子供の将来を見据えて小学校受験を考える親が大半です。しかも、自分自身の母校に入学させたいという願望が強い方も多くいます。

但し、子供と親とでは時代も違います。そして一番肝心なのは、親として子供の個性や資質をつぶさに観察をして、第三者の塾関係者や幼稚園関係者などの意見も取り入れて志望校を選ぶという作業です。ここがとにかく肝心なのです。

親の母校だから当然、自分の子供にも同じ能力が備わっているはず！という過信は、子供を受験失敗に導いてしまう可能性もあるからです。

そうなってしまうと、受験をする意味さえ見えなくなってしまいます。まずは、志望校選びを慎重に行い、ある程度余裕を持った準備期間を使って、親子で「受験をするとはどういうことか？」を考えながら前に進んでいただきたいと思います。親のステータスや見栄だけで小学校受験を強行することは、子供の個性の芽を摘むことにも、つながります。

そのあたりを両親でよく話し合い、「なぜ小学校を受験させたいのか？」ということを、考えておいてください。

学校を選ぶ上で、「子供に合う小学校」であることは、最低限、親が見過ごしてはいけないことなのです。

当たり前のことですが、子供の将来を真剣に考えた末、大学までエスカレーター式の小学校を選ぶ親もいらっしゃいますし、先々で中学受験を考えているからこそ、小学校時代から勉学に熱心な私立小学校、国立小学校を選ぶという厳しい親もいらっしゃいます。その方針は様々です。

子どもがまだ小さいこともあり、最終的な決定権は親にあることは、どうしても否めません。一番肝心なのは、子供の将来を見つめたときに、「何が一番良い選択なのか？」を徹底的に親が精査できているかどうか？ということです。

親の責任という言葉を使えば、子供の将来を決定づける基礎部分の小学校を選ぶのは”親の大きな責任”になるのです。

受験をされるご家庭の中には、大学付属校に入学させて、ある程度自由度の中でのびのびとした小学生時代を過ごさせたいと、考える親もいます。一方で有名私立大学への切符として、有名小学校に入学させて、その後も中高と難関校に進学し、最終的には有名私立大学、国立大学進学へのレールを敷く、という意味を持たせることが理由の親も、多くいらっしゃいます。また、良い学校環境の中に大切な子供を入学させて初等教育を完璧な環境で過ごさせたいという、親心も見え隠れするのです。いずれの理由も、筋が通っているものばかりです。

これが親としてのニーズであり、小学校受験が存在する価値でもあるわけです。

特に私立小学校の場合には、学校独自の教育理念を強く確立させているものです。それゆえに、教員も精鋭な人材が多く、いま世の中で言われているような団塊の世代の引退による公立小学校の教育レベルの低下、という側面は見えなくなっているのです。これが、小学校受験を決めた大きな理由と面接時に話される親も案外と多いのです。とにかく、ベストな環境の中で小学生時代を過ごさせたいという親の願いを叶えるためにも小学校受験には意味があるわけです。

「子供なのに勉強ばかり可哀想」という批判的な声を挙げる人はどうしてもどの世界にも存在します。行き過ぎたお受験戦争や、親のお受験熱などを取り上げているマスコミなどは、ごく一握りの父兄を取り上げて大きく報道しているだけ、とある程度はクールに捉えてください。

きちんと小学校受験に向き合う姿勢を親が学び、子供がそれについていく形を取れば、少しも無理をさせていることにはならないのです。お受験をすることで、子供が負担に感じ、勉強自体を嫌がるようなケースになってしまうのは、親があまりにも小学校受験のノウハウを知らなすぎるからなのです。これは塾の講師と手を携えて前に進むべきことでもあるのです。

そういう意味では独学で小学校受験に臨むのは、なかなかハードルが高いと言わざるを得ません。

外野の声がどうであっても、親が信念を貫き、子供に愛情を持って接している以上、必ず何らかの結果は導けると信じてみてください。

まずは両親が、それぞれに小学校受験に対してのビジョンをしっかりと持ち合わせることから始めることが大切です。そして何より、自分の子供に対してたくさんの愛情を表現することを、忘れないでおきましょう。