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【小学校受験】四方観察・立体図の対策!解き方のポイントと家庭学習のやり方

P.K(元小学校受験塾講師)
2022/08/30 10:08
四方観察問題というのは「この方向から見たらどんなふうに見えるのか?」という問題です。一見、単純な問題ですが、図形が複雑に積まれている問題もあり、苦手な子どもも多くいます。まずは子ども自身が多くの「四方観察」問題に慣れておくことが大切です。今回は、四方観察の解き方を親が子どもへ教えるときのコツも説明していきます。

四方観察の問題とは?

四方観察の問題とは、「あるモノを特定の向きから見たとき、図形の形はどのようになるでしょうか?」という問題です。
プリントにいくつかの積み木が積まれている絵が書かれており、絵の中で子どもが一つの方向から積み木を見ているような書かれ方をしています。問題としては、「この積み木を、この方向から見た時に正しい見え方は次のうちどれでしょう?」という内容になります。「四方」という表現が大人にも難しく聴こえるかもしれませんが、実際に解答をしてほしいのは「ある場所から図形を見たときに、どんなふうに見えるのか?」ということです。
四方からの観察の問題(見え方)は、受験問題の解き方を覚えるというよりも、出来るだけ多くの問題に取り組むことで子どもは好奇心を刺激されるようになります。そして親も一緒に考えるという時間を持つことで、一緒に学習するという安堵感を持てるようになるのです。こうして子どもがどんどん、新しい知識を吸収しながら四方観察の方法を自分なりに身に付けて行くことが重要です。四方観察の問題についてはとにかく演習を積み上げることに意味があります。

四方観察(見え方)の問題を上手く解くために気を付けるポイントは?

例えば積み木を例に挙げて考えるとわかりやすいと思います。積み木には重なり合った部分が必ずありますよね?この様子を頭の中で想像して考えなければいけません。この場合にもペーパー上だけでの理解を深めようとするのは、なかなか困難なことです。
① 頭の中で、正方形の形を捉えるようにする
② 実物を四方から観察して見え方を頭の中に入れる
四方観察の問題は、子どもが一人で悶々と考えたとしても、なかなか理解が出来ない場合が多い問題です。なので、もし子どもが解くのに時間がかかってしまい、手が止まってしまっている場合には、ママ・パパがサポートしてあげることをおススメします。そうすることで、間違った理解を防ぎ、苦手意識を持つことも防ぐことができます。

四方観察(物の見え方)に必要なのは空間認識能力

絵に描かれた積み木の“重なった部分”が見えないような問題もあります(手前に積まれている積み木が、後ろに積まれている積み木よりも高い場合など)。その時に理解をしなければいけないことは、「たとえ絵では見えていなくても、そこには積み木が積まれている(空間がある)」ということです。まずは子どもが、この部分をしっかりと認識できなければいけません。こういった能力を「空間認識能力」といいます。積み木が得意な子はすでに備わっている子も多いですが、苦手な子でも四方観察の問題を多く解いていくと、だんだんと空間認識の力が身についていきます。苦手なこはまず「四方から同じ積み木を観察しても見え方がかなり違う」ということを理解させてあげましょう。
そして、出来れば四方観察の学習は、単純なものから始めることをおすすめします。入試直前に取り組むことを避け、できることなら本格的なペーパー対策が始まる前から積み木などを使って遊んで慣れさせましょう。この能力は、なかなか身に付きにくいタイプの能力でもあります。ここで、大事なのは、子どもが楽しんで空間認識をしようとしているかどうか?です。いきなり難しいペーパーだと、とても苦手意識を持ちやすい問題ですので、出来るだけ親子で楽しく学習できる方法を探してみてください。
そのうちに、四方観察の問題に対して得意な気持ちになるものです。そうなってくれると、かなり理解も早まります。問題の意味はいつも同じです。あるものを、いろいろな場所から見たら、どうみえるのか?という出題です。問題として扱う形やものが変わるだけで、実際は基礎的に理解ができていれば何の問題もありません。いつまでもプリントとにらめっこをしていても、なかなか上手に理解できない!という場合もありますよね?そんなときには、親子で実物を置いて、一緒に観察を繰り返し、問題を解いて行けばよいのです。
四方観察(見え方)の問題には、必ず「積み木の問題」が出題されるとは限らないのです。家やぬいぐるみ、動物など、問題は多岐に渡っています。あらゆる問題の量をこなしているうちに、子どもは持ち前の理解力を示し始めます。「わかった!」「簡単!」と思える気持ちが大切です。

