小学校受験準備はいつから始める?受験を考えたらまず始めたいこと
小学校受験は「年中の秋」から準備すると良い理由
小学校受験は多くの学校で毎年10~11月に行われることが多く、受験本番は年長の秋ごろになります。そのため、一般的には受験の一年前である「年中の秋ごろ」から小学校受験に備えて準備をするのが良いとされます。
子どもが年長の春にはそれぞれの小学校で説明会が始まるので、それまでには志望校をいくつか絞っておきたいところ。また、しつけや勉強も短期間で身に付けることは難しく、子どもの勉強面からも一年程度余裕を持って受験対策をすると良いでしょう。
受験までの約一年間、具体的には何をするの?
いつから準備を始めるかが分かりましたが、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
小学校受験までの準備期間にするべきことを確認してみましょう。
志望校を決める
まずは志望校選びです。家庭での教育方針と小学校の教育理念・カリキュラムが合うのかをしっかりと家庭で話し合いましょう。
他にも、「国立」か「私立」を選ぶのか、男子校か女子高にするのか、学費なども志望校を決める際に確認するポイントです。
この時に子ども本人が本当に行きたい学校なのかも確認してください。志望校が決まることで、その学校に合わせた受験勉強を進めやすくなります。また、通学のしやすさも考慮すべき重要な点です。受験はゴールではなく、合格したらここからが小学校生活のスタートです。六年間毎日通う場所になるので、時間がかかりすぎてしまうような遠い学校は子どもにとって負担に感じてしまうかもしれません。
私立小学校では通学時間1時間以内を目安に、国立小学校では通学範囲が指定されているので志望校に選ぶ際には注意しましょう。
学習塾を決める
志望校が決まったら子どもと一緒に塾の見学に行きましょう。志望校によってどんな対策が必要かを講師からアドバイスしてもらえたり、親同士の情報共有の場になったりします。塾の合格実績を参考にすると、目指している志望校により有利な塾を見つけられるでしょう。
また、子ども自身が塾に行って楽しく勉強できるかどうか大事。体験授業や面談などでは子どもと一緒に塾の雰囲気を確かめられるので、塾との相性を確認しましょう。カリキュラムが良くても子どもが楽しく通えない塾では長続きしないので、子ども本人のやる気が出るような塾を見つけられるといいですね。
また、比較検討できるよう複数の塾を体験しておけば、万が一志望校変更による転塾などが発生した場合も、新しく塾を探す手間を軽減できるでしょう。
周囲の人に小学校受験をすると話しておく
受験までの期間には親子で参加する説明会や行事も多く、仕事の休みを取る必要が出てくる場合があります。志望校選びや塾選び、小学校の説明会、公開授業、塾の体験会などのイベントは土日以外に平日に開催されることも。また、塾が決まれば毎週の授業や休日の模試、講習会などの送迎が始まります。
共働きの家庭では両親共にすぐに休めないことも多いので、職場の人にも小学校受験をすると伝え、おじいちゃんおばあちゃんへの協力のお願いをしたりすると良いでしょう。周囲の協力を得て家族揃って受験に集中できる環境づくりができると良いですね。
小学校受験までに家庭でできることは?
