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子どもとお絵描きは相性バッチリ!年齢別の上達目安や絵から分かる子どもの心理

ライター 村田 美子
2020/10/07 21:10
子どもの絵は、たとえ、つたなくても、私たちの心をつかむ魅力を持っていますね。つい、笑みが浮かぶ絵もあったりします。この記事では、子どもたちが絵をかくとき、どんな気持ちで描いているのだろう、何故だろう、どんなメッセージを伝えているのだろう、発達段階は万国共通と言われるが、どういうプロセスをたどるのだろう、といった疑問に答える形でお伝えします。大人が子どもたちの絵に向かい合う時に注意しなければならないことについても、言及します。是非、参考にしてくださいね。

子どもはどんな気持ちでお絵描きしてるのかな?

子どもの絵の中には、子どもが自分の周りの世界をどのように見ているかというメッセージが詰まっています。まだ、言葉がはっきりしない子どもでも、クレヨンを手全体でつかんで、グルグルグルと無心になぐり描きをしたりします。
このように、子どもはお絵描きをしている時、大変リラックスしていて、上機嫌な時が多いです。
お絵描きには脳の活性化効果があるので、是非、ママやパパも一緒に描いてみるといいですね。お絵描きをしながら、ほぐれている子どもの心と対話して楽しんでみましょう。
大人・子どもを問わず、使う画材の色にも、以下のような意味があると言います。一般的に暖色系の色を使う時は、年齢相応な成長をしていて、温かい家庭環境で、愛情を感じながら安心して、自由な自己表現ができている状態です。子どもらしく、のびのびしていることが多いです。
では、寒色ばかり使う時はどうでしょうか?悲しみ、寂しさ、疲れ、抑圧された感情から自分を抑制して、周りに一生懸命合わせようとして、愛情表現をしたがらない傾向があると言います。
これは、あくまで、一般論なので、参考程度にしてくださいね。もう少し、詳しくお伝えしましょう。

ポジティブな気持ち

特徴
ピンク 幸せな気持ち、優しい気持ち、甘えている
オレンジ 明るく開放的な気分、わがまま、不満
虹色 社交性、コミュニケーションが活発な時、充実感あふれる
赤色 エネルギーの高さ、好奇心
黄色 ママ・パパが好き。もっと甘えたい。自己アピールしたいとき。楽しく、うきうきした気分。リラックスして心も体ものびのび。

ネガティブな気持ち

特徴
疲れている、休みたい気分。マイペースな性格
プレッシャー、自立心(長男、長女にあらわれることがある)
癒しを求めている。病気をしている時、精神的に疲れている時
水色 従順さ、素直さ。寂しい気持ちを抱えている時
正義感、完璧主義、神経質、または自信を喪失している

子どものお絵描き、発達の段階

発達の道筋に関して、興味深い研究結果があります。アメリカのプレスクール・センターのローダ・ケロッグ女史は、100万枚の子どもの絵の分析をし、研究した結果、世界中のどの子どもも、少なくとも幼児の段階では同じ発達の道筋をたどることが明らかになりました。
東山明、神戸大学名誉教授・園田学園女子大学教授は著書の中で次のように述べています。
子どもの絵の発達段階は、あくまで一般論であって、子どもの成長のはやさには個人差があり、また、指導のあり方や子どもを取り巻く環境によっても異なりますので、固定化して考えないようにする必要があります。子どもが描く絵に過度な干渉は禁物です。
東山教授も多くの子どもの絵を調査研究し、「子どもの絵の発達段階」を以下のように提示しています。

1.なぐりがきの時期(1歳半から2歳半ごろ)

最初は、指全部使って、クレヨンを握って、点や短い線をたたくように描きます。その後、徐々に手首だけでなく、ひじも使うようになります。描く線もなめらかになって、何やら、つぶやきながら描いたりします。

2.象徴期(2歳半頃から4歳ごろ)

2歳半ごろになると、クレヨンを中指、親指、人差し指で持てるようになります。描いたものに名前をつけたり、意味づけしたり、ぐるぐるの渦巻から丸が描けるようにもなります。さらに、人や車や家なども描き、色も実際の色と一致し始めます。

