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【小1プロブレム】ってなんのこと?原因や対策を紹介

原のどか
2023/03/24 06:03
小学校入学直後に見られる「小1プロブレム」。保育園や幼稚園などから卒園した後に、小学校での学習環境や決まりごと、雰囲気などになかなかなじめず、集団行動をとることができなかったり問題行動を起こしてしまったりという現象が長く続くことをいいます。実はどの子にも起こりうる問題だと知っていましたか?今回は、この小1プロブレムが起こる原因や対策についてご紹介します。

小1プロブレムってなんのこと?

桜の画像

小学校に上がる時期が近づきランドセルを買ってウキウキした気持ちが生まれると同時に、「小学校生活にちゃんとなじめてやっていけるかな?」と心配するママパパも多いのでは?実際、平成30年の奈良県の調査によると、小学校生活にスムーズに入れなかった子どもがいると答えた1年生の担任教諭は74%いることが報告されています。

「小1プロブレム」とは、保育園や幼稚園などを卒園した後、小学校での生活や雰囲気になじむことができず、落ち着かない状態が数か月続くことをいいます。「うちの子は物分かりもいいし聞き分けもいいから大丈夫」と読み流してしまうママパパは要注意!実は、表面上は問題なさそうに見えても表に出せないストレスを抱えていて、急に不登校になってしまう子どももいるんですよ。

・奈良県|育ち合い、学び合いつなげよう未来へ(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/05/07/1416252_8.pdf

小1プロブレムが起きるとどうなるの?

子どもが悲しんでいる画像

もしかしたらわが家もぶつかってしまうかもしれない小1プロブレム。起きてしまうと何が問題となるのでしょうか。

正常な授業が進行されない

小1プロブレムでまず例として挙がるのが、教室を歩き回るという行動です。椅子に座って黙ってじっと授業を受けたり、先生の指示通りに動くことができなかったりすることで、正常に授業を進行することも、子ども自身が正常な授業を受講することもできなくなります。

学力の低下につながる

授業がうまく受けられないことが、学力の低下につながります。一つの躓きが入学初期だけで解決できればよいのですが、そのまま不登校に陥る子も少なくありません。不登校が続くと学習の遅れが蓄積され、学ぶ楽しさも質もどんどん低下していきます。

人格形成にゆがみがおきる

  小学校からは集団行動がメインです。集団行動が中心になるという生活パターンの変化により、集団行動に慣れていない子どもたちは叱られる機会が増えてしまいます。授業中に歩き回ったりしゃべったりするといった行動は、さらに叱られる機会を増やしてしまうことも。

小1プロブレムでは、本人は悪いことだと理解できていない場合が多いです。何をしてもいつも叱られる状況は性格のゆがみを引き起こすこともあります。

過ごす環境も子どもの人格形成に及ぼす影響は大きいといわれているので、気をつけてあげたい点ですね。

小1プロブレムはどうして起こるの?

絵文字の画像

子ども自身にも学ぶ環境や質にも影響を及ぼしてしまう小1プロブレムは、どうして起こるのでしょうか?原因として大きく3つ挙げられます。

原因1:日中の過ごし方にギャップがあるから

保育園や幼稚園では遊ぶことが中心でしたが、小学校に上がると勉強中心の生活へと急激なスケジュールの変化があります。

それまでは自由にあそんでいた時間が、椅子に座って授業を受けて考える時間に変わることで戸惑いが生まれ、子どもが集中できずに落ち着きがなくなると考えられています。

小学校では45分授業を受けて5分休憩するというのが一般的ですが、子どもによっては時間の拘束があるということ自体が初めての経験という場合も少なくありません。

普段から時間を気にする生活へシフトチェンジする必要がありますね。

原因2:集団行動が増えるから

こちらも保育園や幼稚園と小学校での生活の仕方の大きな違いです。

保育園や幼稚園では、担当制保育といって、3~4人の子どもの保育や身の回りの世話を1人の担当保育士が受け持ち、個人の成長スピードや行動に対して細かな個別対応が可能でした。しかしながら小学校では1人の先生が35人の児童をみなくてはいけません。

人数が多いと目が届きにくくなり、子どもが自由な行動をとりやすい状況が生まれます。入学したばかりの子どもは、まだ自分で判断して行動する力が身についていません。先生の誘導がある程度必要ですが、個人個人に合った誘導や指導は難しくなるのが現実です。

