新生活が始まる時期は子どものストレスに要注意!SOSサインや対処方法は?

子どもにとって新生活は不安な環境
入園・入学などの新生活の場は、子どもにとって安心できる人のいない環境です。不安な環境は、新生活での子どもの不安やストレスを生む大きな原因のひとつとなっています。たとえすぐ周りの環境に適応しているように見える子どもでも、実は周りにいる同級生や先生が、自分にとって安心できる存在なのかを無意識に探りながら生活をしていることも。これがストレスになってしまう子もいます。
子どもが新生活でストレスを感じるポイントとは?
新生活という不安な環境で子どもがストレスを感じるポイントは、同じ新生活でも入園と入学で少し違ってきます。それぞれのストレスが生まれるポイントを確認してみましょう。
入園で感じるストレスが生まれるポイント
子どもが保育園や幼稚園に入園する場合、友だちとおもちゃを分け合ったり、順番で使ったりというようなルールを守ることが必要になります。このような、集団生活に適応できるかどうかは、ストレスが生まれるポイントです。親も気になって不安になってしまうこともあるでしょう。
幼稚園に入園するとき、一緒に遊ぶ人数が一気に増えます。普段近所の公園で他の友だちと多少遊んだことがあるから大丈夫だと思っていた子どもでも、戸惑いを感じる子も少なくありません。入園したてでは先生とも信頼関係がまだできておらず、子どもがすぐに困りごとを相談できる環境ではないため、「誰に伝えればいいの?」とストレスを感じる子どももいるようです。
入学で感じるストレスポイント
それまでの幼稚園や保育園、家庭保育とは違い、小学校ではよりしっかりしたルールの集団行動が求められます。自由に遊んだり席を立ったりということが制限されることで、ストレスを感じる子どもが多いです。また、周りと自分を比べ始める年齢になるため、授業の理解度や成績を他の子と比べて落ち込むということもあります。
子どもが発するストレスへのSOSサイン
新生活でストレスを感じた子ども自身が、親や先生に助けを求められればよいですが、ストレスを受けているということを自ら表現できる子どもは少ないでしょう。そこでポイントとなるのが、子どもが直接的な言葉以外に発している、ストレスへのSOSサインです。
気付いてあげたい心の変化
大人がストレスを受けて五月病などになると精神症状に現れますが、子どもは体や態度に現れます。例としては、怒りっぽくなった、急に落ち込むことが増えた、感情の起伏が激しくなったといったものです。一番わかりやすいのは、好きだった遊びやテレビ番組への興味を無くしたというもので、ストレスを感じているときの最初のサインと言われています。
子どものストレスは身体に現れやすい
食欲減退、便秘や下痢などの排泄異常、熱、寝つきが悪くなる・朝起きられない・すぐ眠くなるなどの睡眠の変化は特に子どもがストレスを感じているときに見られやすいSOSサインです。パパママが日頃から普段と様子が違っていることはないかをよく観察して気付いてあげることが大切ですよ。
子どもがストレスを感じたときの対処方法は?
