【小学校受験】「お話作りの問題」の攻略法を徹底解説!上達ポイントは感情理解
お話作りはどんな問題?
お話作りとはどのような問題なのでしょうか?以下のように事前に準備されている絵や写真が3枚から4枚程度、子どもに提示されます。
ここから子どもは自由な発想で自分なりのお話(オリジナルストーリー)を作り上げます。
「お話作り」では、絵を見て自分の中で想像を大きく膨らませることが大切です。また、普段から自由に使い慣れている語彙がどの程度あるのか?が重要になります。
ただ単語を並べるのでは、お話にはなりませんよね?絵に沿った登場人物の心理描写や景色などがあればその情景などもお話には含まなければいけないのです。
筋道の通った「お話」を作り上げるのが、この領域では考査の対象になっていると考えておいてください。まずは次のようなことがポイントになります。
- 登場人物の感情をどのように理解しているか?
- 物語を作る(構成する)能力に自分の感情を添えられているか?
- お話の順番を作りながら相手に伝えられているか?
小学校受験の言語能力の中でも高度なテクニックが必要になる部分でもあります。
よく、読み聞かせをしてもらっている子どもは、とても想像力が豊富でその絵本の物語の中の登場人物に自分を投影するような発言をします。「わたしだったら○○だと思うな~」という想像が一番の力になるのです。そして試験官(口頭試問の場合)に伝わるような努力をしなければいけないのです。
お話作りが得意になるためのポイント
お話作りというのは、つまり自分でお話を作るということです。言葉をただ並べるだけでは相手に伝わりません。ここではコミュニケーション能力の発達もとても重要な部分になるのです。
- 登場人物に自分の感情を投入する
- 登場人物が何をしている場面なのかを想像して語る
- 絵や写真を見て「どんな気持ちなのか?」を常に考える
この3点が基本姿勢です。
お話作りに取り組むときには、このポイントを子どもがしっかりと理解できているかどうか?の声がけをしてあげてください。バラバラの絵を見てどうすればよいのか、わからなくなり、試験当日にパニックのようになる子どももいるのです。そのため、出来るだけ早い段階で、お話作りという領域には踏み込んでおく必要もあります。
難しいと思わせないように親が工夫をしながら進めること!
絵を見て何も言葉が出ないようなときには1枚1枚の絵の中から、きっかけを探せるように声がけをしてあげてください。
- 「この子はどんなふうに思ったのかな?」
- 「今は何をしているところかな?」
それに対して自分の言葉で考えを言えるようになれば、それがお話作りの基盤は完璧です。まずはきっかけがないと、子どもも前に進めません。そのためにモチベーションを高く持てるような声がけをしてあげることが肝心なのです。
お話作りを上達させるために家でできることは?
お話づくりカードというものが各社から販売されています。
家で適当な絵を数枚用意するというのもなかなか困難な単元です。ここは、事前にお話作り用に既製品が作られているので有効に活用してください。そして、子どもがお話の順番に対しては起承転結を意識しながらできるようになれば(多少たどたどしくても)、
- 大げさに相槌を打って共感をする
- 子どもが語った内容を復唱してみる
ということをやってください。
このように、お話の順番の上達を見守って、子どもに自信が付くような持ち上げ方をしてあげるのが親としての貴重な向き合い方です。子どもはそのうち「お話作りを考えるのは楽しい」と思えるようになるはずです。
小学校受験の内容全般を振り返って思うのですが、基本的に「これが得意」「楽しい」「できる」という気持ちが芽生えたときにこそ、その領域を把握できている証拠なのです。そこからさらに、子どもは各単元を演習しながら、すべてにおいて、底上げが出来るまでのレベルに到達するのです。
お話作りで言葉に詰まった時、親はどんな風に教えれば良いのか?
お話作りには比較的登場人物が出てきます。この登場人物の気持ちを親がうまく引き出せばよいのです。
例えばこのような形です。
- 「どうして○○ちゃんは泣いているのかな?」
- 「今○○ちゃんはどんな気持ちなのかな?」
- 「○○ちゃんはどうしたいのかな?」
- 「(子どもの名前を呼んで)ならばどうしてあげたい?」
このような質問を常に挟むことで、言葉に詰まりかけても子どもは再び語り始めます。
親がタイミングを見て「合いの手」を入れることで、学習の仕方にもリズムがつきます。お話作りの練習をするときには、絶妙な声がけと手助けで子どもの伸び率は随分と変わります。
ここは、親子で一緒に練習を積み上げながら、子どもの才能を開花させられるように、親も努力をしてください。子どもも、きっと語彙力をつけることで、お話作りを流暢に語れるようになります。絵の中にでてくる人の感情が真っ先に頭に入ることが、この問題を解くために必要な能力です。
お話作りではどのような能力が考査されるのか?
最初はお話がうまくつながらない場合も多いでしょう。それでもお話作りを考えることで語彙が自然に増えていきます。
そして状況を把握しようとする力や絵をよく観察して説明をするという論理力も少しずつ、ついていきます。日常生活だけでは、ブラッシュアップが敵わない部分が、お話作りを考えることでかなり磨かれるわけです。
感受性が豊かな子どもは絵の中にある登場人物の表情一つで、「悲しい」「嬉しい」というところまでを読み取れるようになります。
お話作りでは以下のような能力を考査されていると言えます。
- 観察力
- 表現力
- 語彙力
- 相手に伝えようとするコニュニケーション能力
これはなかなか、短い時間では卓越できるものでもありません。
年中の頃から少しずつ準備をして、お話作りの問題は折に触れて、常に取り組んでおくことをおススメします。絵や写真を見てまずはその順番がわかることが大切です。
考える時間も必要ですが、小学校受験の本番ではそれほど長く考える時間は与えられません。ある程度、瞬間的に絵を並べて登場人物に感情輸入をして、お話の順番を口頭で語れることが必要になってくるのです。これは演習を繰り返すことで必ず上達することですので、コツコツと取り組むようにしてください。
さいごに
小学校受験の出題領域は幅広いのですが、お話作りについては、すぐに上達できるものではありません。
語彙力が乏しい子どもにとって難題であり苦手意識を持ってしまう可能性の高いものです。少しでも早い段階から親子で取り組んで、お話を作ることの喜びや順序がわかることが重要です。
そして、相手に対して正確に話の内容を伝えられた!という喜びを子どもが感じられるように努めてください。親もこの単元は特に二人三脚で取り組むべき問題です。
そのためにも普段から、絵本の読み聞かせをして、想像力を常に発達させられるような環境を作ってあげることが大切です。