四方観察を親が教えるポイント

ポイント1:積み木で問題と同じ形を子どもに作らせる

まずはスタンダードな問題を理解するために、積み木を準備します。そしてある程度、頻出問題に似た形と同じものを積み木で作ります。その時に、「絵に描かれている図」と「手元にある積み木」を何回もいったりきたり見てください。そうすることで、だんだんと絵に描かれている図形が立体的に認識できるようになってきます。

ポイント2:出来上がった形を四方から実際に眺めさせる

図形が出来上がったら、それを真上、真横左右から眺めます。そうすることで、四方観察の考え方が、よくわかるようになるはずです。積み木は見方が違うと、かなり違ったように見えることが理解できればそれで良いのです。お人形を例に挙げた場合でも後ろから見れば後頭部と背面しか見えません。横から見たときには横顔が見えて、正面から見て初めて、顔がわかるということです。積み木よりも、ぬいぐるみや人形を使用する方が、よりわかりやすい場合も多いのです。

ポイント3:実物見て絵を描かせる

プリント学習や実物を見せての観察と同時に、次は四方から観察したものの絵をあらゆる方向から見せて描かせてみてください。そうすることで、意外と理解が早まる場合が多いのです。なによりも、まずはよく観察をする目を育てることが大事です。ただ眺めるのではなく、今自分が見ている方向から見た時に物の見え方はどうか?ということが理解できているかが肝心です。そして違う方向から見たときには、また違って見えていることを予想できなければいけません。これが四方観察の予備知識として、重要な部分です。

スマホを使って実際に撮影をしてみるという方法はおススメ!

四方観察の学習を進めるときには、便利なものはどんどん取り入れるようにしてください。例えばスマホなども便利に使いこなせることで、より理解を深めることが可能です。
① 積み木などをテーブルの上に置きます。
② スマホのカメラで四方から撮影をする
積み木で問題に出題されるような形を任意で作ります。対象になっているものをカメラ機能で四方向から撮影をしてみるのです。上から見たらこんな感じになるのかな?と言う興味を膨らませてあらゆる方向から見た形を理解していくようになります。ここで大切なのは実物と写真を見比べて「どんなふうに見えているか?」を認識できることなのです。
カメラで撮った画像は理解を深めるアイテムになります。四方観察の理解が段々深まったタイミングで、カメラ撮影した画像を見せて「これはどこから見た積み木かな?」という質問をしてみいてください。それを繰り返しているうちに、どんどん子どもは理解が深まり、上から見た時に見えていない積み木の部分にも空間があることを理解するようになります。興味を持つことが理解への早道です。

さいごに

四方観察は、多くの小学校が入試問題として取り扱う出題です。親としても、四方からの観察問題においては、丁寧に子どもに声がけをして、苦手意識を持たせないようにしてあげてください。実物を使っての学習も必ず一緒に行います。子どもの目線で観察をした通りのものを、頭の中にインプットすることが必要です。出来るだけペーパーテストに出題されているような問題を、実物で再現して一緒に考えるということを何度も繰り返してみてください。同じことの繰り返しは必ず上達につながります。最初は、四方観察は難しくて苦手、という気落ちの子どもも、親が一緒にこの問題に取り組んで、一緒に観察をすることで、徐々に興味に変わっていくものです。
途中で「わからない・・」を連発するような根気のない子どもでも、四方からの観察はできるようになると、達成感のある問題です。理解ができた時の、わくわくとした気持ちを子どもに覚えてもらえるように、親も根気よく付き合ってください。演習をどんどんと積ませることで、必ず最後まで頑張って観察をしようという気持ちが途切れなくなります。わかるようになれば、どんどん他の問題も解いてみようかという意欲にもつながります!
    この記事の著者
    元小学校受験塾講師。大学時代には幼児教育・幼児心理学を専攻。大学受験小論文添削や公文講師などの経験あり。
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