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忘れ物をする子どもの特徴や対策とは?親ができるサポートについて

廣澤京子
2023/03/17 01:03
子どもの忘れ物が多い原因は、性格的なものや環境的なものなどさまざまです。忘れ物をしないように親がとる行動が、子どもが成長できる機会を実は奪っているかもしれません。忘れ物が多い子どもの特徴や、忘れ物をした際に親がしてはいけない行動について紹介します。忘れ物を減らすための工夫についても解説していきましょう。

子どもが忘れ物をしてしまう理由とは?記憶の特徴について

忘れ物は誰でもするものですが、「最近子どもの忘れ物が増えている…」と感じることはありませんか?そんな時は、いつから忘れ物が増えたのか、振り返ってみましょう。忘れ物が増えたのが準備を親と一緒にしなくなってからであれば、子どもが準備の仕方をうまく学べないまま失敗を繰り返している可能性があります。

原因として、子どもは「ワーキングメモリ」が十分に発達していないことも挙げられます。ワーキングメモリは、一時的に情報を記憶して、同時に物事を処理する脳の働きのことです。子どもは、大人に比べてワーキングメモリが育っていないため忘れ物に繋がる可能性があります。

忘れ物が多い子どもの特徴とは?

忘れ物が多い子どもの特徴として、整理整頓が苦手な場合があります。ランドセルや机の中、部屋などが散らかっていたり、物が多くて溢れていたりする状態であれば、忘れ物が多くなるかもしれません。

また、忘れ物が多い子は、スケジュール管理が苦手な傾向にあります。いつまでに宿題を終わらせようと計画を立てられたとしても、そのために毎日どのくらい進めればいいかの逆算をすることが苦手です。

他にも、「後でやる」と言うのが口癖の子も、忘れ物が多い場合があります。すぐに行動に移せる子は準備もあらかじめ行えますが、やるべきことを後回しにしている子どもは事前に準備をすることが多くなり、足りないものや親に伝え忘れていることなどが増えていきます。

忘れ物が多いのは発達障害の可能性がある?

子どもの忘れ物が多く集中力がないと、ADHDなどの発達障害を疑うかもしれません。ADHDは、多動性障害や注意力欠如などと呼ばれていますが、集中力が続かない、不自然に動き回り落ち着きがない、後先考えずに衝動的に動き回るなどの特徴があります。

これらの特徴は、ワーキングメモリが弱い際の症状に似ており、発達障害と関連があると考える専門家もいます。とはいえ、忘れ物が多いからといって発達障害であるとは言い切れません。子どもの様子をよく見ながら、忘れ物を減らすためにできることを次項で紹介します。


株式会社 朝日新聞社|子どもがよく忘れ物をするのはなぜ? 原因は「脳の中の黒板」、記憶を定着させるポイントは|学習と健康・成長|朝日新聞EduA(https://www.asahi.com/edua/article/14562157


忘れ物を減らすためには

忘れ物が多い子は、自分で忘れ物を減らせるための方法が分からずに悩んでいる可能性もあります。忘れ物を減らすためにできる3つの方法について紹介しましょう。

規則正しい生活に◎ライフスタイルを見直す

子どもの忘れ物を減らすために、生活習慣を見直すことが大切です。例えば、寝る時間が遅いと、朝に準備する時間や忘れ物チェックする時間を十分取れないことがあります。生活習慣の中で、準備する時間が入っていないと、家を出るギリギリに慌てて行う…なんてことにつながります。

準備は前日に余裕を持って終わらせておくことが大切です。準備時間を生活のサイクルの中に入れこむことで、時間的にも精神的にも余裕が生まれて、問題の解決に繋がるでしょう。

情報や、物の整理を行う

子どもが情報や物の整理ができていないときは、片付けのルールを設けることが大切です。学校に必要な教科書やノートを決まった場所に置くなどの工夫をすれば、準備する際にそこの場所だけで完結できます。ランドセルの中でプリントがぐちゃぐちゃになっている場合は、帰ったらランドセルの中身は全部出すなどのルールを決めておくといいでしょう。教科書やプリントをいつも同じ場所で管理すれば、どこに置いたか分からなくなることもなくなります。

