子どもの集中力が高まる?コーナー保育のメリット・デメリットと家庭での取り入れ方
取り入れる幼稚園や保育園も増加中!コーナー保育っていったい何?
まずは、コーナー保育とはどんなものなのか、詳しく見ていきましょう。
コーナー保育とは
コーナー保育とは、遊びの内容ごとにスペースを作り、子どもたちが自ら選んで遊ぶことを指します。
・工作
・絵本
・ままごと
・ブロック
・積み木
・お絵かき
・運動
など、できるだけたくさんの遊びから選べる状態にしておくのが理想的。
例えば工作コーナーでは、創作意欲がわくような材料を用意しておいたり、自由に道具が使えるようにしておいたりと、ただ遊ぶのではなく、遊び込めるような環境を整えます。
それぞれのスペースはできるだけ独立させたり仕切りをしたりし、目線を遮るよう設置することで、他の遊びに気を取られることなく、より集中しやすくなります。
コーナー保育の狙いは「主体性を育むこと」
コーナー保育の狙いは、
・自主性・独創性・創造性を育む
・集中力を高める
・コミュニケーション能力を高める
といったこと。
これらは、みんなが決まった時間に同じことをする一斉保育では、なかなか育みにくいとされています。
コーナー保育において、子どもたちは自分で遊びを選択しなくてはなりません。自分がしたいことや遊び方を考えることにもなり、自分の興味のある遊びに没頭することができます。
自主性を大切にするため、先生は必要以上に介入せず、子ども同士で話し合ったり相談したりして、自分たちで考えさせるようにするのも、コーナー保育の特徴です。
保育園や幼稚園では、おもちゃの取り合いなど周りと衝突する機会も増えますが、子ども同士でルールを考えたり譲り合ったりする、学びの機会にもなります。
コーナー保育のデメリットはある?
コーナー保育のデメリットは、ジャンルごとにコーナーで区切ることで、遊びの可能性を狭めてしまう可能性があることが挙げられます。
例えば、ブロックコーナーでは基本的にブロック遊びのみになってしまうため、「ブロックで作ったお寿司を使っておままごとをする」などといった、おもちゃ同士を掛け合わせた遊びの発展が生まれにくくなってしまうかもしれません。
また、自主性を重んじるコーナー保育に慣れることで、小学校になってから、45分間ちゃんと座っていられなくなってしまうのでは?と心配する声もあるようです。
重要なのはレイアウト!幼稚園や保育園の取り組みは?
コーナー保育で重要となるのは、レイアウトです。幼稚園や保育園で実際に行われているコーナー保育では、どんな工夫がされているのか、確認していきましょう。
遊びやすいレイアウトの工夫
子どもたちは好奇心旺盛ですが、やりたいときにできないと、すぐに興味を失ってしまう可能性もあります。
まずは、おもちゃや道具が子どもの目に入りやすいよう、子どもの目線に合わせた低い位置に設置するのが基本です。そして、必要になると思われる道具を必要な場所に、取り出しやすく用意。工作コーナーには折り紙、画用紙、テープ、ハサミ、のりといった基本的な道具に加え、新聞紙や牛乳パック、松ぼっくり、どんぐり、ビー玉など、創作意欲がわくような材料を用意しているところが多いようです。
デメリットに挙げた遊びの発展性を回避するために、片付けることを前提に、他のスペースへの持ち出しをOKにしたり、積み木やブロックなど、発展性のありそうなコーナーを近くに設置したりといった工夫をしている園もありました。
作り途中の作品を置ける場所を用意!
作品を作っている途中でごはんの時間になってしまったり、帰る時間になってしまったりすることもあるでしょう。遊び込むためには、最後まで完成させる体験をさせてあげたいですよね。
完成したときの達成感を味わってもらうためにも、翌日に続きから進められるような工夫をしている園もありました。
途中の作品を置く場所を用意しておいたり、片づけないで欲しい旨を伝える方法を用意したりして、遊びに没頭できるような環境を意識しているようです。
休憩コーナーを用意している園も!
