子どもにとって本を読むメリットとは?読書習慣を身につけるポイントも紹介!
子どもの読書離れの現状
スマホやタブレットなどの普及もあり、読書する子どもは年々減ってきています。ベネッセ総合研究所が2023年に発表した「子どもの読書行動の実態―調査結果からわかること―」での、小学生から高校生までの1日の読書時間の集計結果は、49%の子どもが読書は全くしないという結果になりました。この結果で子どもの読書離れがどれだけ進んでいるのかよく分かりますね。
ベネッセ総合研究所|子どもの読書行動の実態―調査結果からわかること―https://berd.benesse.jp/up_images/textarea/datachild/datashu04/datashu04_pdf.pdf)
本を読むメリット
子どもが本を読むメリットは多くあります。詳しくご紹介していきます。
生きる力が身につく
読書を通じて生きる力を身につけることができます。子どもたちは本を読みながら頭の中でさまざまな経験をして、興味を広げていき知識を身につけます。勉強をしているつもりはなくても、自然と生きる力を学習していくのです。本を読むことで生きる力に欠かせない、言葉を学ぶ・表現力を高める・感性を磨くことができます。
集中力が身につく
読書は動画を眺めて見るのとは違い、文字を追って読む作業です。じっと集中しないと読めないので、自然と集中力が身につきます。興味のある本の内容を理解しようとすると、時間も忘れて一気に読み進めるでしょう。本を通して集中力を鍛えられると、何事にも集中して取り組んでくれるようになることが期待できます。
想像力が豊かになる
本には文字しか書かれていないため、そこから想像力を無限に広げられます。文章だけの情報から、登場人物や風景などを想像していきます。同じ文章だとしても、読み手によって思い描く光景は変わっていくのが読書の面白いところです。頭の中でさまざまな情景を思い描き、自然とイメージを膨らませることで想像力が豊かになります。
コミュニケーション能力が身につく
読書で想像力が豊かになると、普段の生活から相手の気持ちを想像してコミュニケーションがとれるようになります。本で自分以外の感情を理解することで、現実の世界でも相手の立場を考えた行動ができるでしょう。感情を整理できるようになり、コミュニケーションを通じて円満な人間関係を築けるようになります。
自己肯定感が高まる
幼い時期からの本の読み聞かせや読書は自己肯定感を高めます。自己肯定感は、両親の言動に大きく影響されるともいいますが、本を通じて自分とは異なる考えや価値観を学ぶことができ、柔軟な心が育ちます。同時に自分の存在価値を感じ、自己肯定感が高まっていくのです。
読解力と語彙力が伸びる
日常の会話では触れることがなかなかないような単語も、読書をすれば自然と覚えていきます。本は読めば読むほど文章に慣れていき、内容を理解する力が育ちます。また、今まで知らなかった言語に出会うと、その言葉の意味を考えたり、気になって自ら調べたりすることで語彙力も鍛えられるでしょう。
気持ちが安定する
本は一度読み始めると、時間を忘れるほど夢中になれます。他のことは考えず、何か1つのことに没頭している時間は、自然と心が落ち着くもの。気持ちが不安定になっているときこそ、読書をするとその効果が実感できるでしょう。
知識が増える
読書を通して、色んな知識を学んだという方も多いのではないでしょうか。まだ知識が浅い子どもにとって、読書は色んなことを知る大きなきっかけになります。日常生活に役立つ知識から学習に繋がる知識まで幅広く身につくでしょう。
ストレス発散になる
読書にはリラックス効果があり、自然とストレスが軽減されていきます。子どものうちでもストレスは日々溜まってしまうものです。ストレス発散の1つの方法として読書という選択肢があれば、ストレスも溜まりにくくなるでしょう。
時間を有効活用できる
自分では勉強と思っていなくても、読書をしているうちに知識が広がり、人間的な成長にも繋がります。何となくスマホやタブレットを見て過ごしていた時間を読書にあてることで、自然と学習する時間になるのです。
人との繋がりが増える
読書を通じて人との繋がりが広がっていきます。読書が趣味な人同士が出会うと、本の貸し借りをしたり、本の感想を伝え合ったりできるでしょう。相手と共通の話題が増え、対人関係のスキルも自然と身につきます。
