スモールステップで子どものやる気を引き出そう!メリットと実践のポイント
スモールステップとは?
漠然とした大きな目標を達成するのは、大人でもなかなか難しいものですよね。「もうできない」と途中で投げ出してしまったり、なかなかやる気を出せなかったりすることもあるでしょう。
しかし大きな目標を達成するまでの過程を細かいステップに分け、階段を一段ずつあがるように着実にこなしていけばどうでしょうか?目標までの道筋が明確になり、達成へ近づいていることを実感できることで、モチベーションを維持しやすくなることでしょう。
そうして目標を細分化し、ひとつずつクリアしていくメソッドが「スモールステップ」です。スモールステップは、もともと行動分析学の祖といわれているアメリカの心理学者バラス・スキナー が、プログラミング学習の原理のひとつとして提唱したのだといわれています。
スモールステップは子育てや教育以外にも、ビジネスやスポーツ、心理療法などさまざまな分野で活用されており、その汎用性も大きな魅力の一つといえるでしょう。
メリット
スモールステップの大きなメリットは、やる気を維持しやすい点だといえるかもしれません。小さな目標を細かに設定することで、ゲーム感覚でひとつずつステップをクリアできそうですね。
そうして小さな成功体験を多く積み重ねていくことで自信がつき、自己肯定感を高めることにもつながるかもしれません。また「褒める」「シールを貼る」などステップごとに小さなご褒美を用意しておくと、より効果が期待できるのだとか。
また目標までの過程を細分化することで「どこでつまずいているのか」把握しやすいといいます。目標が大きすぎると「わからないところがわからない」状態に陥ってしまうことも多く、どこが苦手なのかさぐることから始めないといけませんが、スモールステップならスムーズに対処法を考えられるのではないでしょうか?
また物事を教える側からしても、相手の理解度や苦手分野、全体の進捗状況などを把握しやすいため、指導しやすいのだそうです。
子どもへのスモールステップ実践のポイント
子育てでスモールステップを実践するときは、どのようなポイントを意識すればいいのでしょうか?
最終目標を決める
まずは最終的にどのようなゴールを目指すのか、明確にしておくことが必要だといいます。具体的な最終目標が決まっていなければ、達成までの過程を細分化することも難しいでしょう。
子どものレベルにあわせて細分化する
一つ一つのステップを設定するときは、子どもの成長や発達に合わせて、無理なく達成できるかどうかチェックすることが大切だといいます。目安のひとつとして、30分以内に達成できるかどうかを意識してみてもいいですね。
一つのステップが難しすぎると、なかなか達成できずに子どものやる気を損なってしまうかもしれません。もしも設定したステップに子どもが苦戦していれば、より細分化してみてはいかがでしょうか?
一つずつこなす
ステップを細分化したら、一つずつ着実に達成できるよう促してあげてくださいね。複数のステップをまとめて達成させようすると、子どもの混乱を招いてしまう可能性が懸念されます。
小さなご褒美を用意する
子どもがひとつステップをクリアするごとに、小さなご褒美を用意してみてはいかがでしょうか?ご褒美があることで、子どものやる気をより維持しやすくなるかもしれません。
ご褒美というとおもちゃやお菓子などの「物」のイメージがあるかもしれませんが、褒め言葉やスキンシップなどでも十分に効果が期待できるといいます。
子どもへのスモールステップ実践の注意点
子どもにスモールステップを実践するときは、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか?
子どものペースを尊重する
新しいことに挑戦するのは、大人にとっても子どもにとっても容易ではないはずです。そのため、なかなか上手く進まなくても焦らず、子どものペースを大切にしてあげましょう。
否定的な声かけをしない
なかなか次のステップに進めないときなど「どうしてこんな簡単なことができないの!」などと子どもを責める言葉が口をつくこともあるかもしれません。しかしそうした否定的な声掛けは、子どもの自信ややる気を奪ってしまいかねないため注意が必要です。
ステップの達成が難しい場合は、子どもに無理のないよう、改めてステップの細分化をしてみてはいかがでしょうか?
強要しない
スモールステップを実践するとモチベーションを維持しやすいといいますが、タイミングによってはどうしてもやる気をだせないこともあるかもしれません。そんなときは無理強いせず、子どものやる気が出るまで時間を置いてもいいのではないでしょうか?
やりたくもないことを無理強いしてしまうと、苦手意識を植え付けたり、さらなるモチベーションの低下を招いたりする可能性も懸念されます。子どもにやる気を出してもらいたいときは、子どもの負担にならない範囲で、興味を引けるよう声掛けをしてみてもいいですね。
さいごに
大人にとっては簡単なことでも、子どもにとって難しいことはたくさんあります。大人の基準ではなく、子どものペースを意識してステップを細分化することで、着実に最終目標へ近づくことができるのではないでしょうか?
また子どもが困っているとつい助けたくなるかもしれませんが、過度な手出し・口出しは控え、子どもの成長に合わせて適度なサポートを心がけることが大切なのかもしれません。