場合は、家庭を安心できる居場所にして、親子でリラックスして過ごしましょう。
分離不安とは、子どもが親から離れることを嫌がったり、離れることの不安からさまざまな心身の不調を引き起こしたりしてしまう状態をいいます。
無気力になりがち、授業に集中できないなどの症状がみられる場合には早期に適切なケアをしていく必要があります。担任の先生に相談してみることも一案です。
3.子どもが安心できる声掛けをしよう
「大変だったね」「つらかったね」「よく話してくれたね」「がんばってるね」「できることをしたんだね」など、子どもの心を受け止める言葉で共感をしめし、子どもを安心させましょう。(参考:「子どもへの声掛け」の記事)
4.子どもの生活リズムが崩れないようにする
たとえ学校に行かなくても朝起きて夜眠るようにすることが大切です。そして、食事をきちんと取り、生活リズムを保つようにしましょう。
5.担任や養護の先生に相談する
学校には養護の先生がいますので、相談してみましょう。必要なら専門医を紹介してくれることもあります。
6.学校以外の場所も選択肢
友人関係・クラスの雰囲気・担任の先生など、今の学校の環境が不登校の要因になっている場合は、転校や、フリースクールなど学校以外の場所も選択肢に入れてみましょう。
まとめ
この記事では子どもが新学期に抱える不安や疲労についてお話ししました。新型コロナが一向に収まる気配をみせず、変異ウイルスへの感染不安も大きい今、大人も子どもも言わば必死で戦っているのが現状です。
ゴールデンウイークが終わり、学校が再開された時、子どもの心身の様子に一段と気を配ってくださいね。
特に子どもが新しい学校に入学した時、親の方が張り切りすぎてしまうので注意しましょう。「頑張って、頑張って」ばかり言われると、子どもは不安な気持ちを吐き出すことが出来ません。学校での緊張を、家では十分ほぐしてあげましょう。
不安や心配などから子どもが学校に行きたがらず、不登校気味になってしまった場合には、親はしっかり受け止め、決して登校を強いるのではなく、安心できる場所と時間を作ってあげてください。
そして、子どもが安心できるような声掛けをしましょう。いつの場合も子どもは自分の気持ちを聞いてもらうことが大切です。
子どもが学校に行きたがらないと、親は慌てますが、落ち着いて、そして踏ん張ってみましょう。
料理でも掃除でも本読みでも、子どもと一緒に親もリラックスして行っている時、子どもの疲れた心や体が解放されていきます。