
子どもには安全な食べ物を!食品添加物・人口着色料・人工甘味料について
食品添加物とは?
食品添加物とは、食品の製造・加工のために使われる調味料や保存料、着色料などのことで、
食品を安く加工しやすくしたり、色や香りをつけて美味しそうにしたり、保存期間を延ばしたりするために使われます。
そのため、お菓子や、ハム、コンビニ弁当、冷凍食品、カップラーメンなど、加工食品のほとんどに使われています。
厚生労働省では食品添加物を以下のように定義しています。
食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。
厚生労働省により使用が認められている食品添加物には、指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食添加物があります。
指定添加物
キシリトールなどは、食品衛生法第10条に基づき、安全性と有効性が確認されています。
既存添加物
クチナシ色素、柿タンニンなど長年使用されていた実績があるものです。
天然香料
バニラ香料、カニ香料など動植物から得られる天然の物質です。
一般飲食添加物
イチゴジュース、寒天など一般に飲食されているものです。
食品添加物の種類と子どもに及ぼす影響
子どもは免疫力が弱く、添加物の入った食品をとりすぎると喘息(ぜんそく)やアレルギーを引き起こし、じんましんを発症する可能性があるので、注意が必要です。
次に、どのような食品添加物が危険なのかお伝えします。冷蔵庫の中の食品の裏を見て以下のような表示はないか、確かめてみましょう。
食品表示の見方と注意点
食品表示には、まず食品原料、次に食品添加物の表示が義務付けられています。「膨張剤」や「香料」「香辛料」など用途名だけが記載されているものは、比較的、毒性が弱いものが多いようです。

亜硫酸ナトリウム (発色剤)
<リスク> 発がん性、うつ症状、頭痛、記憶障害など
<使用される食品> 食肉加工品(ハム、ウインナー、ベーコンなど)
サッカリン (合成甘味料)
<リスク> 染色体異常、発ガン、運動麻痺、出血性胃炎、子どものじんましん
<使用される食品> ガム、清涼飲料水など
コチニール色素 (食品の着色)
<リスク> 喘息、アナフィラキシーショックなどのアレルギー発作・甲状線の機能障害、発ガン性など
<使用される食品> 菓子類、アイス類・かき氷類、飲料類 など
タール色素 (食品の着色)
<リスク> 不妊症、発育不全、発がん性
<使用される食品> ゼリーや飲料水や駄菓子、飴、和菓子、アイスクリームなど

ソルビン酸・ソルビン酸K (保存料)
<リスク> 発ガン、免疫障害、成長不順、肝臓肥大
<使用される食品> かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの練り物や、ハム、ソーセージなど加工品、お漬け物、ワイン、チーズ、ジャム、クリーム類、コンビニ弁当
(ソルビン酸カリウムは、食品以外にも、歯磨き粉やシャンプー、化粧品などの「防腐剤」として使用されています)
ソルビン酸カリウムは、単体でも危険性があると言われていますが、他の食品添加物との組み合わせにより、発ガン性が指摘されています。
特に、亜硝酸との組み合わせが危険視されており、ハムやソーセージなどの加工品には両方含まれていることがあるため、注意が必要です。
アスパルテーム(人工甘味料)
砂糖の100~200倍の甘さで、食品表示では「L-フェニルアラニン化合物」と併記されます。
<リスク>脳と生殖器へのダメージ・うつ病
<使用される食品> 洋菓子、ヨーグルト、菓子、飲料水など
2015年の日本アレルギー学会で、人工甘味料はアレルギー性気道炎症を増悪させるとの発表がされました。
この発表内容は、喘息があるマウスに人工甘味料「アスパルテーム」を投与すると、アレルギー性気道炎症が発症したというものです。
「人工甘味料は用量依存性にマウスアレルギー性気道炎症を増悪させる」
ダニアレルゲン感作及び気道内投与により、好酸球を主体とする炎症細胞浸潤と杯細胞過形成を特徴とするアレルギー性気道炎症が発症した。アスパルテーム投与によりアレルギー性気道炎症の増悪が認められた
EUなどで禁止されている「たんぱく加水分解物」「ナイシン」「トランス脂肪酸」は、日本ではOK?!
厳しい食品添加物規制で知られるEUですが、EUで規制されていても日本では使われている添加物は、たんぱく加水分解物・ナイシン・トランス脂肪酸です。
タンパク質加水分解物
たんぱく質加水分解物は、醤油、インスタントラーメン、ソーセージ、カレー、カップラーメン、なべの素など、ほとんどの加工食品に含まれていて、肉や魚、大豆、小麦などタンパク質を分解したアミノ酸を主成分としていて旨味を出すために使われます。
食品分類上は添加物ではなく、食品として扱われていますが、遺伝子組み換え作物など粗悪な原料を使っている可能性があり、WHOは発がん性を警告しています。
タンパク質加水分解物は処理段階で塩酸を使うため、発がん性が疑われ、味覚の破壊が起きます。
味覚の破壊が起きると、濃く強いうまみをもつ合成の味しか美味しいと感じなくなってしまうので、天然のうまみや甘味は感じることができなくなります。特に味覚は1~3歳までに形成されると言われています。
タンパク質加水分解物は、EU、アメリカ、オーストラリア、カナダ、中国では規制されています。
ナイシン
ナイシンは世界各国で規制されていますが、日本ではチーズ、食肉製品、ドレッシング、ソース、飲料、マヨネーズなどに、カビ防止や保存料として使用されています。
トランス脂肪酸
「食べるプラスチック」と言われ、耳にしたことのある読者も多いのではないでしょうか。
トランス脂肪酸は、パンやプリン、ケーキ、クッキー、マーガリンなどに使用されています。
トランス脂肪酸はアレルギー性疾患やうつ症状の発現、脳や免疫機能の低下、肥満化、代謝障害、心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスクがあるとされています。
アメリカは2018年にトランス脂肪酸を含む油脂を禁止し、EUでは食品に含まれる割合を規制しています。
私たちが今日からでも始められること
食品表示を見てから買う
物を購入することは、「その商品やその企業への投票」と、よく言われます。添加物を使わず自然に近い食品を賢く選びましょう。
手作りの食事を作る
子どもにとってのおやつは、大人の嗜好品としてのおやつとは違い、一度の食事で補えない栄養を補助する役割があります。
手の込んだおやつを作るのはなかなか大変というパパやママ、小魚やナッツ(アーモンド・
カシューナッツ・くるみなど)を子どものおやつにどうでしょうか?
でも、ナッツアレルギーを発症する可能性があるものもあるので、初めてあげる際には少量ずつ、様子を見ながらにしましょう。
さいごに
最近、パン作りにはまっている筆者は、フランスパンは小麦・塩・水だけで作れることに改めて驚きました。
しかし、コンビニで売られているフランスパンの包装の裏には3行にもわたって原材料や食品添加物などが書かれていて、とても不安になりました。
日常生活の中で、添加物や人工着色料を完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、子どもたちには安全なものを食べさせてあげるために、できるだけの努力をしたいと強く思います。