遊びはもちろんのこと、自由に休憩できるコーナーを用意している園もありました。ソファーやビーズクッション、ラグなどを用意して、自由に寝転んだり休憩したりすることができます。
絵本コーナーと休憩コーナーを一緒に設置し、寝転びながら絵本が読めるようにしている園もあるようです。
コーナー保育を意識した「集中できる子どもスペースの作り方」
子どもが集中できるよう、家庭でコーナー保育を取り入れたいと考えているパパママもいるのではないでしょうか。しかし、保育園や幼稚園よりも狭いスペースの中、コーナーごとに仕切るのは難しいですよね。
子どもの自主性を育むためのスペース作りは、どのような点を意識するのがいいのでしょうか。
Point1:自由に遊びを選べる環境を作ろう
やりたい!と思ったときにどこにあるか分からない、出しにくいなどのハードルがあると、やりたい気持ちが失われてしまいます。
子どもが自由に遊びを選べるようにするためにも、子どもの手の届くところに、おもちゃや道具が置いてある状況が理想的。すべてのおもちゃを子どもの見えるところに置くのは大変なので、数ヶ月に1度のペースでおもちゃや遊び道具を入れ替えたり処分したりするのがおすすめです。
おもちゃが入れ替わることで、新鮮な気持ちで遊ぶことができるかもしれません。「あれどこー?」「出してー」の手間が省けると、パパママの負担も減るのではないでしょうか。
また、おもちゃ収納は分かりやすさが大事。あまり細かく分類するような収納方法では、子どもが自分で片づけることができません。子どもに片づけてもらうことを前提に、収納方法を検討しましょう。
収納ボックスは入れるだけなど、ワンアクションで済むようにしておくのがおすすめです。
Point2:作業場所とおもちゃ収納は近くに配置
子どもの場合、やりたいと思っても、移動している間に他のものが目に入ると、気持ちが変わってしまうこともありますよね。
お絵かきや工作などをする作業場所の近くに、画用紙やクレヨンなど必要なものを収納するなど、動線がスムーズになるよう配置しましょう。
別の場所を作業場所にする場合も、関連するものはできるだけひとつのボックスに入れ、まとめて移動できるとスムーズです。
また、作業場所で集中しているときに他のおもちゃが目に入ると、集中を妨げてしまうこともあるため、おもちゃの棚は横や後ろなど、座ったときに目に入ってこないようにしておきましょう。
Point3:子どもに合った家具を用意
自発的に行動してもらうためには、まず子どもに合った家具を用意しましょう。
子どもが遊びやすい高さのテーブルや椅子、おもちゃの出し入れがしやすい高さの棚などを用意することで、自分ひとりでできることも増えてくるはずです。
遊びやすい高さのテーブルなら、良い姿勢を保ちやすくなるのも、ポイントのひとつ。椅子が高すぎるとひとりで座ることができず、低すぎると前かがみになってしまいます。
集中するためには、正しい姿勢も大切です。ちょうどいい椅子の高さとは、座ったときに足がしっかりつくこと。高さを調整できるタイプの椅子なら、成長しても長く使うことができるのでおすすめです。
Point4:そのままにしておいてもいいスペースを確保
ブロックやレールなどを組み立て、明日もそのまま遊びたいということもあるでしょう。しかし、部屋全体におもちゃを出しっぱなしにしておくわけにはいかないですよね。
おもちゃで遊ぶ場所の一部にジョイントマットやラグなどでスペースを作り、翌日まで置いておけるようにしましょう。広いスペースでなくても構いません。夜寝る前に「片づけるのか、それとも明日も遊びたいのか」を考えてもらうのもポイントです。
自分で考え選択するという小さな判断を重ねることも、自主性を育てることにつながります。
まとめ
幼児期の子どもにとって、遊びは最大の学び。遊びを通して、興味関心が広がったり、集中力が養われたりすることにつながります。
保育園や幼稚園のようなコーナー保育は用意できないかもしれませんが、集中して遊べる空間を作ることはできるはず。
レイアウトを工夫して、子どもが集中して遊ぶことのできる環境を整えてあげてみてはいかがでしょうか。