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学力の土台になる非認知能力!幼児期に育むためのポイント4選

笹木さな
2021/04/20 00:04
現在の幼児教育や子育ての中で注目されつつあるのが、非認知能力です。なじみのない言葉かもしれませんが、非認知能力こそ、幼児期にこそ身につけておきたい力。非認知能力とはいったい何なのか、そして、非認知能力の高め方を押さえていきましょう。

幼児期に伸ばしたい非認知能力とはいったい何?

幼児期に伸ばしたい非認知能力とはいったい何?

まずは、非認知能力について解説してきます。

知っておこう!非認知能力とは?

非認知能力について理解する前に、認知能力について把握しておきましょう。


認知能力とは、理解・判断・論理などの知能機能の高さを占めすもの。認知能力は、IQ(知能指数)や学校のテストなどにより数値化することができ、学校の成績に大きく影響を及ぼします。


それに対して非認知能力は、

  • 想像力
  • 好奇心
  • 忍耐力
  • 社交性
  • 思いやり
  • 自制心
  • 自己肯定感

といった、数値では表すことのできない、心の知能指数のこと。


結果ではなく、それまでのプロセスで重要となる能力であり、社会や周囲の人々と関わり、生きていくための人間力とも言い換えることができるでしょう。


その名の通り目に見える力ではないため、一概に定義できるものはありませんが、例えば、『目標に意欲を持ち、粘り強く、周りの人と協力して取り組む姿勢』ができるかどうかは、非認知能力の高さに左右されると言われています。


これまでの教育において重視されてきたのは、数値化できる認知能力です。しかし、現在さまざまな研究により、将来の成功や人生の豊かさにつながるのは、認知能力ではなく非認知能力であると言われています。

認知能力と非認知能力は相乗的に伸びていく

非認知能力は認知能力を高めるための土台であるため、学力を伸ばす前にまず土台である非認知能力により、人間力を高める必要があります。


ただし、ここで押さえておいてほしいのは、認知能力と非認知能力は、それぞれ独立したものではなく、絡み合うようにして成長していくということ。


意欲を持って粘り強く頑張ることは、自然と深く考えることにつながり、自然と認知能力が高まります。その結果、次も頑張ろうというさらなる意欲に繋がるでしょう。


このサイクルを繰り返すことにより、認知能力と非認知能力を効果的に伸ばすことができるのです。

幼児期に伸ばしたいと言われる理由

非認知能力を幼児期に伸ばしておくべきだと言われる理由は、幼児期の脳の成長に関係があります。


生まれてから6歳までに、脳は急激に大きくなり、6歳までの間に80%、10歳までにはほぼ100%完成し、それ以降はほとんど大きくなりません。(参考:『頭の良さは「シナプスの数」で決まる!育脳は6歳までに!』


脳が発達段階であり、人としての土台を形作る幼児期の方が、非認知能力を伸ばしやすいと言われています。


幼児期にどう接するのか、そしてどんな環境を与えるのかが、非認知能力に大きな影響を与えるのです。

非認知能力を育むための”4つのポイント”

非認知能力を育むための”4つのポイント”