気が散って集中できないタイプの子であれば、子ども部屋のおもちゃやゲームなどを1カ所に集めてカバーなどで見えないようにするなど、物の整理を工夫するといいでしょう。

肯定的な声掛けをする

子どもの忘れ物を減らすためには、叱るだけではなく褒めることも大切です。叱られるばかりだと、子どもはやる気や自信がなくなり逆効果になります。「忘れ物をしちゃだめ!」と否定的な言葉ばかりではなく、「提出するプリントは必ず持っていこうね」など肯定的な言葉をかけるのがおすすめです。

肯定的な言葉をかけられると、子どもの心にも余裕が生まれます。子どもの様子をしっかりと見てから言葉を選びましょう。

忘れ物が多いわが子に親がしてはいけないこと

子どもが忘れ物をした際に、親ができることはどんなことがあるのでしょうか。同じ失敗をしないように、次の日の準備物を親が行うべきなのか、子どもが反省できるように何もせずに見守るのがいいのか、どちらが子どものためになるのか判断が難しいところです。ここでは、忘れ物が多いわが子に親がしてはいけないことについて解説していきましょう。

親が忘れ物を学校まで届ける

子どもが忘れ物をしたら、親が学校まで忘れ物を届けることは控えましょう。忘れ物をしても、「親が届けてくれる」と子どもが思うようになると、忘れ物をすることが習慣になってしまいます。その結果、忘れ物をなくすという意識改善から大きく遠ざかるかもしれません。

持ち物の準備を親がする

子どもの忘れ物が多いと親の方がイライラしてしまい、自分が代わりに準備した方がいいと思ったことはありませんか。子どもの代わりに親が準備してしまうと、子どもが自分で準備する練習ができなくなるので、経験が積みあがっていきません。自分で準備して忘れ物をなくす意識が消えると、忘れ物の責任を親に押し付けがちになり悪循環が生まれてしまう可能性があるのです。

性格の問題と捉えて放置する

子どもの忘れ物が多いことを、「この子の性格だから」と放置するのは止めましょう。たしかに子どもは一人でも新しいことをどんどん吸収して学んでいきますが、自分で解決方法を見つけられないこともあります。分からないまま放っておくと、いつまでも忘れ物がなくならないままかもしれません。

幼児期に記憶力を高める方法

脳の成長は5歳までに8割程度完成するというデータがあります。幼児期は、記憶力を養うのに重要な時期なのです。ここでは、忘れ物を少なくするために幼児期の記憶力を高める方法について解説していきましょう。

親子で会話をしっかりとする

子どもは、大人との会話を通して言葉を覚えます。言葉を聞いたり話したりすることによって五感が刺激を受けて言葉を覚えられるのです。会話する機会を増やすことで、子どもの記憶力が高まり、覚えてほしいことや子どもが興味を持ったことについて積極的に会話するといいでしょう。子どもが疑問をもったことに関して、短い言葉で簡単に教えてあげることで、素早く記憶できます。

ゲームで楽しく記憶力をあげる

記憶力を高めるためには、子どもの集中力と好奇心を刺激する必要があります。子どもが興味を持ってゲーム感覚で楽しめる「フラッシュカード」がおすすめです。これはカードに書かれた絵を子どもに見せたら、素早く絵を隠して、今見た絵を当ててもらうゲームです。簡単に答えられるようであれば、絵だけではなく、絵の色や個数なども聞いてみるといいでしょう。

絵本の読み聞かせを行う

絵本の読み聞かせは、子どもの発語能力を育めます。絵本は絵の情報から言葉のイメージをしやすいため、聴覚だけでなく視覚も刺激でき、子どもが五感を使って楽しめるので記憶力を高めやすいですよ。絵本の読み聞かせを行う際は、優しい声でオーバーにならない程度に抑揚をつけるのがポイントです。子どもに絵をしっかりと見せて絵本は動かさないようにするのがポイントです。子どもに同じ絵本を繰り返し読むと、絵本に出てくる言葉を記憶しやすくなりますよ。  

さいごに

忘れ物が多い子の場合は、その子の性格的なものなのか環境的なものなのか、改善点を見極めることが必要です。親が先回りして、手伝いすぎると自分で学んで成長できる機会を失ってしまいます。子どもの忘れ物がなくなるように親が適切なサポートやアドバイスをしてあげられるといいですね。  

参考サイト

    この記事の著者
    廣澤京子(peekaboo)
    ライター
    やんちゃで甘えん坊な1歳の男の子ママです。はじめての育児に日々奮闘中で毎日ドタバタしています。ママに役立つ情報や楽しい情報をお届けできたらと思います。
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