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性教育はいつから始める?幼児への性教育の目的とポイント

oriori編集部
2020/07/22 23:07
性教育というと、思春期ごろからスタートするものだというイメージが強いかもしれません。実際、学校教育で性教育が行われるのは小学校4年生以降となっています。しかし子どもの安全を守るためにも、幼児期から性教育を進めてみてはいかがでしょうか?
今回は、性教育を始める時期とその目的をご紹介します。子どもへの教育のポイントも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

日本の性教育の歴史と現状

まずは、日本の性教育の現状とその歴史についてご紹介します。

避妊教育がスタートしたのは1985年ごろ

日本で避妊教育が始められたのは、厚生労働省のエイズ調査検討委員会にて、初めて日本のエイズ感染患者が認定された1985年ごろだといわれています。 その後、エイズの感染拡大を受け、1990年代には性教育ブームが起こりましたが、世間や保護者からの強い批判にさらされたといいます。ちなみに、小学校の理科や保健の授業で「性教育」という言葉が統一されたのは、1999年のことだそうです。

日本の性教育の内容

日本の性教育の内容は、男女の身体の違いや生殖機能の知識が主になっています。文部科学省の学習指導要領によると、以下のような流れで性教育が行われているようです。 ★小学校4年生~ 身体の発育・発達 ★中学生~ 第二次性徴・性感染症 ★高校生~ 性感染症・妊娠出産・結婚生活への言及 日本の性教育では、生殖機能や行為、その結果に関することばかりが教えられていますが、一方で、性的マイノリティーへの差別や虐待・犯罪などの性暴力について触れられることはほとんどありません。 一部の自治体では、性同一性障害などについて取り上げることもあるそうですが、そうでない地域のほうが多いようです。こうした現状の背景には、日本で性教育が「いかがわしいもの」「恥ずかしいもの」という認識が根強いことが挙げられるかもしれません。

海外の性教育の現状

日本の性教育が海外と比べて遅れているといわれますが、実際に海外ではいつごろから性教育が行われているのでしょう?性教育を始める時期は国によって異なりますが、フランスなど3歳頃から性に関する教育をスタートする国も珍しくありません。 またユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」によると、性教育を始めるのは5歳頃からが望ましいとされているようです。

子どもに性教育をする理由

幼児期の子どもに対し、どうして性教育が必要なのでしょうか?

自分の身を守るため

子どもを狙った性犯罪は後を絶たず、日々痛ましいニュースが報道されていますよね。平成30年度の警察白書によると、性犯罪のうち13歳未満の子どもが被害者となったものは、年間1000件以上にのぼるそうです。 しかしすべての犯罪が明るみに出るわけではないため、実際の被害はその10倍以上にもなるかもしれません。性犯罪のターゲットには、0歳の赤ちゃんからなりうるといいます。しかし小さな子どもほど、自分がされたのが悪いことなのかそうでないのか判断が難しいもの。 「まだ子どもだから」と考えず、いざというときに自分の身を守れるよう、幼児期から性教育を始めたいものですね。また性犯罪は女の子だけでなく、男の子がターゲットにされることも多いです。子どもへの性犯罪のうち、被害者の4割は男の子だともいわれているため、男女ともに性教育は必要ではないでしょうか?

加害者にならないため

性に関する正しい教育をすることは、子どもの身を守るだけでなく、子ども自身が加害者になることも防いでくれるでしょう。例えば、ママの胸をいつも触っているからと先生やお友だちのママの胸を触ったり、ふざけて人のスカートやズボンを降ろしたりする子どももいますよね。 子どもにとってはただのいたずらやコミュニケーションでも、相手を傷つけてしまったり、不快にさせてしまったりするかもしれません。そうならないためにも、性教育を行っておきたいものですね。

自己肯定感を高める

妊娠・出産は奇跡の連続で成り立っていること、子ども自身が生まれてきたことは奇跡なのだと性教育を通して伝えることで、子どもは親の愛情を感じ、自己肯定感を高めることができるかもしれません。 自己肯定感が高まることで、自分自身にも他人にも愛情深い人に育ってくれることでしょう。

子どもへの性教育は何歳から?

子どもへの性教育は、何歳頃から始めればいいのでしょうか?

2~3歳頃からが目安

子どもへの性教育は、2~3歳頃から始めるのが目安だといわれています。早すぎるように感じられるかもしれませんが、3歳頃になると幼稚園や保育園などに通う子どもも多く、親の目の届かない時間が増えますよね。 近くに親がいられないときに子どもが自分の身を守るためにも、このころから性教育をスタートしてみてはいかがでしょう?

適齢期は10歳まで

身に覚えがあるという人も多いでしょうが、思春期ごろになると素直に親の言うことを聞けなくなるもの。会話すら拒否してしまう子どもも珍しくありません。そんな時期に親が子どもに性教育をしようとしても、煙たがられてしまうだけで話を聞いてもらえない可能性もあります。 一方、小さな子どもは素直に親の言うことを受け入れやすいため、親子の時間がゆったりととれる幼児期から性教育を始めることをおすすめします。性に関することだけでなく、ママやパパからの愛情もたっぷりと伝えてあげてくださいね。

幼児期の性教育にデメリットは?

