子どもの脳は生まれてから2歳までに大人の3/4の大きさになり、それに伴って知能も発育します。この時期にはたくさんの感覚系の情報を入れてあげて下さい。例えば音や言葉を「聞かせる」色々な景色を「見せる」色々なものを「さわらせる」。この３つを意識してみてください。

お散歩はゆっくり歩いていることがしっかり育脳になっています。家に居たら聞こえない音がたくさん聞こえますし、自然と子どもに声をかけます。ふわっと風に吹かれる感覚、バギーの振動も、子どもにとって感覚機能が育つのにとてもいいのです。少しとまってお花のにおいを一緒にかいだり、葉っぱをさわらせてみるなら、その感覚はすぐに脳に達して情報として蓄えます。

ですからお母さんがしてあげることすべてが、我が子の脳を育てていることになります。そして何よりこの時期大切なのは、安心できる環境をつくって「守られている、大切な存在」と感覚的にわからせてあげることです。

次のステップは運動系です。6歳までというのは、脳の働きにはっきりと区切りをつけない方がいいからです。実は脳というのは、おなかの中にいる時からかなりの機能が出来上がっています。それでも脳の働きは生まれてから2歳までは、人の一生の中で最も脳の発達のスピードがある時期です。ですから特に意識することをおすすめしました。

2歳になったから感覚系を意識するのをやめて、次のステップに進むのではなく、「見る」「聞く」「触る」は引き続き行って下さい。感覚機能はまだまだ伸びます。ではなぜ、この時期に運動系を高めることは大切なのでしょうか。それは「自制する力」を身に着けるためです。「自制」とは自分の感情や思考をコントロールする力のことです。

運動をする事で自分をコントロールしやすくなります。どんなスポーツを選ぶか。それは子どもが望むものです。それを一生懸命にできる環境をつくってあげて下さい。体を動かすことは集中力や持久力にも繋がります。

思考系の機能を高めるどんな方法があるでしょうか。それはまず、母語である日本語をきちんと使えるようにすることです。なぜこれが重要なのでしょうか。それは「考える力」のベースとなるからです。言葉を正しく理解できるベースがある子は、入ってくる情報をすぐに処理し、頭の中で整理ができます。また情報を組み立てる力も育っていきます。

ではお父さんお母さんはどんなことをしてあげられるのでしょうか。それはいっしょに話をすることです。しかも「聞いてあげること」が大切なのです。子供が話しやすいように相づちを打ったり「それからどうしたの？」「どう思ったの？」と質問するなら、子どもは考えを組み立て自分の言葉で気持ちを表わします。

すぐに答えない時こそシナプスが活発になっている証拠。ゆっくり答えがでるまで待ってあげて下さい。そしてこの時一番大切なのは子どもが「お父さんお母さんに聞いて欲しい」という気持ちを受け止めること。これが脳を育てる原動力になります。

実は脳にはおもしろい特性があります。それはご褒美が好きということ。ご褒美を与えれば与えるほど脳はぐんぐん成長します。そのご褒美とは「褒められる喜び」です。このご褒美は自己肯定感にも繋がります。是非脳のしくみを知ってこのご褒美も上手に使ってみて下さい！