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発達障害は親のしつけが悪いからではない!対処方法、アタッチメント障害との違いも解説

ライター 村田 美子
2021/04/08 22:04
この記事では、昨今、増加傾向にある発達障害について、対策やかかわり方など、詳しくお伝えします。現在は昔と違って、発達障害の原因は「親の育て方が悪い」「親の愛情が足りない」といった論は医学的に否定されています。発達障害とアタッチメント障害との違いもご説明しましょう。
発達障害は適切に対処すれば改善することがわかっているので、子どもの対人関係や集団生活などにできるだけ配慮し、周りの環境を整えてあげることが大切です。

筆者の実体験

「どんなに注意しても悪戯をやめない、レストランでは大騒ぎ、スーパーでは突然走り出して、欲しいものを買ってもらうまでは寝っ転がって泣きわめく、、、、」
これは、ずいぶん前の筆者の姪の子ども(男の子・5歳)の様子です。あまりのひどさに、姪は困り果てていました。
幸い、幼稚園の先生の指摘とアドバイスがあって、医療機関を受診し、ADHD(後述)と診断され、それ以来、小さな錠剤を処方してもらっています。
当時は、現在のように、様々な情報がない時代でしたから、発達障害と診断が下された時、姪一家は大変なパニックに陥りました。今は正しく情報を押さえ、適切に対処すれば改善することがわかっています。同時に、幼稚園の先生の指摘があったからこそと、大変感謝しています。

発達障害とは?

発達障害とは、発達に問題がある障害の総称です。実は、現時点では発達障害という概念は、医学用語でもなく、法律によって以下のように定義づけられています。
自閉症、アスペルガー症候群やその他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう

発達障害の3分類

①広汎性発達障害 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害・アスペルガー症候群(ASD)

世界保健機関(WHO)の定めた国際疾病分類(ICD)や、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)では、アスペルガー症候群などとともに広汎性発達障害というカテゴリーのもとで、自閉症という診断が位置づけられていました。2013年、自閉症という障害名は廃止され、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害に統合されました。
この障害は先天的な発達障害の1つで、特徴として、社会性がなく、対人関係の構築が困難、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りが特徴です。また、記憶力がとても優れている場合もあります。
自閉症スペクトラム障害は、人と関わることをしない、オウム返しの返答をする、特定の物や、事柄に強いこだわりがありますが、現在の医療では根本を治すことは出来ません。
アスペルガー症候群の場合は、会話能力は正常ですが、社会的なルールの理解や、場の空気を読む、相手の気持ちを理解することなどが難しく、対人関係を上手に築けません。
また、本人が決めたルールを変えることを嫌うという強いこだわりを持っています。このアスペルガー症候群の根本を治す治療法も、現在まだみつかっていません。

②学習障害(LD Learning Disability)

学習障害は知的な発達の遅れはありませんが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。
計算は他の人より速くできるのに、文章をスムーズに読めない、字を書くことが困難だったりします。
LDのタイプは読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)に分かれています。LDは、何らかの脳機能の障害が想定されていますが、脳の部位や原因は特定されていません。

③注意欠陥多動性障害(ADHD)

ADHDは、注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害とも呼ばれ、不注意、集中力がない、片づけられない、じっとしていられない、思いつくと行動してしまうといった症状が見られる障害です。
以前は「注意欠陥・多動性障害」という診断名でしたが、2013年に刊行された「DSM-5」で、「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」に変更されました。
前頭前野(衝動をコントロールする機能)が関わっているのではないかという仮説が考えられています。
落ち着きがなく、やんちゃな子どもとして、先生や養育者に叱られることがよくあります。しかし、この注意欠陥多動性障害の人には、アインシュタイン、エジソン、織田信長、坂本龍馬など有名人がたくさんいます。障害があるからといって能力が劣っているという事では決してない、ということですね。

発達障害のグレーゾーン

グレーゾーンとは発達障害の疑いがあるものの、診断基準にはあてはまらない状態です。発達障害かどうかは数値のような明確な基準はありません。
診断基準を満たす場合と比べ、理解や支援が得られにくいなど、養育者を悩ませるのがグレーゾーンです。
最後にチェックリストをご紹介しますので、チェックしてみてくださいね。

発達障害は遺伝?

発達障害は、親から子どもへある程度は遺伝しているのではないかといわれていますが、
星総合病院 精神科 部長、本間博彰医師は次のように言います。
発達障害が遺伝するとは考えないほうがよいと思います。発達障害は、その人が置かれた環境によって対人関係や集団生活がうまくいかないというものですから、環境にうまく配慮できれば、トラブルなく生活を送ることも可能です。

発達障害の子どもへの対策や関わり方

ADHDの場合、衝動性は薬物療法で抑えることができます。また、薬物療法だけでなく、子どもを褒めて評価してあげることが重要です。「頑張ったね」「よくやったね」といった言葉がけをしましょう。
自閉症スペクトラム障害の対策として、よりうまくコミュニケーションをとるためには、「共通基盤」がどれだけあるかということがポイントになります。共通基盤があれば、さまざまなことが相手に通じやすくなります。
また、子どもの顔を見ながら、マイクロカウンセリング技法を使って、ゆっくり、やさしく、穏やかに、辛抱強く、話しかけましょう。

発達障害とアタッチメント障害の違い

症状が似通っているので、よく混同されがちです。しかし、発達障害が脳機能の先天性の障害であるのに対し、愛着障害は生まれた後の養育が原因の後天性の障害で、克服が可能な障害です。
特に、2歳までは、どちらの障害か見分けにくいので、診断はもう少し大きくなるまで待った方がいいかもしれませんね。

さいごに

発達障害、愛着障害の有名人は沢山いますよね。大活躍のビルゲイツ、スティーヴン・スピルバーグ、スティーブン・ジョブズ、トム・クルーズ、勝間和代さん、黒柳徹子さんなど、また、エジソンやアインシュタイン、織田信長、坂本龍馬など歴史に名を残した人も多くいます。
子どもにとって、養育者は最大の理解者です。ぜひ、発達障害に関するさまざまなことを勉強して、養育者自身がまず、落ち着くことが、肝心だと思います。
また、困っているときはひとりで悩んだりせず、誰かに相談して、ストレスや不安を解消しましょう。決して悲観的になってはいけません。冒頭にご紹介した、姪の子どもは、今では成人し、自分の道を歩んでいます。
さいごに、「5分でできる子どもの発達障害の種類がわかるチェックテスト」をご紹介しておきます。
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