小さなころから性教育をすると、子どもが過剰に性に関心を抱いてしまうのではないかと不安に感じる人もいるかもしれません。しかし、性教育をするデメリットよりもしないデメリットの方が大きいといわれています。 性について正しい知識を身に付けることは、性にかかわる危険についても知っているということ。そのため、興味本位で行動することは避けてくれるはずです。実際、正しい性教育を受けた子どもほど、初体験の年齢は高い傾向があるそうですよ。

子どものへの性教育のポイント

子どもへ性教育をするとき、どのようなポイントに注意すればいいのでしょう?

プライベートゾーンを教える

子どもを性犯罪の被害から守るため、まずは自分の身体で守るべきプライベートゾーンについて教えてあげましょう。プライベートゾーンは「下着で隠れる部分(胸・お尻・性器)+口」のことを指します。男の子の場合は下着で胸は隠れませんが、プライベートゾーンに含まれます。
「自分の身体は自分のもの、人の身体はその人のもの」だということを前提に、プライベートゾーンは触らせたり見せたりしていけないし、他人のプライベートゾーンを触ったり見たりしてもいけないと教えてあげてくださいね。 そのうえで、もしも他人からプライベートゾーンを触られそうになったり、見られそうになったりしたら「いやだ」と意思表示をして逃げ、信頼できる大人に話すよう伝えましょう。 また子どもの中には、好奇心から性器などを触る子どももいます。「まだ子どもなのに」とショックを受けるかもしれませんが、叱りつけてしまうのはNGです。「一人でいるときは触ってもいいけれど、人前ではやめようね」「ばい菌が入ったらいけないから、汚れた手では触らないようにね」などとルールを教えてあげられるといいですね。

一度に知識を詰め込まない

性教育に限らず、子どもに一度に知識を詰め込んでしまうのはおすすめできません、子どもがきちんと理解できているかチェックしながら、子どものペースにあわせて徐々に教えてあげるといいでしょう。 自分の身を守るためのプライベートゾーンの大切さは早い時期から伝えていきたいものですが、生殖に関することは慌てて教える必要はなく、子どもが興味を持ったときで大丈夫だといいます。 子どもは目に付いたものや気になったものに関して、大人に素朴な疑問を投げかけることが多いですよね。そうしたタイミングで教育を進めてみてもいいかもしれません。

医学的な名称を使う

子どもに性教育をするとき、「子宮」などの医学的な名称をどう言い換えれば子どもにわかりやすいか悩んでしまいますよね。しかし、わざわざ子どもにわかりやすい言葉に言い換える必要はないのだそうです。 例えば、子どもに「赤ちゃんはどこから出てくるの?」と聞かれたら「女の人のお腹の中にある子宮というところから、産道という道を通って出てくるよ」などと答えてあげるといいですね。「子宮って何?」と疑問を重ねてきたら、身体の仕組みとあわせて教えてあげてもいいでしょう。 小さな子どもには難しい内容に思えるかもしれませんが、小学校入学前後頃になると、理解できる子どもも多いそうです。子どもが実際に生まれてきたときの話をしてあげたり、出産の映像を残している場合はそれを見せてあげたりすると、より印象に残りやすいかもしれません。

性に関する話が日常的にできる親子関係を築く

小さな子どもは好奇心が旺盛で「赤ちゃんはどうやってできるの?」などとさまざまな疑問を抱くものですが、いきなり子どもに性に関する疑問をぶつけられると、戸惑ってしまう人も多いでしょう。 しかし「そんなこと知らなくていいの」などと嫌な顔をしたり、親が恥ずかしがったりすると、子どもは「聞いちゃいけないことだったんだ」と感じ、性に関する問題に直面したとき、親に相談できずに一人で抱え込んでしまうようになることも。 とっさの質問にすぐに答えられそうにないときは「○○くんはどう思う?」「どうして知りたいと思ったの?」などと質問で返してみてはいかがでしょう?または「あとで調べてから教えるね」と回答までに時間を作るのも、ひとつの方法です。 そうして日頃から性に関する話を家族で気軽にできる環境を作ることで、性の話は恥ずかしいことではなく、日常の一部なのだと子どもに意識づけることができるかもしれません。ただし性に関する話をするときは、時と場所を選ぶことも教えてあげましょう。 電車の中など、公共の場所で話すのは避け「家に帰ったら教えてあげるね」などと言い聞かせるといいですね。

さいごに

性教育を幼児期からすることに抵抗があるという人も多いですが、正しい教育をすることは子どもを守ることにつながります。性教育は一朝一夕で行うものではないため、お風呂の時間やテレビで性に関する話題があがったときなど、子どもが関心を抱きやすいタイミングで徐々に進めていってはいかがでしょうか?
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    oriori編集部。現在総勢6名で企画・取材・原稿作成・記事編集を行っています。編集部員は、習い事検索メディアのプロデューサーや自身も子どもを持つフリーランスで活動していた編集者/ライターなど、子育て・知育・教育全般に詳しいメンバーが集まっています。
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