「叱らない育児」とは?「何も言わない育児」ではない!?そのポイントを解説
そもそも「叱らない育児」って何?ついつい「ダメ!」って言ってない?
子どもが「ダメ」と言ったことを何度もしてしまう。繰り返し伝えているのに、中々行動に移さない。 そんな時、ついつい「○○したらダメでしょ!」「言うことを聞きなさい!」などと言ってはいませんか?
「叱らない育児」とは子どもの行動に対して、親が感情的に怒鳴ったり怒ったりせず、冷静に親の思いを伝えることです。ここでポイントなのが、ただ「叱らない育児」が「何もしない育児」とは違うということです。では、どのようなことを実践すると「何もしない育児」にならないのでしょうか?
今回は、「叱らない育児」が成功するポイントをご紹介していきます。
「何もしない育児」とはいったい?ほったらかしではない!
「何もしない育児」とは、子どもが気になる行動をしているときに、何も言わず放っておくことではではなく、一度冷静に子どもの行動の背景を親が考え、感情的に叱らないことです。落ち着いて子どもの行動の背景を見つめることによって、子どもがなぜそのような行動をとったのか理解することができます。
親から見ると叱りたくなる行動の裏には、子どもなりに考え、誰かのためを思った行動だったのかもしれませんし、単純に子どもならではの無邪気な行動だったということもあります。そのため、感情任せに子どもを叱るのではなくて一旦冷静になり、どうして子どもがそのような行動をしていたのか考えるようにしましょう。
子どもの目線に立って子どもの行動を考えることによって、子どもの思いに気付けたり、寄り添ったりすることができます。
「叱らない育児」を成功させるための3つのポイント
では、「叱らない育児」はどのようなことをすれば成功するのでしょうか?
子どもの思いを汲み取り、叱らないだけでは「何もしない育児」になってしまうのでは?と気になるところ。実際に何を実践していけばいいのか、「叱らない育児」を成功させるためのポイントを3つご紹介します。
ネガティブ発言をポジティブに言い換えよう!
ついつい子どもに「ダメダメ」と言ってはいませんか?「ダメダメ」が子どもの中で蓄積してしまうと、子ども自身が「自分はダメな子どもなのかな」と思い込んでしまったり、「どうせダメって言われるのかな」とネガティブ思考になってしまったりします。
また、否定的な言葉で子どもに伝えていないでしょうか?
例えば、「○○ちゃんは本当にダメね!」「○○したらダメって言ったでしょ?」「○○もできないの?」などと伝えてはいませんか?
親自身も、誰かに自分の思いを否定されてばかりではやる気が起きないですよね。子どもも同じです。子どもを叱りたくなっても、感情的になり否定的な発言をするのではなく、子どもの思いを一度受容して、前向きな言葉に置き換えて子どもに伝えることが大切です。
伝え方一つで、叱ってばかりの親の印象が変わってきます。また、子どもがより成長するきっかけになります。「○○しようとしてくれたんだね」と一度受け止め、伝え方を少し工夫して伝えてみることがポイントです。
また、子どもにはそれぞれの成長に合わせた発達段階があるため、今の発達段階でできることと、そうでないことがあります。子どもがまだできないのにも関わらず、「どうしてできないの?」「何度も言っているでしょ!」と繰り返し叱っていては、親も子どもも苦しくなるもの。 子どもの行動を否定的に伝えるのではなく、より子どもが理解しやすい言葉にして伝え方を変えてみたり、能力が育つまで待ってみたりするのも一つの方法です。
改善されたことやできていることをしっかり褒める!
