幼稚園での勉強の内容は?保育園とはどう違う?
幼稚園での勉強の内容
幼稚園では、どのような勉強が行われるものなのでしょうか?園によって行われる勉強内容は異なりますが、一般的なものをご紹介します。
遊びを通した学習
幼稚園では小学校のような授業という形ではなく、遊びを通して幅広いことを学ぶところが多いといいます。算数や国語といった教科ではなく、集団生活を送る上でのルールを学んだり、身の回りのことを自分でやる練習をしたりと、子どもの生きる力を育てる教育が主流となります。
また製作活動などを通して感性や表現力を伸ばしたり、生き物や植物のお世話や縦割り保育などによって思いやりの心を育んだりする園も多いでしょう。
英語教育
幼稚園での英語教育は、子どもの語学力を伸ばすためではなく、英語に親しむことを目的に行われることが多いといいます。内容は幼稚園によってさまざまですが、ダンスや体操、遊びなどを楽しむなかで、英語に慣れることができるかもしれません。
体操
幼児期に体操をすると、子どもの体力や運動能力を伸ばすだけでなく、脳の発達や健やかな身体作りなど、さまざまな効果が期待できるといいます。幼稚園では、なわとびやボールなどの道具を使って身体を動かしたり、跳び箱や鉄棒などで全身を使った運動をしたりすることが多いのだとか。
筆者の子どもの通う幼稚園でも、スポーツ教室から講師を招き、週に1度体操の時間が設けられています。見学会に参加した際には、マット運動や平均台など、想像以上にしっかりとした体操をしている姿に驚いたものです。
幼稚園の種類別の勉強内容
幼稚園はおおまかに「のびのび系」と「お勉強系」にわけられるといいます。それぞれ勉強内容には、どのような違いがあるのでしょうか?
のびのび系幼稚園の場合
のびのび系幼稚園では、さまざまな体験活動や遊びを通して、子どもに学びの場を提供することが多いといいます。子どもの自主性や個性を重んじる園が多く、なかには活動内容を子ども自身が自由に決められる園もあるようです。
お絵描きや製作など、学習の基盤づくりにつながる活動が多く設けられていたり、農業体験や自然遊びなどを積極的に行ったりする幼稚園もあります。ちなみに、筆者の子どもの通う幼稚園ものびのび系で、大きく伸びたタケノコを使って豪快に遊んだり、果物狩りや芋堀りをしたりと多くの体験活動を行っています。
ただのびのび系ではありますが、年長からはひらがなの勉強や知育ドリルをする時間が設けられています。勉強内容は「のびのび系」「お勉強系」のなかでもそれぞれ施設によって異なるため、幼稚園選びの参考にしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに公立の幼稚園の多くは、のびのび系寄りだといいます。
お勉強系幼稚園の場合
お勉強系の幼稚園では、小学校生活を意識した早期教育が行われることが多いようです。具体的な勉強内容は園によってさまざまですが、なかには小学校2年生程度の勉強まで進めるところもあるのだとか。
小学校の授業のように机に向かう勉強の時間を多く設けている園もあれば、遊びを通した先取り学習を中心に行う園もあります。小学校の授業内容を前もって身に付けておくことで、入学後スムーズに学校生活になじむことができるかもしれません。
お勉強系の幼稚園では、プリントやカードなどを通して、運筆力やひらがな、数字、物の数え方、簡単な足し算引き算を学んでいけることでしょう。
お勉強系幼稚園の学習目標
お勉強系の幼稚園では、年齢別にどの程度の学習目標を設定しているのでしょうか?園によって差はありますが、おおまかな目安をご紹介します。
3歳
お勉強系幼稚園での3歳の学習目標は「自分の名前や年齢を言える」「日常的な挨拶や返事ができる」「1~5までの数を数えられる」「ハサミが使える」「丸や四角を書ける」などが挙げられます。
ほかにも「規則正しい生活ができる」「身の回りのことを自分でやろうとする」「おむつが外れる」など、生活面の目標も設けられていることがあります。
4歳
4歳では「自分の名前・年齢・誕生日が言える」「目を見て対話ができる」「自分の意思を言葉で伝えられる」「話の内容・順番を記憶できる」「10までの数を数えられる」「曲線をハサミで切れる」などが学習目標となることが多いでしょう。
また生活面では「箸が使える」「自分で排泄ができる」「簡単に脱いだ衣類をたためる」といった目標が掲げられるかもしれません。
5歳
5歳では「自分の名前・年齢・誕生日・住所・電話番号が言える」「ですます調を使いこなせる」「ある程度しりとりをつなげられる」「10までの簡単な足し算・引き算ができる」「文房具の使い方を理解する」などの学習目標が挙げられます。
ほかにも「雑巾などを正しく扱える」「積極的にお手伝いをする」「箸を使って食事ができる」などを目標とする園も少なくありません。
幼稚園と保育園の勉強内容の違い
幼稚園と保育園では、勉強内容に違いはあるのか気になりますよね。そもそも幼稚園と保育園には、多くの違いがあります。幼稚園は文部科学省が管轄し、教育を目的に運営されています。一方保育園は厚生労働省の管轄となり、福利厚生が主な目的に当たります。
そのため幼稚園では園によってさまざまな特色のある教育が行われますが、保育園では保護者を支えるために子どものお世話とともに基本的な生活習慣を身に付けるための教育などが主流となるようです。
ただし保育園の中には、カリキュラムの一環としてひらがなや数字を学んだり、体操やピアノ、英会話などの時間が設けられていたりすることも。勉強内容は園によって大きく異なるため、幼稚園だから保育園だからとあまり違いを感じない人も多いといいます。
また保育園に通う子どもたちは、幼稚園よりも年齢の幅が広いですよね。そのため、異年齢の子どもと接する中で、子どもの社会性を伸ばしていけるかもしれません。
さいごに
幼稚園の勉強内容は園によって大きく異なるため、幼稚園選びの際にしっかりとチェックしておくことをおすすめします。子どもの効果的な学びのために、幼稚園と家庭できちんとと連携をとることが大切だといわれているので、園の方針が家庭の教育方針と合っているかどうかも確認しておくと安心ですね。