幼児期にクラシック音楽に触れる効果とは?はじめてのクラシックにおすすめの曲や絵本もご紹介
幼児期にクラシック音楽に触れる効果とは?
「クラシックの曲を聴くと頭が良くなる」「モーツァルト効果」という言葉もあるほど、クラシック音楽は子どもの育脳に良いといわれています。
クラシック音楽に触れることでどのような効果が期待できるのでしょうか。5つの主な効果をご紹介します。
音感やリズム感を育む
クラシック音楽を聴くことで得られる効果のひとつ目は、音感やリズム感を育めることです。クラシック音楽には、日常生活ではあまり耳にすることのない音がぎゅっと詰まっています。耳が発達する幼児期から、深い響きやさまざまな種類の音、リズムのある音楽を聴き続けていると、体に自然と音感やリズム感が染みついてくるのです。
言葉の発達を促す
クラシック音楽は、言葉の発達を促すことにもつながります。子どもは生まれて数カ月すると、ママやパパの声のほうに顔を向けたり、周りの音に敏感に反応して泣き出したりなど、音をしっかり聞いて聞き分けようとしますよね。
実は、言語能力の向上には音を聞き分ける力が大きく影響するのです。聴力が急激に成長する幼児期に、さまざまメロディやリズムのクラシック音楽に触れて聞き分ける力を養えば、言葉の発達にも良い影響を与えてくれるでしょう。
豊かな感受性が育つ
感性や直感を司る右脳が優位に働く幼児期は、考えるよりも見聞きしたことを素直に感じとる感覚的な能力に長けています。クラシック音楽には日本語の歌詞がないため、子どもは、「音」からさまざまな景色や気持ちを想像するでしょう。音楽の楽しさを知ることで、豊かな感受性が育ちやすいといえます。
コミュニケーション能力が発達する
クラシック音楽を聴くときに「リトミック」という音楽教育法を取り入れれば、コミュニケーション能力を育むことができます。リトミックとは、グループで会話をしながら自由に体を動かして音楽を表現すること。表現力が身に付くのはもちろん、人と関わりコミュニケーションを図る経験にもなります。協調性や社会性を養うことにもつながるでしょう。
ストレスが軽減される
子守歌を聴いて子どもが安心して眠れるように、クラシック音楽の美しい旋律や繊細な音色にも、安らぎと癒しの効果が期待できます。自律神経が未発達な幼児期はストレスを感じやすいといわれていますが、ストレスをストレスだと感じることができず、パパやママに言葉で伝えることが難しい場合もあるでしょう。
クラシック音楽に聴くことで、そんな言葉にできないストレスを軽減させることができるといわれています。
子どもにクラシック音楽を聴かせる際に気をつけること
胎教や育脳に良いといわれているクラシック音楽ですが、聴かせるだけで必ずしも良い効果が得られるわけではありません。ここでは、幼児期の子どもにクラシック音楽を聴かせる際に注意したいポイントをご紹介します。
0、1、2歳児には明るく穏やかな曲を選ぶ
クラシック音楽には、不安になるような暗い曲やびっくりするくらい激しい曲、怖い雰囲気の曲などさまざまな曲があります。0、1、2歳の小さな子どもに聴かせる場合は、明るく楽しい曲やゆっくり穏やかな曲を選ぶようにしましょう。
タイトルのうしろに「~長調」と書かれているもの、「愛」「春」などのキーワードがある曲がおすすめです。また、突然「ジャーン!」と音が大きくなるような強弱が激しい曲は、刺激を与える可能性があるため、なるべく音量が一定の曲を選んでみてください。
コミュニケーションを大切にする
クラシック音楽を聴く際は、子どもがより安らぎを感じながら過ごせることが重要です。「ただ音楽を流す」だけではなく、パパやママもいっしょになって体を揺らしてみたり、「きれいな音だね」「楽しいメロディだね!」と声をかけたりなど、コミュニケーションを大切にしながら過ごすことを心がけましょう。
無理せず続ける方法を見つける
「大変だけど子どもに音楽を聴かせなければ」と義務感を持つ必要はありません。大切なのは、パパやママもいっしょに音楽を楽しむことです。忙しいときに無理して聴かせるのではなく、「休日の朝だけ」「寝かしつけの少しの時間」など、日常生活のルーティンの中に無理なく続けられる方法を見つけてみてくださいね。
幼児期に聴かせたい!おすすめのクラシック音楽4選
ここからは、幼児期の子どもにおすすめのクラシック音楽4曲をご紹介します。
きらきら星 変奏曲/モーツァルト
子ども向けのクラシック音楽として定番のモーツァルトの名曲「きらきら星変奏曲」。ドドソソララソ~で始まるやさしいメロディが有名です。メインとなる主旋律はそのままで、リズムを変えたり、装飾音をつけたりなど曲調が変化するのが魅力。シンプルで親しみやすいメロディなので、歌詞をつけて子どもといっしょに歌を歌うのもおすすめですよ。