非認知能力の重要性が分かったら、次に気になるのは非認知能力の育み方ですよね。


非認知能力という言葉には、たくさんの力が含まれており、これをすれば高まるという簡単なものではありません。


非認知能力を高めるためには、どんな点を意識する必要があるのでしょうか。

point1:安心できる環境を作る

非認知能力を伸ばすために最も大切なのは、子どもにとって安心できる環境を与えてあげること。


子どもは親とのコミュニケーションの中で「自分は自分のままでいいんだ」「やればできる」「愛されている」という自己肯定感や安心感を得ることができます。

  • いいことをしたら褒める
  • 不安には寄り添う
  • 寂しそうなら一緒に遊ぶ

など、小さなことの積み重ねで愛情をしっかり示し、子どもが安心して成長できる環境を与えてあげましょう。


point2:結果や能力ではなく過程を褒める

子どもを褒めるときに意識したいのは、結果や能力ではなく、努力した過程を褒めること


「絵が上手い」「頭がいい」などと能力を褒めてしまうと、上手くいかなかったときに能力のせいにして、すぐに諦めてしまうこともあるでしょう。


努力したことを褒めるように意識していると、新しいことに挑戦するきっかけになったり、失敗したときに能力でなく努力の不足を検討できたりするようになるかもしれません。

point3:子どものやりたい気持ちを尊重する

子どもは好奇心旺盛で、いろんなことに興味を持ちます。中には、大人が理解できないようなことにも興味を示すこともあるかもしれません。


親がやるべきことは、好奇心による子供の行動を否定したり止めたりせず、寄り添って見守ること。ひとつの好きなことからさらなる関心が生まれることも、よくあることです。


そして、子どもがやりたいことは、できる限りそっとサポートしてあげるといいでしょう。

point4:否定ではなく提案をする

子どものしつけは親の役目ですが、頭ごなしに叱るのは逆効果。


怒られている理由が理解できないと、「よくわからないけど自分が悪いんだ」と自分を否定してしまうことになり、自信を失いかねません。


子どもを叱るときは、なぜいけないのかをきちんと説明したうえで、「こうするのではなくこうしてみようか」など、提案するように諭しましょう。


これを繰り返すことで、自信を失うことなく、どうすべきなのかを学んでいきます。

【体験談】非認知能力を高めるための幼稚園の取り組み

【体験談】非認知能力を高めるための幼稚園の取り組み

筆者の息子が通う幼稚園では、非認知能力を高めることに重きを置き幼児教育が行われています。幼稚園で実際に行われている、非認知能力を高めるための取り組みを、いくつか見ていきましょう。

自主性を促し遊び込むためのコーナー保育

筆者撮影
筆者撮影

自分たちで遊びを創造でき、集中して遊び込める子どもになってもらいたいと、息子の通っている幼稚園では、コーナー保育を採用しています。


コーナー保育とは、遊びの内容ごとにスペースを作り、子どもたちが自ら選んで遊ぶこと。

  • 工作
  • 絵本
  • レゴやラキュー
  • 積み木
  • ままごと
  • 人形
  • お絵かき

などのコーナーがあり、子どもたちは思い思いの遊びに興じます。


息子のお気に入りは、ブロックと工作。ブロックコーナーにはレゴやラキューの本もあり、本を見ながら作ったり想像力を働かせて自由に作ったりして楽しんでいます。


工作コーナーにはたくさんの材料や道具が置いてあり、創作意欲を刺激されたら即実践可能です。温度の低いグルーガンも用意されており、作りたい!を形にしやすいのもポイント。先生たちは危なくないように目を光らせつつ、依頼されない限りできるだけ介入せず、子どもたちが遊び込みやすい環境を整えてくれています。


時には数人で協力したり相談したりしながら、ひとつのことに取り組んでいることも。コーナー保育で集中して作品を作っているおかげか、好きな事をしているときの集中力には、我が息子ながら感心します。


また幼稚園ではありますが、保育時間は16時半までと長く、コーナー保育に余裕のある時間フローがとられているのも、遊び込みやすい理由です。

日本の法律にとらわれない人員配置

写真付きの連絡ノート
筆者撮影

「これなに?」「どうして?」「一緒にやろう!」という子どもたちの声に応えるために、うちの幼稚園では1学年10人ほどの少人数保育となっています。


日本の法律では3歳児なら20人につき1人、4~5歳児は30人につき1人という職員配置数になっていますが、これでは全員の声をくみ取るのは難しいということで、子どもの数に対して先生の数は多めに配置。これにより先生方にも子どもの主張を聞く余裕が生まれ、1人1人をしっかり見てくれることにつながっているようです。


日々の写真付きの連絡はもちろんのこと、個別のファイルが用意されており、それぞれの様子や出来事を定期的に写真つきで作成してくれており、親が見るのはもちろんのこと、子どもたちも自由に見ながら、幼稚園での様子や成長、そして先生方の愛情も日々感じることができます。

自分の考えを発表するSHOW&TELL

自分の考えを発表するSHOW&TELL
筆者撮影

自己主張や自己抑制のために行われているのが、自分で考えたことを発表するSHOW&TELL


毎週好きなおもちゃや作ったものなどを持参し、好きなポイントをみんなの前に立ち発表します。SHOW&TELLの前には先生と別室で、発表する内容を考える時間。どう発表すればいいかサポートしてくれます。


友だちの話を聞く姿勢や、プレゼン力など、身につくことはたくさん!元々緊張しやすい性格の息子ですが、自分の好きなことを発表できるSHOW&TELLは大好きな時間で、次はいつかと心待ちにしています。


説明下手なところもありますが、徐々に筋道を立てて説明できるようになってきたような気がしています。小学校に入るとみんなの前で発表しなければならない場面も多々あるため、幼稚園の段階で練習することができてよかったのはないかと思っています。

さいごに

人生を生き抜くうえで必要な人間力である非認知能力は、本格的な学びの始まる前の幼児期にこそ意識したい能力です。


一概に定義できる能力ではなく、さまざまな経験により総合的に伸ばしていく必要があるため、これをすれば伸びるというものではありませんが、難しく考えず、子どもの興味を引き出せるような環境を作ってあげるといいでしょう。


まずは上記に挙げたポイントを押さえた関わり方を意識することから始めてみてはいかがでしょうか。

    この記事の著者
    笹木さな(peekaboo)
    ライター
    6歳の繊細男子と2歳のやんちゃ女子のママ。男女それぞれの違いを興味深く見守っています。子どもと一緒に鬼滅の刃とアイロンビーズにハマり中!子どもの「好き!」を大切にした子育てが目標です。
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