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子どもの楽器演奏と脳の発達。科学的エビデンスも!

ライター 村田 美子
2021/06/28 02:06
読者の皆さん、こんにちは。子どもが成長するにつれ、何か、楽器を習わせてみようかな?と考えたことはありませんか?この記事では、楽器演奏が脳に良いことを証明した、二つの研究結果(エビデンス)をご紹介します。さらに、音楽教室に通わせる場合の、費用や楽器の選び方のポイントもお伝えしましょう。ぜひ、参考にしてくださいね。

楽器演奏に関する興味深い研究

2015年にアメリカのJames Hudziak博士(バーモント大学の精神医学教授で、Vermont Center for Children, Youth and Familiesのセンター長)が、楽器演奏と子どもの脳の発達に関して、興味深い研究結果を発表しているので、ご紹介しましょう。
脳は筋肉であるため、楽器を演奏したり、楽譜を読んだりする行為は、究極の運動であるという考えから、研究が進められてきました。
James Hudziak博士が楽器演奏の経験がある6歳から18歳までの健康的な子ども232人の脳をMRIで調べたところ、脳の皮質組織が厚くなり、注意力・不安や感情をコントロールする力が増していたと報告しています。
(原文) What we found was the more a child trained on an instrument," said James Hudziak, a professor of psychiatry at the University of Vermont and director of the Vermont Center for Children, Youth and Families, "it accelerated cortical organization in attention skill, anxiety management and emotional control.
もう一つ、2017年にカルフォルニア大学(Brain and Creativity Institute at USC)から発表されたエビデンスをご紹介しましょう。
データは、次のような3つのグループから得ています。
①6~7歳から地域のユース・オーケストラ・ロサンゼルスに所属し、楽器を週7時間演奏している子ども
②スポーツプログラムに参加している子ども
③何もしていない子ども
それぞれ20名の脳を2012年から5年間にわたって、行動実験(behavioral testing,)、MRI 分析、 EEGと呼ばれる脳内の活性をモニタリングしました。
この研究チームは、前年、2016年には、「楽器演奏が音感、言語能力(話す・読む力)のアップにつながる脳の領域と関係している」という研究結果を公表していました。
2017年の結果として、①のグループに属する子どもたちは、音を処理する耳のすぐ上あたりにある脳の部位が厚く、大きく発達していることが確認されました。
また、脳の白質(シグナルを脳内で伝える)や、灰白質(情報を処理する)にも良い影響が見られ、決断力や集中力・右脳・左脳間のネットワークの活性化にプラスであったと報告しています。
(原文)In the Brain and Creativity Institute study, children receiving music instruction, compared to peers, demonstrated changes in thickness and volume of brain regions that are engaged in processing sound. These regions, called “auditory association areas,” are located just above the ears. Cortical thickness is a reliable measure of brain maturity. Children who have received music training showed differences in the thickness of the auditory areas in the right versus the left hemisphere, a sign that music training impacts brain structure. In addition, children learning to play and read music showed a stronger robustness of the white matter, a sign of stronger connectivity in the corpus callosum, an area that allows communication between the two hemispheres of the brain.
これから自分の子どもたちに何か楽器をやらせてみようと思う日本のパパやママには、大いに気持ちを後押ししてくれる励みになるエビデンスですね。
無理やりやらせることはダメですが、もし子どもが興味を示すようなら、始めてみましょうか? 次に、どんな楽器が良いのか、教室の費用はどのくらいかかるのか、具体的に見てみましょう。

どの楽器を習わせる?

まず思いつくのは、ピアノですね。リクルート社のアンケートによると、子どもの習い事の1位はスイミング、2位は英語、3位がピアノだそうです。

ピアノ

ピアノは、楽譜を目で追いながら、左右それぞれの手でまったく別々の動きをしなければいけません。音楽の基礎力、音感をつけるという意味で、ピアノは始めやすい楽器といえますね。
一対一のレッスンなのか、グループレッスンなのか、大手の教室か、個人の教室かによってもレッスン料金は違ってきます。住んでいる地域のピアノ教室を調べてみましょう。大体、月3回で6,000円~10,000円といったところです。

エレクトーン

エレクトーンはピアノと同じく、鍵盤楽器です。違いは、ボタンを切り替えることで色々な楽器の音色を出せること、鍵盤が2段になっていること、足元にも鍵盤があることなどです。
まさに、体全体を使って演奏するのが、エレクトーンです。ピアノほど力を加えなくても電子音が出て、様々な楽器のイメージをふくらませることができます。月謝は、大手の教室での年少コースで月3回のグループレッスンで4,500円ぐらいです。