3.図式期(5歳から8歳ごろ)

5歳ごろになると、薬指と小指を支えにして、三本の指でクレヨンを動かすことができるようになります。
絵の中に空と地面があらわれ、上下の空間を分ける横線が描かれるようになります。また、乗り物の乗客や家の中の人が透けてみえる絵もみられるようになります。
また、好きなものは大きくかいたり、道の両側に家や木を寝かせて描いたり、展開図のように描いたりします。
このように、身体の発達に、心の発達が伴い、子どもたちが描く絵は、徐々に変化していくことは、興味深いことですね。

お絵描きと右脳

ここで、お絵描きをするときに、関係してくる右脳について、お話ししましょう。私たちの脳には右脳・左脳があるのはご存じですね。左脳は思考や言語を司り、右脳は感情や感覚・イメージを司っています。
そのため、子どもが描く絵の中に、子どもの心や精神状態が表れるのです。そして心の領域で言えば、左脳は意識(顕在意識)の領域に、右脳は無意識(潜在意識)の領域になります。
絵を描くことだけでなく、どんな作業でも、時間を忘れて何かに没頭する時間は、心に大変良い影響をもたらし、リラックス感やストレス解消につながります。
筆者の友人で、80代のお母さんと50代の娘さん二人が、月に1回、お絵描き教室に通っている人がいます。時々作品を見せてもらうのですが、のびのびと描けていて、毎回感心します。何より、楽しくて仕方ないようです。
このように、年齢を問わず、私たちは絵を描いたり、創作活動に夢中になることで、右脳であるイメージ脳が全開になり、脳全体の活動が活性化されるというわけです。
子どもだって同じことです。お絵描きをすることで、想像力・集中力が増したり、左脳との連絡がよくなったり、学習能力やアイデア量がアップしたりと、良い効果が期待できることは明らかです。

子どもと楽しくお絵かきするときの注意点

「パパを描いたよ!」父の日を前に、保育園の3歳の男児が仕事で不在がちの父親の絵を描きました。子どものお迎えに来られたお父さんの嬉しそうな顔が思い出されます。どんなにつたなくても、わが子が描いた絵は、最高に愛おしいものですよね。
子どもの絵から心を見ようとするときに、絵の上手、下手は全く関係ありません。目の前で今、子どもがどんな様子で絵をお絵描きしているかが大切で、深読みしなくて大丈夫です。ある時期は、色選びに無頓着という研究もあるくらいです。
3才半~4才ごろまでの子どもは、色にあまりこだわらず、形を中心に描いているといいます。 個人差はありますが、感覚運動的に線遊びなどを始める一歳半ば頃に始まる錯画期から、象徴期を経て三歳半ばから四歳頃の図式前期頃までは、形への興味が中心であり、色彩、特に固有色には無頓着な活動が続きます。
深読みして「なぜこんな色で描いたの?」と問いかけることは控えましょう。「なにを描いたの?」とか、「なにしているところなの?」と聞いてあげると、子供は素直に答えやすいのではないでしょうか。
中には、お絵描きを全然したがらない子どももいるかもしれません。お絵描きしたいと思う動機は子どもの体験の量と相関関係にあります。
「この子はなぜ、お絵描きしないのだろう?」と、心配になるときは、子どもにいろんな経験をさせているか?親自身が自問してみましょう。
他の子と同じように熱心に描いていなくても、時には何にも描いていなくても、別の表現活動(粘土あそびや紙工作、砂遊びなど)をしている場合もあります。粘土遊びに関しては別記事をお読みください。

「ぬりえ」ってどうなの?

