子どもが気をつけたい溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)の予防
感染症とは?
ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、せき、発熱、下痢等の症状がでることを感染症といいます。
感染症には、人からうつる感染症と、人以外からうつる感染症の2種類がありますが、溶連菌感染症は人からうつる感染症で、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つの経路があります。
溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)とは
溶連菌感染症とは、主にA群溶血性レンサ球菌(溶連菌)という細菌によって起こる感染症で、溶連菌は、健康な人の鼻やのどなどによくいる菌ですが、呼吸器や皮膚から感染するとさまざまな疾患をひき起こします。 流行するのは、冬と春から夏にかけです。
代表的な溶連菌感染症に、乳幼児に多く見られる皮膚感染症「伝染性膿痂疹(とびひ)」と、学童期によく見られる急性の咽頭炎「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」があります。
伝染性膿痂疹(とびひ)
水ぶくれができたり、かさぶた(黄褐色の膿)ができたりします。 かゆいため、かいて破れると、飛び火のように移っていきます。草木にかぶれたり、虫刺されなどをひっかいたり、転んだりしてできた傷口から感染します。鼻をさわるくせがある子どもは特に要注意!
溶連菌感染症は、子ども同士だけでなく、抵抗力が弱った大人にも感染し、敗血症、リウマチ熱、腎炎、膠原病などの合併症を引き起こすことがあります。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
急に熱が出たり、のどが痛くなったりと、風邪のような症状がでます。その後、イチゴ舌や紅い発しんが全身に出ることもあります。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
溶連菌が血液、筋肉などに入ると、菌が出す毒素により、最悪、死に至ることもあります。初期には手足が激しく痛み、腫れなどから非常に急激・劇的に進行し、重症な場合は、手足の壊死、ショック症状を引き起こします。そのため「人食いバクテリア」とも呼ばれています。
どのように感染するの?
くしゃみやせきなど、ほとんどは飛沫感染です。感染した人の皮膚から感染したり、経口感染する場合もあります。
溶連菌感染症の予防・対策のポイント
感染症を予防するためにはそれぞれにおいて感染経路を断ち切らなければなりません。以下に溶連菌感染症の予防・対策のポイントを4つあげます。
- 手洗い:流水と石けんで十分に手を洗い、タオルの共用はNG。また、アルコール手指消毒薬も効果があります。
- マスク:せきやくしゃみが出るときは、マスクをつけましょう。もし、マスクをしていないときにくしゃみが出そうになったら、ティッシュで口と鼻をおおい、手のひらで口や鼻をおおってしまったら、すぐに手洗いをしましょう。
- 皮膚の清潔: 鼻をいじった手で傷をさわらないように注意しましょう。
- 寝具の共用:タオルや寝具の共用はNGです。
(参考:文部科学省「学校において予防すべき感染症の解説」2018年3月発行)
さいごに
溶連菌感染症の中でも、6歳までの子どもに一番多い「とびひ」には気を付けたいですね。とびひは大した病気ではないと思われがちですが、予防するための細心の注意が必要です。手袋を脱いだ後、マスクを外した後、保育園から帰った時、ペットフードに触れた後、共有のおもちゃに触れた後にも気をつけましょう。
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