バイオリン

ピアノやエレクトーンは、ドやミなどの鍵盤を選べば、その音が出ます。しかし、バイオリンは弦を指で押さえ、その位置を変えることで音の高さが変わってきるため、難しい楽器といえます。
幼児からの教室もあり、人気があります。大手だと月3回のグループレッスンが7500円~です。個人レッスンなら10,000円~が目安です。
筆者の経験で恐縮ですが、自分の子どもが6歳の時から12歳まで、筆者も一緒に「母と子のバイオリン教室」に通っていました。素朴な感想は、「バイオリンは難しい楽器!」です。バイオリンの前に、ピアノを習わせても良かったかなと思いました。
そして、もう1点、知っておかなければならないことがあります。バイオリンは身体の大きさに合わせて、次々に買い替えていかなければならず、筆者の子どもも7年間で3回買い換えました。経済的負担はある程度覚悟しておくほうが良いと思います。

ギター

ギター教室は子どもから社会人まで、人気があります。アコースティックやエレキなど、選ぶギターによって奏でる音色が変化するのも面白いですね。小学生から始められ、月3回のグループレッスンで6500円~です。

和太鼓

最近、特に注目されているのが、子ども向けの和太鼓教室です。日本の伝統楽器に触れることができ、比較的、演奏が簡単だというのが、人気の秘密なのでしょう。
ドラム同様、楽譜を読む必要がなく、2本のバチで太鼓を叩けば音が出ます。そのため、まだ手先がそれほど器用ではない小さな子どもでも、取り組みやすいという魅力があります。
「和の文化」に親しみながら、礼儀作法が身につくという別の効果も期待できますね。

フルート

幼児用フルートが開発されています。3歳から通えるフルート教室もあります。月謝は月3回で10,000円前後のところが多いようです。

トランペット

教室によってはトランペットを幼児から習えるところもあります。歯や唇に合わせた口の使い方や息の使い方を学ぶことができます。月謝は月3~4回で12,000円ほどと、若干高めです。

サックス

初心者にも比較的楽しみやすい管楽器として人気があります。演奏する際のスタイルも素敵ですね。サックスは8歳頃から始められます。費用は、月2回で8,000円、月4回(毎週)で、月額10,000円~です。

ハープ

ハープは胎教音楽や音楽療法などにも取り入れられていて、ママの方が興味があるかもしれませんね。ハープ教室は、幼稚園児から年配の方まで幅広い層に人気がありますが、個人で教えている教室が多いようです。月3回で13000円~で、若干高めです。

クラリネット

個人の教室では、小学生からクラリネットを教えてくれるところもあります。月謝は月2回で12800円~など、ピアノなどに比べると高いですね。

ドラム

ドラムはリズム感を養うことができるだけでなく、叩き方や触り方で出る音が変わり、なかなか興味深い楽器です。全身を使うため、リズム感だけでなく運動神経向上も期待できます。
多くの楽器店などで子ども向けのレッスンが開かれています。他の楽器に比べ、楽譜を読む必要がないので、始めやすい楽器といえます。
難点としては、音が大きく、場所もとるため、自宅では練習しにくい点が挙げられます。対策として、ヘッドフォンが使える防音の電子ドラムを使うといいですね。しかし、ドラムセットをすべて購入すると、大変高額です。

楽器の教室の選び方と費用

教室を選ぶ前に、子どもが、その楽器に興味を持っているかということが最優先です。その次に、住んでいる地域から通いやすい場所に教室があるかどうかです。
月謝が高すぎたり、遠すぎて送り迎えが大変だと、長続きしません。まずはホームページで住んでいる地域の音楽教室を調べ、気になる教室をピックアップします。その際、口コミ情報はかなり有益なので参考にしましょう。先生の質も、要チェックです。
日本では「6歳からの手習い」という表現がありますが、大手の音楽教室、「ヤマハ音楽教室」は、聴覚が最も発達するとされる4~5歳の頃が、楽器の習う最適な時期としています。
費用を見ると、ヤマハの幼児科コースであれば、レッスン料が月額6000円、教材費が入会時に7600円、半年後に5400円、別途入会金などが必要です。入会時と月々いくら必要なのかをしっかり確認しておきましょう。
大小問わずほとんどの教室で体験レッスンを行っているので、気になる教室を見つけたら体験してみることをお勧めします。
教室の雰囲気、先生の性格、レッスンの進め方、自宅での練習時間など、自分の子どもとの相性を知るのに、体験レッスンは重要です。
ヤマハ音楽教室ホームページ「4・5歳児 幼児科」

さいごに

子どもの楽器演奏と脳の発達に関する科学的エビデンス、納得いく研究結果でしたね。実はアメリカでは、「楽器を子どもにやらせても、何ら益になることはない」という思い込みが長くあったそうです。この研究結果がその思い込みをひっくり返すきっかけに、なったと言います。
逆に、日本では以前のほうが、より多くの子どもたちが楽器に親しんで育っていたように思います。現在は不況からか、レッスンに来る生徒が大幅に減っていると嘆くピアノの先生(友人)がいます。ともあれ、楽器が楽しめると、その後の人生が豊かになることは間違いありません。
教室の見学や無料体験をしてみたりして、どの楽器が気に入るかを子どもに選ばせることが大切です。個人的には、グループレッスンよりも、個人レッスンの方を勧めます。相性の良い先生が見つけられたら、長くその楽器と先生に親しめることになると思います。
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