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絶対に防ぎたい!子どもの不慮の事故。年齢別に多い事故と注意点は?

原のどか
2023/02/24 14:02
子どもの死因で例年上位に挙がる「不慮の事故」。海水浴場での溺水や、マンションからの転落事故などのニュースも後を絶ちません。まだ危険予知能力が低い子どもは、親が安全な環境に配慮する必要がありますが、親が想像もしない行動をとるのも子どもの特徴ですよね。年齢によって起こりやすい事故の傾向と対策を解説します。

不慮の事故とはどんな事故のことをいうの?

1歳~9歳までの子どもの死因で上位に挙げられる「不慮の事故」とは何をさすのか知っていますか?タバコの誤飲や柔らかい布団による窒息、お風呂での溺水など、大人の私たちが思いもかけないような事故や意外な事物による事故のことを不慮の事故といいます。

以前までは予測することがむずかしかった不慮の事故ですが、近年では予測できる事故が多くあることがわかってきました。

不慮の事故は、実は0歳~4歳では家庭内での発生がほとんど!5歳以上でも家庭内で起こることが約半分もあります。

不慮の事故を防止するためには、親が子どもから目を離しても安心で安全な環境を作ってあげることが大切です。特に小さな子どものいる家庭では、そのほとんどの時間を過ごすおうちの中から整備していってあげましょう。


消費者庁|子どもの不慮の事故の発生傾向(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/meeting_materials/assets/consumer_safety_cms205_210305_03.pdf

不慮の事故はどこで起こるの?年齢別事故の傾向と対策

不慮の事故は子どもの成長とともに変化する生活様式に伴って、事故の原因になるものが変わります。子どもの年齢に合わせて事故の傾向をチェックして、安全な環境を作って対策をしてあげましょう。

1歳までに起こりやすい事故と対策

1歳までの年齢での死因は、先天的な染色体異常やSIDSなどの防ぎきれない原因を除くと、不慮の事故が圧倒的に多いです。場所は子どもとよく過ごすリビングや、生活に欠かせないキッチン、お風呂などで多発しています。

リビング

誤飲や窒息の事故に注意が必要な場所です。ボタン電池やタバコなどの赤ちゃんの口に入りやすく直径が39mmより小さいものは、赤ちゃんの手の届かない高さが1m以上ある場所へ置くようにしましょう。

キッチン

テーブルの端に置いてあったコップやケトルなどを倒して火傷してしまうことが報告されています。離乳食が始まる時期になると、お菓子や豆などの食品が喉に詰まって窒息することも。食品は喉をふさがないサイズに切ってあげたり、丸呑みしてもいいように柔らかいものを用意してあげたりするよう心がけましょう。

お風呂

消費者庁によると、子どものなかでも0歳~1歳の入浴中に起こる溺水事故が最も多いそうです。子どもに浮き輪を使って湯船で待機させて髪を洗っている間に溺れたり、浴槽にお湯を残していたところ子どもが入ってしまい溺れたり。子どもは声や音を出さずに静かに溺れていくことが多いので、お風呂に簡単に入れない工夫や少しの時間と油断して目を離さないようにしましょう。

その他

窒息のうちベッド内で窒息する9割が0歳児です。子どものためにと思って使った低反発マットレスやふわふわの掛布団などが原因になることも。硬めのマットや払いのけられる軽さの掛布団を使うなど気をつけたいですね。

また、ハイハイができるようになると階段からの転落も事故原因に挙がり始めます。下りだけでなく、上り口にもゲートをつけるように注意しましょう。

1歳~4歳に起こりやすい事故と対策

徒歩移動ができるようになり、行動範囲が屋内から屋外へと広がる1歳~4歳では、不慮の事故の中でも交通事故と溺水が多くなります。交通事故は2歳以上の年齢では1位の事故で、その割合も年齢とともに増加する傾向があります。歩き回れるようになることで、ベランダや駐車場、移動中の道路などは特に注意が必要です。

ベランダ

2階からの転落で病院へ運ばれる子どもが多く、2階からであっても中等症以上のケガで入院の診断をされている事例がほとんどです。子どもでも動かすことのできるおもちゃ箱や椅子、ソファやベッドなどの大型家具など、踏み台になるようなものを窓際に置かないようにすることが大切ですよ。

水場(浴室、川、海など)

おでかけ先の川や海など、自然の水域での溺水事故が増えてきます。足を浸けるだけの水遊びだからと目を離さないことや、ライフジャケットの着用をさせることなどの対策をしっかりと行って遊ばせることが、安心安全な環境づくりのひとつとなります。目を離している間に浴室まで冒険したり、洗濯機に入ってみたりなど好奇心で動いてしまうことも多い年齢です。部屋には鍵をつけたり、残り湯をしないようにしたりして対策をするとよいですよ。

