子どもに愚痴をいってはいけない?愚痴が子どもに与える影響と愚痴を控える方法
愚痴はいってはいけないの?
愚痴とは「言っても仕方ないことを嘆くこと」をいいます。愚痴の内容は、夫婦関係や育児、仕事、人間関係などさまざまです。「つらい」「悲しい」という自分の気持ちをこぼすことで、多少気が晴れる人も多いのではないでしょうか?
また愚痴は悪口と混同されることもありますが、悪口とは「ほかの人を悪く言うこと」で攻撃性のある言葉であり、愚痴とはニュアンスが異なるそうです。つまり「仕事が大変」というのは愚痴になりますが「上司がむかつく」というのは悪口に当たるということでしょう。
愚痴をこぼすことは、実は悪いことではないといいます。心が疲れたとき、愚痴をいうことで心が軽くなり、また前向きに頑張ることができるようになるかもしれません。愚痴をこぼさず頑張り続けると、ストレスで心を壊してしまうことも。
そうならないよう息抜きやリフレッシュの一環として、信頼できる相手に愚痴をきいてもらう時間も必要なのかもしれませんね。
愚痴が子どもに与える影響
愚痴をいうこと自体は悪いことではないといわれていますが、子どもに愚痴をこぼすのはおすすめできません。それでは、子どもに愚痴を言うとどのような悪影響が懸念されるのでしょうか?
ストレスを与える
大人の場合、愚痴がどういうものなのかわかっているため、軽く聞き流すこともできますが、子どもは愚痴を正面から受け止めてしまいます。そのため日常的に愚痴を聞かされることで、子どもは緊張状態にさらされることになり、ストレスを抱えてしまうことも。
ママやパパが子どもに愚痴を聞いてもらって心が軽くなる代わりに、子どもに重荷を背負わせてしまうことになりかねないのだそうです。
価値観をゆがめる
子どもはママやパパの言葉をそのまま受け止めるため、親の愚痴が子どもの価値観に影響を与えてしまう可能性があります。例えば、子どもに仕事の愚痴を多く聞かせていると、子どもに「仕事は嫌なもの」だというイメージをすりこんでしまい、将来仕事に前向きに取り組めなくなる可能性も。
また常に似たような愚痴を聞かされ続けると、将来を悲観したり、無力感にさいなまれたりすることもあるかもしれません。
愚痴を聞くことに義務感を抱く
子どもに頻繁に愚痴をこぼしていると、子どもは愚痴を聞くことを義務として認識することがあるといいます。「愚痴を聞くのはつらいけれど、ママのために聞いてあげなくちゃ」などと自らを犠牲にすることに自身の存在価値を見出し、共依存状態に陥ってしまう可能性も懸念されます。
子ども自身も愚痴を多くこぼすようになる
親が愚痴をいうことでストレスを解消していると、子どももまた同じように、ストレスを愚痴として吐き出すようになるかもしれません。そうして子どもが親になったとき、自身が子どものころにされたように、我が子に愚痴をきかせるという悪循環につながってしまうことも珍しくないようです。
親子の信頼関係を損なう
子どもに対してパートナーの愚痴を頻繁に聞かせると、子どもは愚痴の対象となる親に対して不信感を抱くようになるかもしれません。そうして夫婦間だけでなく、親子間の信頼関係も損なってしまう危険性があります。
パパ・ママが愚痴をいうデメリット
頻繁に愚痴をこぼすことは、子どもだけでなく親自身にも弊害がともなう可能性があります。それでは、具体的にどのようなデメリットが考えられるのでしょうか?
相手にストレスを与える
子どもに限らず、愚痴を聞かされると多かれ少なかれストレスを感じてしまうものですよね。愚痴が多いと、気づかぬうちに周囲へストレスを与えてしまう可能性があり、場合によっては人間関係が良好に保てなくなるかもしれません。
根本的な問題が解決しない
愚痴をいうと一時的に気持ちは軽くなりますが、だからといって根本的な問題が解決するわけではないですよね。愚痴をいうとそれだけで満足してしまい、解決への努力をしない場合も多いといいます。
そのため時間が経つと解決しなかった問題によってまたストレスが蓄積され、愚痴を言って解消するというループに陥ってしまうのでしょう。
ネガティブ思考になる
愚痴というのは「つらい」「悲しい」というネガティブな気持ちを口にすること。そんな愚痴に対して話した相手が親身になってくれると、それを成功体験と認識してしまいかねないといいます。
そうしてより相手の共感を得ようと愚痴が増えることで「あれもこれも嫌だ」とどんどんネガティブ思考に陥ってしまう可能性が懸念されます。
愚痴を控える方法
愚痴を適度に聞き流せる相手に対してたまに愚痴をこぼすのは、良い気分転換になるかもしれませんが、頻繁に愚痴をいうのは相手にとっても自身にとっても害となってしまうかもしれません。
また愚痴をいうことが日常化してしまうと、気を付けていても気づかぬうちに子どもに愚痴を聞かせてしまう可能性もあります。しかしただ愚痴を我慢するだけでは、ストレスが溜まってしまいますよね。
それでは、ストレスを抱え込まずに愚痴を控えるためにはどうすればいいのでしょうか?
愚痴以外のストレス解消法を探す
趣味やスポーツなど、愚痴以外の方法でストレスを発散する機会を作ることをおすすめします。好きなお菓子を食べたり、ゆっくりとお風呂に入ったり、思い立ったらすぐに実践できるストレス解消法をいくつか考えておいてもいいですね。
また愚痴を言いたくなったら、SNSなどに書き込む人もいるといいます。ただしSNSは不特定多数の目に触れる可能性があるため、誰かを傷つけるような書き込みや、2人に見られたら困る内容は投稿しないよう注意が必要です。
視点を変える
愚痴の対象となる事柄について、普段と違う目線を持つことも効果的だといいます。例えば「休日に夫が遅くまで寝ている」ことに不満がある場合「いつまでも眠っていて腹が立つ」と感じるよりも「いつも仕事を頑張って疲れているんだ。ありがたいな」と考えた方が気持ちが楽になるのではないでしょうか?
また愚痴を言いそうになったら、愚痴を言わない自分をイメージしてみるのもおすすめです。前向きなイメージを持つことで、物事をポジティブに考えられるかもしれませんよ。
紙に書きだす
つらい気持ちになったら、感情のまま自由に気持ちや考えを紙に書きだしてみてはいかがでしょうか?紙に書くことで、自分の感情を客観的に分析し、根本的な問題を解決する方法を見つけられるかもしれません。
専門家に話を聞いてもらう
どうしても愚痴を言いたい場合は、思い切ってカウンセラーなどの専門家に話を聞いてもらうのもおすすめです。お金を支払う分、心置きなく愚痴をいうことができそうですね。友人や家族に愚痴を言いすぎると、その後の関係に支障をきたす可能性が懸念されますが、客という立場ならそういった関係性も気にせずにすむでしょう。
さいごに
忙しない日常の中で、つい愚痴をこぼしたくなるときもありますよね。しかし軽い気持ちで言った愚痴が、子どもを苦しめてしまう可能性があります。子どもの心を健やかに育むためにも、子どもに愚痴をいうのは控えてくださいね。