民間学童のメリット・デメリットは?公立学童とはどう違う?
民間学童と公立学童は何が違う?
学童保育とは、放課後や長期休暇に保護者が子どもの面倒をみることが難しい場合に利用できる保育事業のことをいいます。一般的に学童保育は小学校1年生から6年生までが対象となりますが、一部の施設では小学校中学年までという制限が設けられている場合もあるようです。
そんな学童保育には、民間と公立の2種類がありますが、どのような違いがあるのか気になりますよね。
設置者
公立の学童保育は、その名の通り自治体が設置を行います。そのうち運営自体も自治体が行うのが「公設公営」の学童保育、運営を民間業者に委託しているのが「公設民営」の学童保育です。
公立の場合、運営が自治体であっても民間業者であっても、税金によって運営され、その内容には大きな違いはないといいます。一方、民間の学童保育は、民間企業やNPO法人などによって設置・運営され、その運用には利用者からの利用料が当てられます。
開所時間
学童保育の開所時間は施設によって異なりますが、公立の場合平日は18~19時頃まで、休日は8~18時頃までが目安となります。そのため残業などによってお迎えの時間に間に合わないときは、祖父母に頼ったり、ファミリーサポートなどを活用したりする必要があります。
一方民間の学童保育では延長保育を行っているところも多く、なかには22時頃まで預かってもらえる施設もあるようです。
保育内容
公立学童保育では、宿題を済ませ、おやつを食べたあとは主に自由時間となります。小学校の敷地内に設置されている施設では、室内はもちろん校庭で遊ぶこともできるでしょう。なかには、レクリエーションの時間を設けている施設もあるようです。
民間学童保育の場合、公立と比べてカリキュラムが充実している傾向があるといいます。宿題のサポートだけでなく、学童保育中に習い事のレッスンを受けられるところも。また農業体験やアウトドア体験などのイベントが設けられている施設も珍しくないようです。
さらにおやつに加え、夕食の提供サービスを実施しているところもあるので、仕事でお迎えが遅くなってしまっても、子どもを空腹のまま待たせずに済むのがうれしいですね。
利用料金
公立の学童保育の利用料金は、月に4000~1万円程度と低額に設定されています。運営する自治体によっては、生活保護受給世帯や母子家庭世帯などを対象に、利用料減免制度や助成金制度などが設けられているケースもあります。
一方民間学童保育は、月に2~10万円程度と利用料金は高額になります。また別途入会金などの費用が発生することも多いため、事前に確認しておくといいでしょう。
民間学童のメリット
民間学童を利用すると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか?
習い事ができることがある
民間学童では、施設によってさまざまな教育カリキュラムが用意されていることがあります。また習い事の種類が豊富なところも多く、英会話やプログラミング、そろばんなどの学習系から体操教室などのスポーツ系、絵画造形教室などの芸術系とさまざまな習い事を選べるのが嬉しいですね。
普通の習い事であれば、それぞれ別の教室への送迎が必要になりますが、学童内であればそうした手間がかからないのが大きな利点となるでしょう。また学童内のいろいろな習い事の体験レッスンを利用すると、子どもの興味のあるものが見つかりやすいかもしれません。
送迎サービスが利用できることがある
一般的に公立学童の場合は、子どもが自分の足で通うことが前提となります。そのうえで、帰宅時間が遅くなるときは保護者の迎えが求められるでしょう。そのため、子どものお迎えの時間に間に合うためには、職場から学童までの移動時間も含めて調整することが必要になります。
一方民間学童では、送迎サービスを行っている施設も少なくありません。自宅だけでなく、近隣の駅や祖父母宅、保護者の職場など、送迎場所に関しても臨機応変に対応してもらえることも多いでしょう。
また学童外で習い事をしている場合、習い事の時間になると学童を中抜けして教室までの送迎をしてもらえることも。学童と習い事を両立しやすいというのはありがたいですね。
保育時間が長い
先程もご紹介した通り、民間学童は公立学童に比べて保育時間が長いところが多いです。そのため、就業時間が遅かったり、変則的だったり、残業があったりする場合、お迎えの時間を気にせずに仕事に集中できるというのは大きなメリットといえるでしょう。
入所制限がない
公立学童の場合、入所の是非に関して保護者の就労時間などに制限が設けられており、特定の条件を満たしていなければ入所資格を得ることはできません。そのため、在宅仕事や介護、病気療養などを理由に入所を希望しても、希望が通らない可能性もあります。
民間学童の場合は、入所規定が設けられていない施設が多いため、家庭の状況にかかわらず入所しやすいでしょう。しかし一部の施設では「運営する社員の子どもであること」などといった条件が設けられていることもあるので、前もって確認しておいてくださいね。
ただし人気の施設の場合、先着順で入所が決まってしまうこともあるため、早めの申し込みをおすすめします。
民間学童のデメリット
民間学童にはさまざまなメリットが期待できますが、一方で下記のようなデメリットに注意が必要です。
費用が高い
施設や利用状況によってかかる費用は大きく異なりますが、民間学童では公立学童よりも高額な利用料金が必要になります。習い事をする場合はその月謝や入会金なども別途必要になることもあるため、注意しましょう。
さらに夏休みなどの長期休暇中は、保育時間が長くなることからその分料金も上がるため、具体的にどのくらいの費用が発生するのか、入所前にきっちりと確認しておかないとあとになって後悔することになるかもしれません。
ほかにも「延長料金はどのくらいかかるのか?」「夕食をお願いするときの費用は?」「送迎サービスに追加料金は発生するのか?」なども、忘れずにチェックしておいてくださいね。
学校から距離がある
公立学童の場合、小学校の施設内に設置されていることも多いため、通所の手間は少ない傾向にあります。しかし小学校から離れたところにある民間学童を利用する場合、通所が子どもにとって大きな負担となってしまうことも。
子どもが無理なく通える距離にあるかどうか、そうでない場合は小学校へ迎えにきてもらえるかどうか確認しておくと安心ですね。
教育の質に差がある
民間学童では、独自の教育カリキュラムを設けている施設も多いといいます。しかしその内容は施設によって大きく異なるため、なかにはあまり効果が期待できないことも。子どもとの相性や教育の質を見極めるためにも、説明会だけでなく、実際の保育現場の見学を行うことをおすすめします。
さいごに
民間学童は公立学童よりも高額な費用が掛かりますが、その分多様なサービスを受けられることが大きな魅力となります。民間学童への入所を検討する場合「費用を無理なく支払うことができるか」「保護者の就労時間など家庭の都合に合わせて利用できるか」「子どもに合った雰囲気か」などを考慮したうえで、検討してみてはいかがでしょうか?
また施設や設備の安全性・快適性や習い事の種類・教育カリキュラムについても吟味したうえで、子どもに合った施設を探してみてくださいね。