読書習慣を身につけるポイント
読書にはメリットがたくさんあることが分かりましたが、どうすれば習慣にできるのでしょうか。
家の中に本を置く
図書室や書店で本を手にするのも良いですが、本を身近に感じてもらうためには、家の中に常に本を置いておとくと良いでしょう。リビング・廊下・子ども部屋・寝室など家中に本が置いてあると、子どもにとって本を読むのが当たり前のことのように感じていきます。ポイントは子どもがいつでも手に届く場所に本を置いておくことです。本の種類も幅広く、絵本・図鑑・小説などさまざまなジャンルの本があると良いでしょう。
絵本や漫画も読む
子どもに本を読むように言っても、なぜ自分だけ?と感じてしまう場合もあります。親子で一緒に読書をすることで、子どもにとっても読書は身近で楽しいものに感じられるようになります。子どもにして欲しい思うことは、まずは親自身がお手本になることが必要です。親子で同じ内容の本を読んで、感想を発表し合うのもより良いですよ。
親子で一緒に本を読む
子どもに本を読むように言っても、なぜ自分だけ?と感じてしまう場合もあります。親子で一緒に読書をすることで、子どもにとっても読書は身近で楽しいものに感じられるようになります。子どもにして欲しい思うことは、まずは親自身がお手本になることが必要です。親子で同じ内容の本を読んで、感想を発表し合うのもより良いですよ。
スマホやタブレットを活用
読書離れの原因にもなっているスマホやタブレットですが、それを逆手にとり活用するのも良いでしょう。無料で本が読めるアプリも普及しています。移動時間や空いた時間に、手軽に読書をするのに取り入れてみても良いかもしれません。
読み聞かせをする
本を読むのが苦手な子には、読み聞かせがおすすめです。読み聞かせをするのは乳幼児期だけだと思っている方も多いかもしれませんが、小学生になっても読み聞かせは効果的です。絵本のほか、昔話や短編小説を数日に分けて読み聞かせしてみましょう。
読書に適した環境づくり
それぞれの子どもの特性に合った環境作りを心掛けましょう。家や図書館など静かな落ち着いた環境を好む子もいれば、カフェなど人の気配を感じる少し騒がしい環境で読書をするのが良いと考える子もいます。子どもが望む環境作りをサポートしてあげると、より子どもにとって読書が好きなものになります。
年齢に合った本を読む
まだ読めない漢字や知らない単語ばかりでてくると、内容も理解しづらくすぐ飽きてしまうこともあります。年齢や成長に合わせ、子どもが読みやすい本を選びましょう。子どもが読みたがる本を、自分で選ばしてあげるのもおすすめです。
楽しんで読む
本を読むことを強制してしまうと、子どもは読む気が失せてしまいます。勉強として読書をするのではなく、娯楽と考えた方が良いでしょう。あくまでも本は楽しんで読むことを前提にしましょう。
自ら読みたいと思ってもらう
子どもに本を読んでもらうためには、読書に対するイメージを「難しい」「読まされる」というものから、「楽しい」「読みたい」に変えることが大切です。子どものころから読書のイメージを大人が正しく伝えることで、自ら読みたいと思って読書をしてくれるようになるでしょう。
さいごに
今回は子どもが読書するメリットや、読書習慣を身につけるポイントを詳しくご紹介しました。インターネットの普及率が高い今、本を読むきっかけや、本に触れ合う機会がない子どもが多いのはないでしょうか。子どもが本に興味を持ち楽しんで読んでもらうには、環境作りが大切です。この記事を参考にして、子どもに楽しく読書習慣を身につけてもらいましょう。
参考サイト
- ベネッセ教育総合研究所|子どもの読書習慣が身に付く方法(https://benesse.jp/kyouiku/202108/20210813-1.html )
- 学研教室|読書で得られる効果とは? 子どもに読書習慣をつけるためにできること
(https://www.889100.com/column/column096.html ) - nippon.com|東大の共同調査で子どもの半数が読書時間0分
(https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01828/ )