ぬりえに関しては賛否両論あります。メリットとして挙げられるのは、手先を鍛えられる、集中力を養い、できた!という達成感や自信を得られることです。また、色彩感覚を養うこともできます。
では、デメリットには、どのようなことが考えられるでしょうか?一部の幼児教育専門家の中には、ぬりえは想像力の発達にマイナスになること、線の中にきっちり塗ることや、決められた色を使うことが、子どもに不要なストレスを与えかねないと反対の立場をとっています。
とはいえ、私たち大人も子どもの時(大人の塗り絵だってあります!)、ぬりえを楽しんで成長しましたよね。
あまり、効果がある/ないに拘らず、子どもが興味を持ったら与えてみてみるのはいかがでしょうか?

画材を選ぶ時のポイント

幼児はなんでも口にもっていく時期なので、安全安心なものを選びましょう。誤飲を防ぐために穴が開いたクレヨンも市販されていますが、保護者が子どもから目を離さないように注意しましょう。以下ポイントを挙げておきましょう。
・口に入れても安全
・にぎりやすい
・折れにくい
・水で洗い落とせる
・手が汚れない
むやみに口にいれることがなくなったら、いろんな画材が選べますね。ママにとっては、後片付けが簡単な点は重要です。「水で洗い落とせる」は、押さえましょう。

おすすめ「横浜美術館」

たまには、お外でお絵描きもいいですね。横浜美術館の「親子のフリーゾーン」要チェックです!!
子どもたちが、“描いたりつくったり”することを楽しみながら、「自分でする」「自分がする」という気持ちを引出し、やってみたいという意欲を育むことを目的としたプログラムです。 ねんど・絵の具・紙を素材に3つの場所で自由に遊べます。
4月~11月の晴天時は、アトリエの中庭で、いろいろな色をつくる色水遊びや、好きなところに自由に絵の具をつけるフリーペインティングができます。  
また、4月~11月の雨天時、および12月~3月など、雨の日や寒い日は、室内のボードに貼った紙や、床に敷きつめた紙に自由にお絵かきができます。
★定員:500人(先着・事前申込要)
★参加費:小学生以下 無料  保護者および中学生以上 100円
★開催日程:日曜日(月3回程度)10時~11時30分
★場所:横浜美術館「子どものアトリエ 親子のフリーゾーン」

さいごに

この記事では、子どものお絵描きに関して、脳のこと、研究から解かっている発達の道筋に関するエビデンス、養育者の注意点などをお伝えしました。
明らかなことは、子どもがどんな様子で絵を描いているかが、一番大切なことですね。色や描き方が少し気になっても、安易に子どもの心の中を断定的に決めつけないよう、注意しましょう。
「下手!」などと言ってしまうことは、論外です。「クレヨン、上手に握ることができるようになったね。前より丁寧に色が塗れるようになって来たね」と、よくなった点を見つけて、励ましてあげましょう。
繰り返しますが、深堀りして原因を探る必要はありません。子どもの普段の様子をよく観察して、描いた絵をもとに一緒にお話をしながら子どもの言葉や心に耳を傾けましょう。
また、4歳くらいまでの子どもは、特に理由もなく、色を選び、心のままに描くことがあります。「何を描いたの?」と聞くと、その自由な気持ちや想像力・創造力が邪魔されてしまう場合もありますので、静かに見守りましょう。
最後にご紹介した「横浜美術館「子どものアトリエ 親子のフリーゾーン」は素晴らしい取り組みですね。機会があれば、是非、行ってみたいと思っています。
    この記事の著者
    【ライター・コラムニスト】神戸市外国語大学を卒業後、京都府立高校で英語教師として勤務。 その後、40歳で米国ジュニアタ大学に留学し、平和学を専攻。 続いてオハイオ州立大学 教育学部 修士取得、博士課程、単位取得。 帰国後、関西外国語大学にて教授。 時事、カルチャー、政治経済、幼児教育~社会人教育まで多岐にわたる分野で記事執筆。20年間インドのアウトカーストの子どもたちの教育支援を行っている。 2018年、インド支援の一環として出版社、Murata Publisherを立ち上げる。著書に東洋経済新報社より「クリティカルシンキング 基礎編」「クリティカルシンキング 実践編」「誰も知らなかったインド人の秘密」、Murata Publisherより電子本39冊出版。
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