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海外の子どもに大人気!遊びやしつけに使えるマザーグースの世界をご紹介

ライター 村田 美子
2021/05/03 20:05
今回は英国や米国を起源とする1000篇を超える伝承童謡群、マザーグースに関するお話です。「きらきら星」「ロンドン橋落ちた」や「メリーさんの羊」は、みんな知っていますね。遊び歌や数え歌、早口ことばなど、さまざまな形があって、かわいいのも、ユーモアたっぷりのもの、そして怖いのもありますよ。是非、楽しんでください。

マザーグースとは?

名前の由来は、1780年にイギリスの児童書出版業者ジョン・ニューベリーが『マザー・グースのメロディ』というタイトルの童謡集を刊行したのがきっかけです。


「グース」は日本語で「ガチョウ」という意味で、穏やかな性格をしていて手間がかからないので、おばあさんがお世話をしていたのでしょうね。


マザーグースは、特定の作者がいるわけではなく、イギリスで古くから口誦によって伝承されてきた童謡や歌謡の総称で、イギリスではナーサリー・ライム (Nursery Rhymes)と呼ばれています。


特に17世紀の大英帝国の植民地化政策によって世界中に広まりました。現在ではイギリス発祥のものばかりでなく、アメリカ発祥のものも加わり、600から1000以上の種類があるといわれています。


英米では庶民から貴族まで階級の隔てなく親しまれており、聖書やシェイクスピアと並んで英米人の教養の基礎となっているともいわれています。


形式としては「なぞなぞ」、「子守歌」、「遊戯唄」、「早口ことば」、「物語性のある唄」、「積み上げ唄」、「暗記歌」など様々な種類があります。


代表的なマザーグースをご紹介しましょう。

ハンプティ・ダンプティ

Humpty Dumpty sat on a wall,

Humpty Dumpty had a great fall.

All the king's horses and all the king's men

Couldn't put Humpty together again.


(ハンプティ・ダンプティが塀に座った

ハンプティ・ダンプティが落っこちた

王様の馬と家来の全部がかかっても

ハンプティを元に戻せなかった)

ハンプティ・ダンプティとは何?というなぞなぞですね。

答えは卵!


ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に引用されているので、ご存じの方も多いでしょう。

ロンドン橋落ちた

London Bridge is broken down,

Broken down, broken down,

London Bridge is broken down,

My fair lady.


(ロンドン橋 落ちた 落ちた 落ちた

ロンドン橋 落ちた マイ・フェア・レディ)

日本の童謡、「「通りゃんせ」と同じように、子どもたちの遊びに使われます。歌詞の"My fair Lady"のところで腕を上げていた2人が腕を下ろして、通っていた人を捕まえます。

ピーター・パイパー

次に、早口唄「ピーター・パイパー」をご紹介しますので、皆さんも挑戦してみてください。

Peter Piper picked a peck of pickled peppers.

A peck of pickled peppers Peter Piper picked.

If Peter Piper picked a peck of pickled peppers,

Where's the peck of pickled peppers that Peter Piper picked?


(ピーター・パイパーは酢漬けの唐辛子をつまんだ

ピーター・パイパーがつまんだ酢漬けの唐辛子

もし、ピーター・パイパーが酢漬けの唐辛子をつまんだら酢漬けの唐辛子はどこにあるのかな?)

皆さん、かまずに正確に言えましたか? 言うのがとても難しい早口言葉ですね。

月曜日に生まれた子どもは

次にご紹介するのは、「月曜日に生まれた子どもは」です。

Monday's child is fair of face,

Tuesday's child is full of grace,

Wednesday's child is full of woe,

Thursday's child has far to go,

Friday's child is loving and giving,

Saturday's child works hard for a living,

And the child that is born on the Sabbath day

Is bonny and blithe, and good and gay.


(月曜日生まれのこどもはかわいい

火曜日生まれのこどもは上品

水曜日生まれのこどもは泣き虫

木曜日生まれのこどもは苦労をする

金曜日生まれのこどもは愛情豊かで

土曜日生まれのこどもは働き者

そして、日曜日に生まれたこどもはね、

可愛くて、明るくて、気立てがいい)

キリスト教の安息日、日曜日が特別なのは、さすがキリスト教国ですね。この歌で子どもたちが自然に曜日を覚えていきます。

My Mother Has Killed Me

さいごは、 残酷で少し怖い歌詞のマザーグースです。

My mother has killed me,

My father is eating me,

My brothers and sisters sit under the table,

Picking up bury them under the cold marble stones


(お母さんが私を殺して

お父さんが私を食べている

お兄ちゃん、お姉ちゃんたちはテーブルの下で私の骨を拾って

冷たい大理石の下に埋めたの)

このように、マザーグースには子どもを戒めたり、しつけたりするために、怖い歌詞のものもあります。

マザーグースの残酷性はあまり気にする必要はないと筆者は考えます。日本の童謡にも「かごめかごめ」「赤い靴」など、残酷性を持つものもあります。

日本には、どのようにして紹介されたの?

最初の日本語訳は、村井元道が1881年(明治14年)に出版した自習書『ウヰルソン氏第二リイドル直訳』です。その中に、「小サキ星ガ輝クヨ輝クヨ」があります。"Twinkle, Twinkle, Little Star "(きらきら星)の直訳でした。


また、アメリカ人宣教師で保育者・教育者でもあったアニー・ライオン・ハウ(1852-1943) は、幼児教育に関する教科書の無い時代に『幼稚園唱歌』(1892年〈明治25年〉)を出版しました。


その中に、マザーグースから採った「きらきら(現在の邦題:きらきら星)と、「我小猫を愛す」の2篇を所収しました。


明治の終わりから大正時代にかけては、画家で詩人の竹久夢二も翻訳あるいは翻案に取り組んでいます。


夢二はおそらく添えられているイラストから興味を持ち始めて自分で訳すようになったと考えられます。


北原白秋は大正時代に日本初のマザーグース訳集を出版しました。


白秋による訳は、まず児童雑誌『赤い鳥』の1920年(大正9年)1月号に「柱時計」(原題:Hickory Dickory Dock、日本語別名:ヒッコリー・ディッコリー・ドック)が掲載されました。


そして、「緑のお家」(原題:There Was a Little Green House)も『赤い鳥』に掲載され、次々にマザーグースが発表されていきました。


そして、1921年(大正10年)、白秋が36歳時に、日本初のマザーグース訳詩集『まざあ・ぐうす』としてアルス社から刊行されました。


50年後の、1970年(昭和45年)、谷川俊太郎が絵本『スカーリーおじさんのマザー・グース』を中央公論社(現・中央公論新社)から出版しました。


谷川俊太郎の翻訳は洗練された口語で、その後、1975年(昭和50年)177篇の訳を収めた『マザー・グースのうた』全5集を草思社より出版しました。これをきっかけに日本におけるマザーグース・ブームが巻き起こったのです。

セット・マザーグースのうた(5冊セット)
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さいごに

いかがでしたか?


イギリスやアメリカの人は、マザーグースと共に育ったと言っても過言ではないほど、みんなマザーグースを知っています。


筆者は、ラボパーティーのチューターをしているとき、子どもたちと一緒に歌ったり、踊ったり、どっぷりマザーグースに浸かっていました。


マザーグースにちなんだ引用や言い回しは、知っておくとより深い英米文化の理解につながります。


是非、ユーチューブなどで、実際のマザーグースに接してみてくださいね。

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