子どもがストレスを感じていることに気づいたときに、親は子どもをどうケアすればよいのでしょうか。対処方法を4つご紹介します。
聞いてくれるという安心感を与える
子どもが新生活でストレスを感じているとき、何に対してストレスを感じているのか親がすぐにキャッチしてあげることが必要です。そのためには、子どもが日頃の生活や感じていることを親に話しやすい環境や空気を整えておくことが大切です。親子時間を大切にし、子どもの言葉に耳を傾けることはもちろん、聞いているという姿勢を見せることも安心感につながります。子どもが言いたいことを先回りして言ってしまうのではなく、子どもの言葉をそのままオウム返しで繰り返してあげることも有効です。特に、スキンシップは年齢を問わず安心感を与えることに有効なので、言葉に詰まった子どもを抱きしめてあげるだけでも十分安心感につながりますよ。
子どもの予定に見通しを立ててあげる
幼稚園児や保育園児の場合、大事なのが予定に見通しを立ててあげることです。帰宅時間やお迎えの時間など、具体的な時間の見通しを立ててあげることで、終わりが見えて子どもは安心できます。もし時間の約束が守れなかった場合は、子どもに謝って理由を伝えることで親への信頼感の構築に繋がります。
お迎えに行ったら「頑張ってきたね!」などと褒めてあげることも、親と離れているときの自信になって、子ども自身にストレス耐性がつくことに繋がりますよ。
子どもが今できていることを褒める
小学生の場合、特に大事になってくるのが、子どもが今できていることを褒めてあげることです。例えば算数ができないことにストレスを感じている子どもであれば、今できている1桁の足し算ができていることを褒め、次に少しの頑張りで達成できそうな1桁の引き算ができるように目標を立てて、それができるようになったらまた褒めてあげます。これを繰り返すことで、できる喜びを感じながら成長することができ、チャレンジすることが楽しいと思えるようになります。やればできるという自信をもつことで、他の教科にも意欲的に取り組めるようになる子どもも多いようですよ。人と比べるのではなく、過去の子ども自身と今の成長を比べてあげることが大切です。
規則正しい生活生活を送る
3食必ず食べて栄養補給をしたり、早寝早起きをしたりという規則正しい生活は、体調を整えることだけでなく子どもの様子を観察することに役立ちます。生活を規則正しく送っていると、普段と違う様子であればすぐ気づけるようになり、早く対応してあげることができます。
親自身も新生活を迎える対策をしておく
ここまでは子どもが新生活を迎えるにあたって、子どもに注目してストレスを感じるポイントやストレスを感じたときの対策について解説してきましたが、親自身が新生活を迎える準備をしておくことも必要です。親が注意しておきたいポイントを4つご紹介します。
自分自身を追い込みすぎない!息抜きも大切に
新生活で不安定になりやすい子どもを支えるためには、親自身が余裕を持つことが大切です。親も切羽詰まっていると、子どもが発しているSOSサインに気づくことができません。新生活がなかなかうまくいかない、不安なことがたくさんあるのは当たり前です。うまくいかない場合でも少し肩の力を抜いて、自分の今の状況や心と身体の状態を認めてあげましょう。未就学児の家庭であれば、ファミリー・サポートや一時預かりなどを利用して、自分のストレス発散時間を確保することも大切ですよ。
周りの大人と子どもの状況を共有しよう
一人だけで子どもを見るのは大変です。不安なことは連絡帳や面談で先生に相談することで、より多くの大人の目を子どもに向けて、協力して見守っていくようにすると、気が楽になりますよ。担任の先生、保健師の先生やスクールカウンセラーなど、学校や園の先生だけでなく、保護者同士で協力するのも一つの方法です。
同じ境遇・体験をした先輩保護者の話を聞いてみよう
自分が子どもに対して困っていることは、たいてい他の保護者も困っていることが多いものです。友人の先輩ママや、上の学年に兄弟がいる保護者、同じクラスの保護者など、同じ境遇や体験をしたことのある保護者の話を聞いてみると、共感やアドバイスが得られます。対処や解決方法、これから訪れるであろう問題などを経験談として得られれば、ある程度構えることができます。
同じ園や学校でなくても、教育サイトの掲示板や相談サイトに寄せられた他の保護者の悩み事や体験談から得られるものもあるかもしれません。参考にするのも一つの方法です。
さいごに
新生活が子どもにもたらすストレスについて、子どもがストレスを感じているときのサインやストレスの対処方法を解説してきました。しかしながら、ストレスは子どもが成長するために必要なものでもあります。ストレスの乗り越え方を学ぶことも大切なので、すべてのストレスを無くそうと思わないことが親自身にとっても大切ですよ。ストレスを乗り越える力は、社会で生きていくための能力にもなるので、子どものSOSサインに気を配りながら、これから始まる新生活に子どもと一緒に挑んでいきましょう。
