睡眠の質を高めよう!子どもにさせたい8つの習慣
睡眠はなぜ重要?
睡眠が大切な理由に、身体を休ませるということが挙げられますが、それだけではありません。まずはなぜ質の高い睡眠をとることが重要なのか解説していきます。
知識や経験を定着させるため
人間は寝ている間に、その日の経験や新しく覚えた知識を頭の中で再生します。そして昨日までの知識と組み合わせたり、記憶として定着させたりすることで、難しい問題を解決できるようになったり、新しいアイデアをひらめいたりできるようになります。
成長ホルモンが多く分泌されるから
骨を伸ばす、筋肉の成長を促す、高い免疫力を維持するなどの働きのある成長ホルモン。この成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されますが、眠りが深くなりやすい最初の3時間に大量に分泌されます。しかし浅い眠りが多い後半ではほとんど分泌されません。そのため深く眠ること、とくに寝付き始めの3時間の眠りの深さが重要です。
子どもに必要な睡眠時間は?
子どもにとっての最適な睡眠時間は、1~3歳で11~12時間、3~6歳で10~11時間、6~12歳で8~10時間です。長ければ長いほど良いということではなく、これ以上の睡眠時間では脳の休息の差はそれほど出ません。また長いだけでなく、早く寝ることが子どもの学力に影響を与えるという調査もあるため、早寝をして適切な時間に起こしてあげるようにしましょう。
睡眠不足がもたらす子どもへのデメリット
夜型化し、睡眠時間が減少傾向にある現代社会は子どもの生活にも影響を与えています。日本小児保健協会が2010年に行った調査によると、20年前に比べ子どもの夜10時以降に寝る割合は増加しており、1歳6か月、2歳、3歳で30%前後と高い水準になっています。そして年齢が上がるにつれて就寝時間が遅く、睡眠時間が短くなり、睡眠不足を感じている子どもの割合も増加しているようです。
睡眠不足は成長の遅れや食欲不振、注意力・集中力の低下をもたらします。子どもの場合はうまく眠気を意識したり言葉に表したりできず、イライラや多動、衝動行為として表れることもあります。また、睡眠不足の子どもは将来の肥満リスクが高まるという調査もあるため、睡眠不足は一時的にデメリットがあるだけでなく、将来にわたって影響があるのです。
参考:
公益社団法人 日本小児保険協会|幼児健康度に関する継続的比較研究
(https://www.jschild.or.jp/wp-content/uploads/2020/10/2010_kenkochousa_%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E6%B8%88%E8%B5%A4_5_compressed.pdf)
質の良い睡眠とは?
そもそも質の良い睡眠とは、どんな睡眠のことでしょうか。厚生労働省で示されている睡眠の質の評価指標では以下のようなことが挙げられています。
- ・睡眠と覚醒の規則正しいリズムが保たれ、昼夜のメリハリが明瞭であること
- ・必要な睡眠時間が確保できていて、心身の状態が良好であること
- ・睡眠途中で覚醒することが少ないこと
- ・覚醒の準備が整ったころに起床できること
- ・寝床についてから入眠するまでに、時間がかかりすぎないこと
参考:
厚生労働省|より健康的な睡眠を確保するための生活術
(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000036721.pdf)
質の良い睡眠をつくる8つの習慣
それでは、上記のような質の良い睡眠をとるために、どのようなことを習慣にすればよいのでしょうか。
1.朝起きて光を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、10分程度太陽の光を浴びるようにしましょう。直接の光でなくても、窓越しの光でも問題ありません。実は体内時計の周期は24時間よりも若干長くなっています。その体内時計のズレを、目から入った明るさの情報が伝達されることで調節することができます。
2.朝食は必ずとる
眠っている間の身体は省エネモードになっています。朝食をしっかりとって身体を起こしてあげましょう。また朝食をとることは、日中に活動するためのエネルギーを蓄えるためにも重要です。