小学校受験では学習塾で習うような勉強だけでなく、家庭で過ごす日常からも問題が出題されることがあります。衣服の着脱や家事のお手伝いなど、何気ない行動も受験対策になるので早めに始めて損はありません。小学校受験を意識し始めた日からすぐに実践できるものばかりです。本格的な受験対策の前に日常生活に取り入れてみるのも良いかもしれません。
生活習慣を整える
早寝、早起き、歯磨き、衣服や靴の着脱などの毎日の身支度は子ども一人でできるようになっていると良いでしょう。特に上着の畳み方や、靴をそろえて脱げるかは受験当日にチェックされる可能性が高いです。
子どもは親の行動を真似するので、手本となるように親も毎日の行動に気を付けて過ごしましょう。
しつけ・マナーを教える
食事のマナー、特に箸の持ち方や食事の配膳などは短期間で身に付けるのが難しいため、長期的に教える必要があります。箸が上手に持てないときはトレーニング用のお箸もあるので、時間をかけて試験までに正しい持ち方で使えるようにしたいですね。お椀に手を添える、食事中に席を立たないのようなマナーは根気強く教えましょう。
家でお手伝いをする
洗濯物を畳んだり、食卓にお皿を並べたりと危なくないお手伝いは積極的に促すのが良いでしょう。大人の指示を聞いて、正しく行動することへの良い練習になります。
また、料理のお手伝いは味覚や触覚を発達させることにもつながるので、プリント学習とは違う角度から学びになります。旬の野菜やフルーツを使った料理を子どもと一緒に作ると食材の名前を覚えどのように調理すると食べられるようになるのか勉強にもなり、さらに栄養も摂れるので一石二鳥です。
体力づくりをする
小学校受験では運動能力も試験対象になります。近所の公園に行って遊ぶだけでも十分体力づくりができるので、天気が良い日はできるだけ外遊びを取り入れてみましょう。雨の日には室内で音楽に合わせて踊るのも楽しいですね。
四季を感じて過ごす
小学校受験の問題には季節にまつわる問題が出題されることが多いため、およそ1年の準備期間があると、四季を実感しながら過ごすことができます。
小学校入学前の子どもは季節の概念と四季にまつわる行事が結び付きにくく、理解ができていない可能性があります。季節の草花を公園で観察し、季節にまつわる行事に積極的に出かけるのも良いですね。もちろん、試験前には改めて復習して季節ごとの植物や行事を確認しましょう。
絵本をたくさん読む
絵本の読み聞かせは脳の発達に大きく関わります。読み聞かせから学べる「聞く力」、「理解する力」、「想像する力」は受験問題でも問われる内容です。
さらに、読み聞かせでたくさんの言葉を聞くことで語彙力を高めることにもつながります。語彙力が増えると面接時の受け答えや、子ども同士のコミュニケーションにも役立つでしょう。
受験の日が近づいてきたら当日の持ち物を確認
受験当日までに試験当日の持ち物が揃っているか必ず確認をしましょう。試験中に必要な筆記用具や上履き、書類を持ち帰るクリアファイルなどに加えて、急な天候不良にも対応できるように雨具も必要です。直前になってからだと購入が間に合わない場合や、受験に合わない色しか売ってない!なんてことも…。小学校受験専門店やネットショップだと受験用の色や柄を取り入れた商品を取り扱っているので早めに購入を検討してみてください。
子どもの持ち物はもちろん、親の服装やカバンも受験に合うデザインかチェックするのも忘れずに。喪服のような暗すぎる色のスーツやネクタイ、パンプスは悪目立ちする恐れがあるので気を付けましょう。
【体験談】小学校受験の準備、どんなことをした?
続いて、小学校受験をしたママの体験談をお届けします。
子どもが楽しく通える学校を選びました!(一児のママ)
年少の終わりごろから小学校受験をしようと考えていました。田舎なので私立小学校は2校しかなく、学校選びではあまり迷いませんでした。子どもと一緒に学校見学に行き子どもが学校に持つ印象も見ながら第一志望の学校を決定。学校が子どもにとって楽しい場所かどうかを第一に考え、夫婦でも教育方針について話し合いを重ねました。
年に何回も学校見学や説明会があり、同じ学校でも複数回参加したことで入学後のイメージができて良かったです。小学校の近くにある塾まで通って受験対策講座を受講し、家では親子ともに面接練習をしました。子どもには面接時のノックやり方、椅子に座るときの座り方、質問に困っても親に頼らないことなどを教えました。
英語教育に力を入れている学校に行かせたかったです(二児のママ)
年長の春までアメリカで生活していましたが、帰国後に知人に勧められて小学校受験を意識しました。ただ、この時点ですでに入学説明会が終了していたので直接学校に問い合わせをしました。学校にも受験したい気持ちを伝えられて、個別で説明もしてもらえたので安心したのを覚えています。アメリカで身に付いた英語力をキープさせたくて英語に力を入れている学校を選びましたが、子どもがのびのびと過ごせるかも判断基準でした。