子どもに何か伝えたい時には、「○○ちゃんは○○したかったのかな?」と子どもの行動や思いを言葉にしてみるのもポイントです。子どもの行動をただ頭ごなしに叱り、何もせずに放っておくのではなく、言葉にしてみることで、子ども自身もどうしてその行動をしたのかを一度見直すことができます。
また、「そういう時は○○してみようか」などとその行動を改善する方法を合わせて伝えることで、子どもと一緒に改善策を見つけることができます。
次に大切なのが子どもの行動が改善された時、その行動をしっかり褒めることです。改善しても親に褒めてもらうことができなかったら、子どもは自分のことをきちんと見てくれていないのだと感じます。そして、子どもは叱られるような行動を繰り返し、親は叱り続けるようになり、どちらにとっても悪循環です。そのため、子どもが伝えたことを改善できていたら「○○できるようになったんだね」としっかり褒めることが大切です。
その他にも、日常の中で些細なことでもよいので子どもが頑張っている姿や、成長した姿をしっかり見つけ、その姿を認めきちんと言葉に出して褒めることが大切です。頭の中では子どものできるようになったことを理解していても、それを実際に言葉にして子どもに伝えていないと、子どもには伝わりません。親が子どもをしっかり褒めることによって、子どもの自己肯定感を育てることができます。
子どもの思いにしっかり耳を傾けて寄り添う!
子どもは大人が忙しそうにしていると、伝えたいことも伝えられなくなります。子どもが幼稚園や保育園で感じたことなど、伝えたいことはたくさんあるはずです。
家事や育児が忙しくて、「後にして」「ちょっと待ってね」などと言ってはいませんか?忙しい毎日ですが、一日の中で子どもと向き合う時間を少しでも確保し、子どもの思いや気持ちにしっかり耳を傾けるようにしましょう。
叱るという行動の裏側には、親が子どもの話に耳を傾けていない、ということが多くあります。子どもに寄り添い、子どもの気持ちを受容することで、親と子どもは信頼関係を形成することできます。
「叱らない育児」に大切なのは土台作り!
「叱らない育児」には、叱らないための土台作りが大切です。子どもを叱る行動の背景には親の関わり方が原因だということもあります。
子どもは親の注意をひこうとしている
子どもは自分のことを親が見てくれていないと感じると、わざと親に叱られる行動をして注意をひこうとします。子どもは注意をひいて、親に叱られることによって親が自分のことを見てくれて構ってもらえると感じるのです。
また、子どもはいいことと悪いことの区別がつかず、叱る理由になる行動が悪いことであると理解できていない場合もあります。「これをしたらママが反応してくれる」「なんだか、わ~って言っているなあ」と面白がっていることもあります。子どもがしてもいいことと、してはいけないことの区別がついていないのにも関わらず、叱ってばかりいても意味がないのです。子どもを叱る前に、子どものことをしっかり気にかけていたかどうか、構えていたかどうか、親自身の行動も見直すことが大切です。
落ち着ける場所を作る
子どもが自分の思うようにいかず、かんしゃくを起こしたり、泣き叫んだりした時に子どもが落ち着けるコーナーを家の中に設けておくのも一つの方法です 。
例えば「休憩コーナー」「秘密基地」など、子どもと相談してネーミングします 。一緒に名前をつけることで、子どもにとってもその場所が親しみの持ちやすい場所になるからです。何か嫌なことがあったら「秘密基地に行って相談してみようか」などと声をかけます。そこで落ち着いて話してみることで、親も子どもも冷静に話し合うことができるでしょう。
さいごに
子どもの行動をついつい感情的に叱ってしまうこともありますが、それは子どもにとっても、親にとってもいいことはありません。日々の日常から子どもの姿をしっかりと見つめ、時には子どもの目線にも立って、子どもと関わることが大切です。「叱らない育児」は親が子どもへの関わり方をほんの少し変えてみることで成功します。まずは、目の前の子どもに些細なことで褒めてみることから始めてみませんか?伝えたいことを否定的な言葉ではなく前向きな言葉に置き換えることはすぐにでも実践できます。
「叱らない育児」は「何もしない育児」ではありません。 ポイントを押さえ、親も子どももハッピーな「叱らなくてもいい育児」に変えてみてはいかかでしょうか?
参考サイト
- 育ちのツボ|{叱らない育児の勘違い!子育ての秘訣3つ}({https://www.city.sanuki.kagawa.jp/wp-content/uploads/2021/06/r507tubo.pdf})