3.日中にほどよい運動をする
大人でもウォーキングや軽いランニングなどの運動習慣を持つことで、寝つきが良くなり深い睡眠を得やすくなります。子どもの場合は、学校や幼稚園・保育園でしっかり身体を動かしているのであれば、それ以上に運動しなくても大丈夫です。
4.夕方や夜、必要以上に光を浴びない
最近は24時間営業のコンビニなど、夜になっても強い明かりがある場所はたくさんあります。そのような強い光を夕方以降に浴びると、脳が刺激され体内時計に影響が出ます。用事がないのであれば、極力このような場所には行かないようにしましょう。
また、テレビやスマートフォンなどの光を浴びることでも同様に睡眠の質が低下します。夜にはゲーム機やタブレットは親が回収したり、テレビを消す時間を決めたりして強い光を浴びないようにしましょう。
5.夕食を食べすぎない
夕食の食べすぎや寝る前の食事も、質の良い睡眠を妨げる原因になります。胃にものが残っているとその消化や吸収にエネルギーを奪われます。そのため寝るまでに消化が終わっていた方が身体は睡眠に集中できます。食べすぎないようにしたり、いつもより夕食が遅くなったときは消化の良いメニューにしたりと工夫してみましょう。
6.お風呂は適温で
お風呂に入ることは体温を一時的に上げるので、運動と同様に寝つきをよくする効果があります。しかし熱すぎるお湯では交感神経が活性化され逆効果です。寝る2時間前までを目安に適温のお風呂に入り、体温が徐々に下がった状態で布団に入ることを心がけましょう。
7.寝る時間を決める
平日も休日も、毎日同じ時間に寝るようにしましょう。またそれまでのお風呂や歯磨き、絵本の読み聞かせなどのルーティンも毎日同じにするようにします。1時間前から間接照明を使うなど、寝る準備を整えていくようにしましょう。
8.寝る前はプラスのことだけを考える
せっかくそれまで眠るための準備をしてきても、布団に入ってからマイナスなことを考えると睡眠の質が低下してしまいます。子どもと布団に入ったら、その日楽しかったことや良かったことを話題にして少し会話してみましょう。子どもが心配事や嫌な思い出を話題にしてきたら、少し励まして、翌朝になってからしっかりと聞いてあげてください。「お母さん(お父さん)がいるから大丈夫だよ。明日の朝、たくさんお話ししようね」と子どもを安心させてあげることが大切です。もしプラスの出来事が思いつかない場合は、「今日も元気で過ごせた」「お片付けができた」など、小さな出来事でも褒めてあげるといいでしょう。
睡眠を助けるおすすめグッズ
子どもの寝つきの悪さや寝相に悩んでいる方は、睡眠を助けるアイテムを取り入れてもいいかもしれません。おすすめのグッズを紹介します。
天井いっぱい ! おやすみホームシアター
タカラトミーと日本音響研究所が共同開発した、寝かしつけのための「ぐっすりメロディ」を搭載したホームシアターです。柔らかい幻想的な光と、子どもの呼吸に合わせた優しい音楽で副交感神経を有効に働かせ、眠りへと導きます。
suu gooスーグーぼくのわたしのまくら
西川リビングが子どもの健やかな眠りを考えて開発した、睡眠環境科学研究所監修の枕です。子どもの成長に合わせて高さを調節することができ、中材を出し入れして寝心地を微調整することも可能です。
アーチピローKIDS
2本のアームがしっかり包んでくれ、腕枕のような安心感を味わえる「抱かれ枕」です。柔軟性のある素材のため寝返りを妨げることもありません。補充用の調整素材が付属しており、子どもの成長に合わせて部分ごとに調整できるようになっています。
AMOMA(アモーマ) ベビースリープ
心を落ち着かせ、安らぎを与えてくれる精油を配合した、夜泣き対策アロマです。子どもだけでなく、大人もゆっくり休める香りで、布やティッシュに含ませて枕元に置けば優しい香りに包まれます。
すやすやタイムローション
赤ちゃんが心地よく眠るための環境づくりに着目して開発されたボディローションです。リラックス効果があるアロマ成分が配合されており、保湿と睡眠対策が同時に叶います。同じシリーズでベビーソープも販売されています。
さいごに
質の高い睡眠は、子どもの成長や発達のためにとても大切です。今回紹介したことをできることから実践してみてください。そして質の良い睡眠が大事なのは大人も同じ。家族みんなの健康のためにも、良い習慣を心がけてみましょう。