その他

自転車や自動車に搭乗中はチャイルドシートや自転車専用ヘルメットを着用させるなど、子どもの身を守る装身具は必ず使用しましょう。

はじめて手持ち花火をさせる場合には、正しい遊び方を教えることをお忘れなく!もしライターを使用するのであれば、子どもが簡単に操作できないようにチャイルドレジスタンス機能の付いたものを使用すると安心ですね。

3歳~6歳に起こりやすい事故と対策

幼稚園や小学校に入学するなどの社会との関わりが増える頃になると、大人のまねをすることが遊びになってきます。普段は理解していても、夢中になると危険を判断することは不十分となってしまうので、うちの子なら大丈夫と考えずに指導と注視をしてあげることが不慮の事故を防ぐことに繋がりますよ。

道路

横断するときは横断歩道を使って余裕を持って渡るようにする、急に道路に飛び出さないなど、基本的な交通ルールについて教えておくことが交通事故を減らします。自転車に挑戦する子どもが増えますが、自転車は車のいない所で指導するなど、もしもの事故を減らしましょう。

公園

公園の遊具を使うときに事故になることも報告されています。遊具の安全な遊び方やルールを教えておくようにしましょう。また、虫や動物などにたくさん触れ合うようになったら、虫刺されにも知識を与えるとよいですよ。遊びの中で学習していく年齢なので、親の見守りの中である程度の失敗を経験させることも大切ですね。

小学生以上に起こりやすい事故と対策

小学生になると溺水が不慮の事故の原因で一番多くなります。川や海などでの事故のニュースで取り上げられているのを耳にした方もいるのではないでしょうか。

低学年のうちは溺水に次いで窒息の事故が多く、高学年になると転落・転倒の事故が2位となります。転落のうち7割以上が建造物からの転落で、病院へ運ばれる年齢が高くなればなるほど重症度も上がる傾向があります。一人で判断して動くようになる年齢だからこそ、ひとりでのお留守番や親なしで友達と遊びに行くときには注意しておきたいですね。GPSを持たせたり、ホームセキュリティのカメラを設置したりなど遠隔で見守る機械を活用することも視野に入れるとよいですよ。


消費者庁|子どもの不慮の事故の発生傾向(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/meeting_materials/assets/consumer_safety_cms205_210305_03.pdf

消費者庁|注意喚起 窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!|(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_037/assets/consumer_safety_cms205_200904_01.pdf

もしも事故が起きてしまったら?注意したい対応と応急手当

ここからは、不慮の事故の中でも注意しておきたい対応と応急手当をご紹介します。ご家庭でも一度確認しておくと安心ですね!

誤飲してしまったら

親がどんなに注意していても子どもが誤飲してしまう可能性はあります。飲み込んだものによっては、対応の緊急性が高いものや吐かせてはいけないものもあるので、応急手当の仕方には注意が必要です。基本的には吐かせず、飲み込んだものと同じものを病院に持参しましょう。

応急手当がわからないときは、「119番」「かかりつけの医師」「中毒110番」へ問い合わせてください。

耳や鼻に異物が入ってしまったら?

耳や鼻にイタズラで入ることもあれば偶然入ってしまうこともあるのが異物です。日頃から言い聞かせておくことも必要ですが、もし入ってしまったら以下を試してみましょう。

耳に入ったとき

水であれば自然と治ることが多いですが、虫やビーズ、ボタンなどの異物が入ると取り出すのは困難です。特にボタン電池は体液と反応して人体に悪い影響が多数起こるため、早急に病院を受診しましょう。

鼻に入ったとき

基本的にはクシャミや強く鼻をかむことを試みましょう。ピンセットなどの道具を使用するのは危ないので家庭での使用は避けましょう。異物が出てこない、痛みや出血がある、ボタン電池が入ってしまったなどの場合は早急に耳鼻科を受診してください。

目に異物が入ってしまったら?

異物の種類はさまざまですが、家庭でのケアとしては泣かせて涙で排出させるか、水や目薬で洗い流すとよいですよ。それでも取り除けなかったり、取り除いた次の日にまだ痛がったりするようなら病院を受診しましょう。特に運動場によくある石灰の混ざった砂やトイレの洗浄液などの化学薬品が目に入った場合は、早急な病院の受診をおすすめします。


消費者庁|事故防止ハンドブック(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/assets/consumer_safety_cms204_220322_01.pdf

公益財団法人日本小児科学会小児救急委員会|子どもの事故と対策(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/jikotaisaku.pdf

さいごに

年齢別の不慮の事故と対策、注意しておきたい応急手当についてご紹介しました。大切な我が子を守りながらものびのびと育てていきたいですよね。事故の起こりやすい家庭内の環境整備と子どもの見守りを行いながら、安心安全な子育て環境を整えていきましょう。

参考サイト

    この記事の著者
    原のどか(peekaboo)
    ライター
    お父さんラブな甘えん坊男児と初めての育児に奮闘中の30代転勤族。趣味の「神社仏閣でおみくじを引くこと」を楽しみに、行く先々で家族を連れまわして開拓しています。育児も人生もなんとかなるをモットーに、困ったことも楽しみながら情報を発信していきます!
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