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幼児期が大切!就学前教育が最も重要であるという科学的根拠

ライター 村田 美子
2021/08/27 05:08
日本では2020年は教育改革の年ですね。子どもの教育の重要性は国も親も強く認識しています。ついつい小学校受験や中学校受験に目が行きがちですが、筆者が一番大切だと考えるのは就学前教育です。orioriで記事を書いているのも、そのような理由からです。この記事ではノーベル賞受賞学者が絶賛した40年間にわたる追跡調査と、脳科学が明らかにした衝撃の研究結果をお伝えします。

二つの研究から分かる就学前教育の重要性

ペリー就学前プロジェクト、アベセダリアンプロジェクト。
この二つの研究は、対象として無作為割り当てを使用したことと、子どもが大人になるまで長期に渡って追跡調査をした点が大きく評価できます。
結論から言うと、子どもたちが豊かな環境を幼少期に体験すると、IQテストや学力検査で測定できる能力(認知能力)と、意欲、忍耐力、社会性など生きる力(非認知能力)の両方が高まるという結果を示しました。二つの研究に共通しているのは子どもだけでなく親への支援も行なっている点と遊びです。以下、データと共に、詳しく見ていきましょう。

ペリー就学前プロジェクトとは?

ペリー就学前プロジェクトとは1962年から1967年に米国、ミシガン州で、低所得のアフリカ系58世帯の就学前の子どもを対象に実施されました。
30週間、毎日午前中に2時間半ずつ教室での遊び中心の授業を受けさせ、さらに週に1度は教師が各家庭を訪問して90分間、特に自主性を重んじる教育がなされました。
そして、就学前教育終了後、これを受けた子どもと受けなかった対照グループの子どもを、40歳まで追跡調査しました。

アベセダリアンプロジェクトとは?

アベセダリアンプロジェクトとは1972年から1977年に米国のノースカロライナ州で行われた幼児教育プログラムです。
平均年齢4.4ヶ月の子ども111人を対象に8歳まで実施され、子どもが12歳、15歳、21歳、30歳、35歳の時にデータを収集するという長期の研究でした。
小学校に入るまでの5年間は1日6〜8時間の授業が行われ、クラスは少人数(乳児3人に対し先生1人、5歳児6人に対し先生1人)で行われました。
小学校に入学してからの3年間は親との面談を行い、特に言語教育に力を入れた家庭学習のカリキュラムを作成し、家庭学習の進め方の指導も行いました。
アベセダリアンプロジェクトの効果として、プロジェクトに参加した子ども達は14歳〜15歳のIQが高く、高校を卒業した割合も67%(対照グループは51%)と高くなっています。
また大学進学率も35%(対象グループ14%)、卒業率も23%(対象グループ6%)と高い割合を示しました。プロジェクトに参加した子どもは健康面でも良い結果が示されました。
最終的な追跡調査(ペリー就学前プロジェクトでは40歳、アベセダリアンプロジェクトでは30歳)では、就学前教育を受けた子どもは、対照グループ(受けなかった子ども)よりも学力検査の成績がよく、学歴が高く、特別支援教育の対象者が少なく、収入が多く、持ち家率が高く、生活保護受給率や逮捕者率が低かったということです。
上記はアメリカでの研究なので、日本にすべてが当てはまるとは言えませんが、貧困の連鎖を食い止めるには、就学前、つまり小学校に上がる前にきちんとした教育を受けることにあると実証した点で、子どもの貧困が問題視されている日本でも参考になる点が多いと思います。

人生を成功させる能力を身につけるには就学前教育が最も重要

ノーベル賞を受賞した世界的な経済学者ジェームズ・ヘックマン教授は次のように指摘しています。
生きていく上で必要なのは、学力だけではありません。人生を成功させる能力を身につけるには就学前教育が最も重要なのです。非認知能力はやる気を促し、人生の可能性を広げる極めて大切な能力なのです。「非認知能力」が身につけば、不利な状況に打ち勝ち、貧困の連鎖から抜け出すことができます。

具体的にどうすればいいの?

子どもたちの非認知能力を伸ばすことは、机について勉強することや教室に通うことだけではありません。日々の子育ての中で、パパやママが意識しておくことを具体的にご紹介しましょう。
ペリー就学前プロジェクトでは、子どもの自主性を大切にした遊びを中心に行ないました。アベセダリアンプロジェクトでは、言語に重点を置き200種類の遊びの中で子どもを育てました。どちらプロジェクトも遊びがベースであることがポイントです。子どもは遊びによって学ぶのですね。
会話型の読書やLearning Gamesも一案ですね。以下のサイトが助けになるかもしれません。 

さいごに

この記事では、ペリー就学前プロジェクトとアベセダリアンプロジェクトという研究内容と結果をご紹介しました。読者の皆さんはどのような感想を持たれましたか?
パパやママがアベセダリアンプロジェクトを参考にするなら、言語に重点を置いた子育てを意識しましょう。でも、英語教室に通ったり、高い幼児用教材を買うことではありません。
アベセダリアンプロジェクトでは運動能力に関する遊びの時でも、先生は子どもにどんどん話しかけ、言葉を引き出していたそうです。
ペリー就学前プロジェクトを参考にするなら子どもの自主性を大事にしましょう。遊びの主導権は子どもが握って、親は子どもと同じ目線で遊びに参加し、あれこれ口出しはしないようにしましょう。
経済学の世界的権威でノーベル賞を受賞したヘックマン教授の言葉には目からうろこでしたね。経済学者らしく「幼児教育に投資するのが効率よい。中学や高校、大学に入る段階でお金をかけてもそこまで効果がない。5歳までの教育がやる気や忍耐力を伸ばし人生を変える」と、著書『幼児教育の経済学』で述べておられます。
子育てに損得勘定を入れること自体には賛成しかねますが、聞く耳は持ちたいと思います。
ヘックマン教授も5歳までの幼児教育が学力に影響すると言っています。
アベセダリアンプロジェクトやペリー就学前プロジェクトから得られる知恵は、子どもたちに乳幼児期から語り掛けを多くし、言葉遊びなどを多くすることや自主性を重んじることを心に留めておきたいですね。子どものために、あなたができることを考えてあげてください。
筆者のおすすめは対話型読み聞かせです。乳幼児でもママやパパの声を聴くだけでも安心します。年齢が進むにしたがって、絵本を読みながら、子どもとたくさん会話をしましょう(ストーリーから脱線しない程度に)同じ本を読み聞かせることも良い案ですし、5~6歳になれば、お話の続きを創作できるでしょう。
さらに、自由に工作をすることもお勧めです。そのような絵本も市販されていますが、身近なものを利用してみましょう。新聞広告やフリーペーパーをハサミで切り抜いて、貼ってみたり、ストーリーを作ってみたり、工夫次第で子どもたちはどんどん創造性を発揮します。野菜スタンプもおもしろいですよ!是非、やってみてくださいね。
orioriが、もっと多くのパパやママの目に留まり、豊かな子育ての参考になることを願ってやみません。
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