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海外のオンライン教育事情!保育園・幼稚園・小学校に焦点を当ててご紹介

ライター 村田 美子
2021/11/15 01:11
新型コロナウイルスにより、一時は全国の幼稚園・保育園の73%、小~高校の95%が休園・休校になりました。ユネスコによると、新型コロナウイルスの影響で、世界188カ国15.7億人の子どもたちが学校に通えず、スウェーデンでは休校対策は取られていなかったような状態でした。一方、以前からテクノロジーを使った授業を進めていた海外諸国では、今回の感染による外出自粛を受けてもオンラインでの授業が十分に行えていました。
この記事では各国のオンライン教育事情をお伝えします。

海外諸国のオンライン教育事情

アメリカ、中国、イタリア、韓国などでは、政府が早急に全面的なオンライン授業に切り替えました。すなわち、子どもたちは学校に登校こそはしませんが、授業は継続しているということです。
ICT活用調査
ICT活用調査
上のグラフをご覧ください。OECDの調査(2018)ですが、日本は学校でのパソコン使用頻度は、加盟国中、最下位でした。
また、新型コロナウイルス対策として全国で休校が始まったあと、国が調査したところ、パソコンなどの端末を使って、対面でのオンライン指導に取り組んでいる自治体はわずか5%でした。
日本におけるオンライン教育は、2019年、すべての小中学生にパソコンなどの端末を整備する考えを表明し、文部科学省も、高速通信網を整備する「GIGA(ギガ)スクール構想」を掲げましたが、始動したばかりで何も進んでいないのが実態です。
では、新型コロナで休校状態にある海外諸国では、どのようなオンライン教育が行われているのでしょうか?国別にみてみましょう。

アメリカのオンライン教育事情

アメリカでは、ほとんどの学校でオンライン授業が提供されています。オリエンテーション・授業・プレゼンテーションなど、すべての学校活動が「Zoom」、「Seesaw」、「Google Classroom」などのアプリを使って、ビデオ通話利用のオンライン授業が行われています。
宿題はネット上で出され、生徒はそこにアクセスして提出します。PCがない家庭には、 Chromebook(クロムブック)とルーターが無料で配られました。

シンガポールのオンライン教育事情

シンガポールでは教育省が主導してプログラムを作成し、小学生だけでも現在20万人が自宅に居ながらオンライン授業を受けていると言います。
小学生は毎日4時間、中学生は5時間、高校生~は6時間の授業を受けなくてはなりません。課題もネットで送られてきて、体育の授業はYouTubeを見ながら行います。PCを持っていない子どもは、学校に行き、少人数でオンライン授業を受けます。

スイスのオンライン教育事情

スイスでは学校からiPadが子どもたち全員に無料で配られ、無償のビデオ通話アプリ「Rooms」を使って、学校に行っている時と同じ時間割で授業が朝から行われています。課題などは電子メールで受送信します。

エジプトのオンライン教育事情

国連の国際復興開発銀行(IBRD)からの5億ドルのローンによって教育制度の改革を進めてきたエジプトでも、オンライン授業が行われています。2018年には韓国のサムスンから安価でタブレット端末を提供してもらい、中高生に無料で配ってきたという背景があります。

中国のオンライン教育事情

中国は、新型コロナウイルス蔓延を危惧して休校措置をとった最初の1週間で、すべての授業をオンライン化しました。
インターネットやテレビ回線を使って無償で教育リソースを提供し、各学校は、国のリソースを利用するか、既存のプラットフォームを活用して独自のオンライン授業を実施しています。
巨大IT企業アリババは、2020年1月31日にグループウェア「Dingtalk」を教育機関向けに無料で提供し、クラス単位の授業をライブ配信することで、300都市5000万人の生徒は自宅にいながらいつも通りの授業を受けられるようになりました。
他にも、オンライン学習支援を行う塾などが自社コンテンツを無料・格安で提供したり、学習に使えるプラットフォームを持つ会社がオンライン環境を塾などに提供したりといった動きがあり、次々とオンラインで教育を受けられる環境が整備されていったと言います。
その後、WechatやQQなどを提供するテンセントも、自社サービスを教育機関向けに提供し始めました。幼児でも一日平均1~3時間、パソコンやタブレットで英語、算数などを学び、テレビやスマートフォンでアニメや動画を見ているそうです。
幼児園の先生は家庭で遊べる工作、手遊び歌、絵本などを文字で説明したり、活動の画像や動画を、SNSを通して全クラスの親子に毎日発信しています。
そして、親からフィードバックをもらった結果、各家庭の状況やニーズがそれぞれ違うことがわかったため、一人ひとりの子どもの発達を考慮した、個別対応型の支援を行うことを考え、もっと子どもに受け入れやすいように改善したのです。
以下にその改善点をご紹介しますので、参考にしましょう。
・SNSで家庭活動を発信する際、働く親の一番忙しい朝の時間帯を避け、午前10時前後に発信する
・内容は、子どもに対しては直感的な動画や画像を主とし、視力低下を防ぐため、動画の長さは3分以内に収める
・オンラインで動画を見ながらリアルタイムでチャットする時間を作り、クラスの先生や友達の顔を見ながら、自分の生活や作品などを紹介したりする
中国の保育園では、友達が話していることをまじめに聞いたり、子どもが先生になってみんなに何かを教えたり、週に3~4回、一回に5人ぐらいの活動をリアルタイムで行うことによって、子どもの社会性の発達につなげることが可能になったと言います。
・強制ではなく、希望する家庭のみが参加
・その時間も30分以内に収め、動画チャットの最後にみんなで一緒に目の体操をする
・一対一のオンライン家庭訪問
特に忙しい親や特別なニーズのある子どもには、先生がオンライン家庭訪問を行い、子どもの様子を見て、親に教育的なアドバイスをしています。
・週末支援
親が仕事で忙しい家庭に対しては、先生は週末に一週間分の家庭活動のオススメ動画をまとめて再発信することによって、親子の楽しい週末時間の支援をしています。

さいごに

海外諸国のオンライン教育事情を、保育園・幼稚園・小学校に焦点を当ててお伝えしてきました。今回の新型コロナウイルス対応に対して、どの国も準備に余裕の時間などなく、新型コロナウイルスの脅威の中で懸命に子どもたちへの教育を守ってきている姿勢がうかがえます。オンライン教育を行っている国の全てが豊かな国ばかりではありませんでした。借金をしてでも教育のオンライン化を図ったエジプトの例もご紹介しました。
筆者はこの記事を書きながら、日本との違いは何なのだろうか?と考え続けてきました。そして、「日本では国のトッププライオリティーに子どもたちへの教育が位置付けられていない」ことに愕然としました。
文部省のホームページを見ると、美辞麗句が並んでいます。でも残念ながら、実践においては空っぽの状態であることに気づきました。
今、長期が予想されるコロナ危機の中、日本のパパやママがしなければならないことは、自分の子どもたちに最適な独自のオンライン授業を実施している所を即刻見つけ、一時も早く始めることです。今こそ、メディアリテラシーをフルに発揮してください。
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