保育園や幼稚園の集団行動と小学校での集団行動では意味合いが変わるので、そこに生まれるギャップも子どもにとってはストレスの1つなのですよ。

原因3:コミュニケーション能力が十分ではないから

核家族化と少子化が社会的に進んでいることで、ひとりっ子の家庭が増え、親以外の人と関わることが減りました。このことで、兄弟間の衝突や年長者に接するというようなコミュニケーションを学ぶ機会の現象が生まれています。

コロナ禍も相まって、地域の関わり方や新しい親同士のつながりを持つ場も変わり、ますます子どもがコミュニケーション能力を磨く場が減ってしまいました。それがコミュニケーション能力の不足や低下につながっています。このような社会的背景が友だちの作り方や年下・年上との関わり方を習得できにくい事態を招いているのですね。

小1プロブレムを防ぐ対策はあるの?

家族の写真

わかっていても誰に起きるかわからない小1プロブレム。少しでも防ぐための対策はあるのでしょうか?ここからは、保育園・幼稚園や小学校で実際に行われている対策と、家庭でもできる対策をご紹介します。

保育園・幼稚園・小学校でできる対策

保育園・幼稚園と小学校が連携することが、国としてできる小1プロブレムを防ぐ対策といわれています。

文部科学省を中心に「幼保小連携・接続」の動きが高まり、現在は5歳~小学1年生向けの「幼保小の架け橋プログラム」の取り組みが進められています。5歳児に向けてはアプローチカリキュラム、小学1年生に向けてはスタートカリキュラムが作られ、実践されているところです。

・アプローチカリキュラム

アプローチカリキュラムでは小学校の教育を意識し、例えば園での劇ごっこやお店ごっこで友だちと協力して遊ぶ経験を、砂場遊びや遊具遊びで創造的な思考の基礎を培う経験を、実際に小学校へ行って探検したり生活をのぞいたりすることで就学への期待が膨らむ経験をさせています。

一方で、この取り組みが義務教育の前倒しや教育の一律さを押しつけているとの声も挙がり、保育園・幼稚園ではなかなか進まないのが現状です。

・スタートカリキュラム

スタートカリキュラムでは生活科を中心に、自己紹介遊びや学校探検、リズム遊びなどを取り入れ、安心して小学校生活をスタートさせるための取り組みを行っています。最初は小学校に慣れることからはじめ、少しずつ教科の学習へ移行することで、学校生活への適応力や人と関わる力、学ぶ力や学びの芽を養おうという考えからです。

小学校入学からしばらくは短時間授業になるのは、こういった文部科学省の取り組みがあってのことなのですね!

家庭でできる対策

保育園や幼稚園、小学校で対策をしているといえど、実際すぐに状況を改善するのは難しいものです。家庭でできる対策はないのでしょうか。

・家庭を安心できる場所にする

家庭でできる一番の対策は、子どもの様子を普段から意識的に気にしてあげることです。例えば親が今日の出来事を優しく聞いてあげたり、子どもと共に規則的な生活を送ったりすることが挙げられます。親に共感的に話を聞いてもらえることで子どもはストレスを消化したり、早寝早起きなどの規則的な生活を送ることによって精神衛生を保ったりすることができます。家庭が子どもにとって安心できる場所という認識を持てば、不登校や学校への行きしぶりを防ぐことにつながるでしょう。

・基本的生活習慣を身につけさせる

食事・睡眠・排泄・清潔・衣服の着脱の5つの基本的生活習慣を身につけさせるのも大切です。トイレにスムーズにいける、着替えを誰の手も借りずにできるなど、生活動作が自主的かつスムーズにできることが、子どもが集中して授業に入るためには重要です。

家庭でも小学校生活に慣れるような練習を前もってしておけば、親も子どもも心構えができますね。

さいごに

他人事として放っておけない問題でもある小1プロブレムは、起きてしまうと子どもだけでなく親も苦しむことになってしまいます。保育園・幼稚園と小学校が連携して子どもがスムーズに小学校生活を送れるようにすることや、家庭で子どもが安心して過ごせる場所を作ってあげること、基本的な生活習慣を身につけさせておくことが、小1プロブレムを未然に防いで子どもを守ることにもつながります。原因と対策を知って、起こりうる問題に備えておくと心強いですね。

参考サイト

    この記事の著者
    原のどか(peekaboo)
    ライター
    お父さんラブな甘えん坊男児と初めての育児に奮闘中の30代転勤族。趣味の「神社仏閣でおみくじを引くこと」を楽しみに、行く先々で家族を連れまわして開拓しています。育児も人生もなんとかなるをモットーに、困ったことも楽しみながら情報を発信していきます!
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