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外出自粛で子どもの運動器に異変が?子どもロコモ増加の背景と対策

ライター 村田 美子
2021/05/29 03:05
新型コロナウイルスの影響で、短縮された夏休みが終わり、新学期が始りました。学校では転んだりして骨折する生徒が相次いでいると言います。体力が低下した子どもたちが準備不足で激しい運動をすることは危険です。この記事では怪我をしない子どもの体を作るには家庭で何をしたら良いのかをお伝えします。

子どもの骨折は増えている?

子どもの骨折発生率は、1970年から40年間で2倍以上に増えています。骨折以外でも、疲れやすい、肩こりや腰痛がある、イライラするなどカラダの不調を訴える子どもが増えています。

(参考:日整会誌2017;91(5):338-44.「これからは知っておきたい!子どもロコモ読本」)


ある小学校では全校児童約350人のうち3、4人が、学校再開後の1カ月間に鬼ごっこ中に転ぶなどして骨折しました。 登校するだけで疲れたと訴える子どもも増え、走るタイムも遅くなっていたといいます。


さいたま市の林整形外科の院長が2020年7月に子どもたちが外出自粛でどんな影響を受けたかを調査したところ、来院した小中高生約30人のうち、5割が「体力が落ちた」、4割が「体重が増加した」と答えました。


「姿勢が悪くなった」「疲れやすくなった」とした子どもも3割いて、「子どもロコモ」が増えた恐れがあるといいます。

子どもロコモとは?

子どもロコモとは、明確な基礎疾患のない子どもの運動器機能異常のことを指します。ロコモは「ロコモティブシンドローム(ロコモティブ症候群)」の略で、ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害や、衰えによって、歩行困難など要介護になるリスクが高まる状態のことです。日本整形外科学会が2007年に提唱した呼称で、予防啓発を行っています。


子どもロコモについて、林承弘医師は、

姿勢が悪いと肩甲骨が動きにくくなり、やる気などのメンタル面にも影響することがあるため、早めに大人が介入して対処する必要がある

と、言っています。

「子どもロコモ」のチェックポイント

先ほどもお伝えしましたが、子どもロコモとは、「運動器機能不全(子どもロコモ)」、すなわち、子どもの運動器の働きが低下している状態をいいます。


運動器とは、筋肉や骨・関節のことで、運動器の働きが低下するということは、関節や筋肉の柔軟性が低下しケガをしやすいことを意味します。


以下のチェック項目のうち、一つでもできないものがあれば「子どもロコモ」の可能性があります。

チェック1.体のバランス

両手を広げて5秒間以上、ふらふらせずに片足立ちができますか?

チェック2.下半身の柔軟性

足裏を床に着けて、後ろに倒れないでしゃがめますか?(和式トイレのスタイル)

チェック3.上半身の柔軟性

両手をまっすぐ上に挙げられますか?

チェック4.肩甲骨と股関節の柔軟性

膝を伸ばしたまま、前に体を倒し、指が床につきますか?

チェック5.上半身の動き

じゃんけんのグーを作り、肘(ひじ)を引きます。パーをしながら腕を前に突き出したとき、手首と指が反り返りますか?

「からだをうまく使えない・体力がない・バランスが悪い・柔軟性がない・反射神経が劣る」などのうち、70~80%は治療対象ではなく学校、家庭での「簡単なトレーニングの実施」で改善すると言われています。


幼稚園から中学校まで、片脚立ちが5秒以上できない・しゃがみこみができない子どもが約15%、体前屈で指が床につかない子どもが25%いるというデータがあります。(参考:林整形外科 林 承弘 「こどもロコモ」)

骨を丈夫にするために必要なこと

骨は健康のバロメーターです。骨を丈夫にするためには、以下の3つが必要です。

  1. 骨の材料であるカルシウム、骨タンパク質、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKをしっかりとること
  2. 日光に当たってビタミンDの働きをよくすること
  3. 適度な運動をすること

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 骨の材料であるカルシウム、骨タンパク質、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKをしっかりとること

カルシウム

カルシウムだけをとっても骨は丈夫になりません。骨タンパク質、ビタミンK、マグネシウムもバランス良くとりましょう。また、カルシウムはサプリメントでとると、石灰化しやすいという問題があるので、ゆっくり消化吸収されるスローフードで、カルシウムをとるようにしましょう。(スローフードとは、その土地の伝統的な食材や、それらを見直す運動のことです。対極にファーストフードがあります。)

カルシウムの多い食材

  • 牛乳
  • チーズ
  • ヨーグルト
  • 納豆
  • 木綿豆腐
  • 高野豆腐
  • ししゃも
  • イワシ
  • 桜えび
  • ひじき
  • 小松菜
  • 切り干し大根

ビタミンK

ビタミンKは、骨にカルシウムを付着させて溶け出すのを防ぐ効果があります。また、怪我をしたときに流れ出た血液を凝固するためにも必要です。

ビタミンKが豊富な食べ物

  • ブロッコリー
  • モロヘイヤ
  • ホウレン草
  • 小松菜
  • にら
  • キャベツ
  • 納豆
  • わかめ

骨タンパク質

コラーゲンは、骨の20%を占め、骨の質を高めるために必要です。コラーゲンを増やすためには、コラーゲンの素になるタンパク質をとりましょう。カルシウムだけをとっても丈夫な骨はできず、骨密度を増やし、骨を強くするには、カルシウムを定着させる骨タンパク質が必要です。骨タンパク質の減少は、カルシウムが流出し骨密度の低下につながるからです。

タンパク質が豊富な食べ物

  • 鶏肉
  • 豚肉
  • 牛肉
  • サケ
  • アジ
  • マグロ
  • カツオ
  • 真鯛
  • 鶏卵
  • 乳製品
  • 大豆製品

マグネシウム

マグネシウムは骨芽細胞に働きかけて、骨に吸収されるカルシウム量の調整をしています。

マグネシウムが豊富な食べ物

  • さつまいも
  • ひじき
  • 納豆
  • 木綿豆腐
  • アーモンド

2.日光に当たってビタミンDの働きをよくすること

毎日1時間以上、太陽光を浴びましょう。カルシウムの吸収を高め、流れ出るのを防ぐにはビタミンDが必要です。筋力を維持するために必要な栄養でもあります。

ビタミンDが豊富な食べ物

  • サケ
  • サンマ
  • シイタケ
  • キクラゲ
  • 鶏卵

3.適度な運動をすること

骨密度は上記のような栄養成分をとるだけでは増やせず、骨を強くすることもできません。運動によって骨に負荷をかけることが大切になってきます。負荷は軽いもので十分なので、適度に体を動かすことが大切です。


運動をすることで負担をかけた部分に、修復のために必要な栄養が集まってきます。栄養はよく使われるところに優先される性質があるからです。


運動の直後は吸収力が高まっていますので、そのタイミングで栄養をとると、より骨を強くすることが期待できます。


おすすめの運動は「ジャンプ」です。スペースがあれば、縄跳びがいいですね。元気よくジャンプを行って脚の骨に大きな衝撃力を加えてあげましょう。


5~10回跳ぶジャンプを行います。ジャンプの間には、数秒間の休みをはさみます。連続でジャンプすることは、ひざなどを痛めることになるので止めましょう。


スペースがない場合は、かかとを思い切り上に挙げ、ストンと落とすだけでも効果が期待できますので、是非、家族のみんなでしてみてください。

さいごに

この記事では子どもの骨を強くするために、簡単に家庭でできる3つのことをお伝えしました。栄養・日に当たる(熱中症には注意してね)・運動です。


強い骨を作るための栄養素は、サプリメントではなく、食事からとるようにしましょう。


骨密度は10代のうちにほぼ完成し、骨の成長は20歳前後で止まってしまうと言います。子どもの時に強い骨を作っておくことは、思春期や成人になっても強い骨を維持するための大事な準備期間と言えます。


大人に比べて子どもの骨折は治癒スピードが速いとはいえ、骨折した後、治るまでにかなりの時間がかかります。その間、大変不自由な時間を強いられてしまいます。


千葉大附属病院スポーツメディクスセンターによると、学校再開後1~2週間は「週2回程度の軽い運動に留めること、そこから徐々に運動量を増やしながら、完全な活動を取り戻すまでには5週間をかかると言います。あわてず、ゆっくり運動を開始することが重要ですね。

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