ピアノ・ソナタ第11番イ長調/モーツァルト
「ピアノ・ソナタ第11番」はモーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も有名な楽曲です。
ゆったりとした曲調から徐々にテンポが速くなっていくので、最後まで飽きずに聴くことができるでしょう。第3楽章には「トルコ行進曲」があり、リズム感たっぷりで飛び跳ねるようなピアノの音色を楽しめます。
カノン/パッヘルベル
結婚式や卒業式でよく使われることが多い「カノン」は、明るく華やかな楽曲です。ひとつのメロディを複数のパートが追いかけながら進んでいく演奏様式で、曲が進むにつれリズムが複雑になり、より華やかなメロディへと変換されていきます。全体的に落ち着きのある曲調のため、赤ちゃんや小さな子どもも安心して聴くことができるでしょう。
G 線上のアリア/バッハ
クラシック音楽の中でも人気の高いバッハの名曲「G 線上のアリア」。G線とは、ヴァイオリンの4本の弦のうち最も低い弦を指し、G線上で演奏される美しいメロディが魅力的な楽曲です。温かみのあるゆったりとしたメロディなので、子どもといっしょにのんびり過ごしたいときや寝かしつけのときにもおすすめですよ。
親子で楽しめる!クラシック音楽の絵本3選
つづいて、クラシック音楽の定番曲などが楽しめる絵本をご紹介します。
どうぶつたちのオーケストラ モーツァルトをかなでる
クラシック音楽を聴きながら作曲家たちについて学べる楽しいしかけ絵本シリーズ「どうぶつたちのオーケストラ」。絵本の中の丸いマークを押すと音楽が流れるしかけで、収録曲は一冊につき5曲です。
「はじめて作曲をした年齢は?」「好きなことはなに?」「全部で何曲くらい作ったの?」など、作曲家たちのことを知れば知るほど、音楽をより身近に感じることができる一冊となっています。
頭のいい子が育つクラシックの名曲45選
こちらは音楽CDが2枚ついた絵本です。モーツァルトの「トルコ行進曲」をはじめ、ショパンの「子犬のワルツ」、ベートーヴェンの「運命」などクラシックの定番曲が45曲収録されています。絵本のページでは、曲の世界観をやさしい文章とイラストで解説しているので、音楽を聴きながら親子で絵本を楽しむことができますよ。
ヴィヴァルディの四季 1日で楽しむ四季
季節の移り変わりを一冊の中で体験できる絵本です。それぞれのページにある音符のマークを押すと、ヴィヴァルディの「四季」が流れ、色鮮やかなイラストとともに春の芽吹きや夏の暑さなどを感じられます。四季を知るきっかけにもなる一冊です。
【体験談】クラシック音楽を聴かせてみた!
前項でご紹介したCD付絵本「頭のいい子が育つクラシックの名曲45選」をAmazonで購入したので、実際に筆者の2歳の娘といっしょにクラシック音楽を聴いてみることにしました。
まず、なんといってもこの絵本は絵が素晴らしいんです!特に娘は「きらきら星変奏曲」のイラストが気に入ったようで、絵を指しながら「星だね~!にゃんにゃんだね~!」と楽しそう。筆者は絵本に合わせてCDをかけました。
はじめて聴くクラシック音楽に娘がどんな反応をするのかドキドキワクワク。「2歳でちゃんと聴いてくれるのか?」と不安な気持ちもありましたが、音楽が流れた瞬間、娘は「わぁ!」と笑顔になり、音楽に合わせて体を左右に揺らし始めたのです。
「トルコ行進曲」では絵本のピアノのイラストに手を置いてピアノを弾くまねをする場面も。曲調が盛り上がってきたら音楽に合わせてジャンプをしたり足踏みをしたりとても楽しんでいる様子でした。
忙しく過ごしている毎日ですが、たまには親子で音楽を聴きながらゆっくりと過ごす時間も大切だなと改めて感じた筆者。これからも無理のない程度に子どもといっしょにクラシック音楽を聴く時間を取り入れていけたらと思います。
さいごに
豊かな心を育てるために幼児期から触れておきたいクラシック音楽。言葉の発達を促したりストレスを軽減させたりなど、さまざまな効果が期待できます。子どもの意外な反応を見るきっかけにもなるでしょう。
「どんな曲を聴かせようかな?」と迷っている方は、ぜひ今回ご紹介した曲や絵本を参考にして、子どもといっしょにクラシック音楽を楽しんでみてくださいね。
参考サイト
- コエテコ |赤ちゃんにクラシック音楽を聞かせるとどんな効果がある?おすすめ曲も
(https://coeteco.jp/articles/12579#content_4)