教育方針について夫婦で同じ方向を向いているかを確認し、前年に受験したママ友から面接で聞かれた内容を教えてもらったので答えをある程度考えておきました。繕い過ぎて、入学後に学校と自分たちのイメージが違い過ぎると困ると思い、子どもの面接はあまり対策をしませんでした。
小学校受験の入試内容
受験する小学校によって試験内容は異なるため、志望校の試験に合わせた対策が必要です。小学校受験の代表的な入試科目には下記のような内容が挙げられます。
ペーパー試験
プリントを使った筆記試験で、音声を聞いて筆記で答える形式の問題を時間内にできるか評価されます。正しい答えを書く以外にも指示を聞いて行動できているかも重要です。
塾に通う場合は塾で対策をすることも多いですが、過去問が販売されている学校もあるので、志望校の過去問は事前にチェックしておくようにしましょう。
行動観察
子どもの普段の行動から協調性や特性について評価されます。他の受験生と遊ぶ中で、リーダーシップや他者への配慮、他人の話を聞けるかが試されます。おままごとやごっこ遊びも練習につながりますね。
指示行動
試験官の指示に従って行動できるかのテストで、指示を聞く力と行動する力が必要になってきます。先生の指示を一度で聞き取りその通りに動けるか、周囲に影響されず課題に取り組めるかなどをチェックされます。
家庭でお手伝いをするときには、親の指示を聞いて最後まで取り組むことで練習になるでしょう。
運動
走る、投げるといった基礎的な運動能力をチェックされます。また、テストの途中では指示通りに動けているか、最後まであきらめずに一生懸命取り組んでいるかも見られています。
面接
子どもだけが面接を受ける場合と、親子で面接を受ける場合があります。面接では志望校への入学意欲や校風と合うかをチェックされます。受け答えの仕方や内容だけでなく、聞く姿勢も採点されることが多いので要注意です。
また、親子面接では親の教育方針や、学校への理解度などについて質問されることもあるので親も面接の練習をしておくといいでしょう。
さいごに
小学校受験までの一年間は親子ともにやることが多いので早めに準備をしましょう。ただし、焦って志望校や塾を決めてしまうと、後になって「雰囲気が思っていたのと違う」「家庭の方針と相違がある」という事態を招く可能性もあります。ある程度時間をかけて絞り込むことも大切です。志望校選びに向けた情報収集や、家庭でのしつけはいつからスタートしていても損はありません。早めのスタートで心に余裕を持って受験対策ができると良いですね。
参考サイト
- キッズライン|小学校受験は何から始める?チャレンジしようと思い立ったらやること【お受験母さんreport3】(https://kidsline.me/magazine/kyouiku/987)
- 学研教室|小学校受験、いつから準備を始めたらいい?試験の実際と家庭や幼児教室でできることとは(https://www.889100.com/column/column037.html )
- わたしの保育|子どもに絵本を読み聞かせる効果とは?習慣化、年別のコツは?(https://www.watashi-hoiku.jp/column/00046.html )
- 受験のことならお受験ナビ|合格されている方々に聞いたお受験持ち物リスト(https://www.happy-clover-ojuken.jp/blog/%E3%81%8A%E5%8F%97%E9%A8%93/5276/ )
- 小学校受験三ツ星ガイド|【小学校受験】志望校選び・学校選びの6つのポイントと注意点を解説!(https://shogakko-juken.jp/how-to-choose/#6 )
- お受験インデックス│小学校の入学試験ってどんなことをするの?「ペーパーテスト編」(https://www.ojyuken-index.com/what/paper.html#:~:text=%E5%85%A5%E8%A9%A6%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8B,%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E3%80%8C%E5%9B%B3%E5%BD%A2%E3%80%8D%E3%80%8C%E6%95%B0%E9%87%8F%E3%80%8D%E3%80%8C,%E3%81%8C%E5%87%BA%E9%A1%8C%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E5%87%BA%E9%A1%8C%E3%81%AF%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97(%EF%BC%A3%EF%BC%A4)%E3%82%84,%E8%82%89%E5%A3%B0%E3%81%A7%E5%87%BA%E9%A1%8C%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 )