幼児期に身に付けたい生活習慣とは?生活習慣の身に付け方とポイント
幼児期に身に付けたい生活習慣
子どもが健やかに成長するため、生活習慣を整えることは大切だといわれています。それでは、どのような生活習慣を身に付けることが求められるのでしょうか?
基本的な生活習慣
「睡眠」「食事」「排泄」「清潔」「衣類の着脱」といった日常生活の基盤となる生活習慣は、子どもの発達や健康に大きな影響を与えるといわれています。それぞれの項目について、おおまかに意識したいポイントをご紹介します。
★睡眠
近年夜型生活や睡眠不足の子どもが増加傾向にあるといいますが、早寝早起きを心がけ、十分な睡眠をとることは子どもの健康や成長にとって大切だといわれています。夜更かしが習慣化していると、なかなか朝方の生活に切り替えることは難しいかもしれませんが、早寝よりも早起きから意識すると改善につながりやすいかもしれません。
また朝日を浴びせたり、大人も朝型の生活を心がけたりと、環境を整えてあげることも大切なのだとか。
★食事
一日3食、バランスの良い食事をとることが重要だといわれていますが、最近は朝食をとらない子どもも少なくないそうです。しかし朝食を食べる子どものほうが、食べない子どもに比べてテストの結果が良い傾向があるという調査結果もあるように、朝食は子どもにとって大切なエネルギー源だといえるでしょう。
朝ごはんを食べるのが苦手な子どもの場合は、好きなものを少量ずつから始め、徐々に量を増やしてみることをおすすめします。また食事を楽しめるよう、家族で食事をする時間を作ることも大切なのかもしれません。
★排泄
子どものおむつ外れの時期には個人差が大きいですが、2歳半から3歳半頃に外れる子どもが多いようです。なかなかトイレトレーニングが進まないとついイライラしてしまうかもしれませんが、そうしたプレッシャーは子どもに負担となってしまいかねないといいます。
トイレに失敗したからと子どもを責めたり、ほかの子どもと比較して焦ったりせずに、子どものペースに合わせてトレーニングを進めてあげましょう。親子ともにトレーニングがストレスになるようなら、一旦お休みしてから仕切り直してもいいかもしれません。
★清潔
身体を清潔に保つことは、健康を守るうえで大切なことだといわれています。手洗いやうがい、歯磨き、入浴などといった清潔を保つための生活習慣を身に付けるとともに、身だしなみを整えることの気持ち良さを教えてあげたいものですね。
★衣類の着脱
子どもの着替えは、2~3歳頃から教える家庭が多いようです。伸縮性があり、子どものが自分で脱ぎ着しやすい衣類から練習を始め、慣れてきたらボタンがついている服などにも挑戦してみてはいかがでしょうか?
子どもが前向きに着替えの練習を楽しめるよう、子どもの好きな服を選ばせてあげてもいいですね。また、脱いだ衣類を簡単にたたむ練習も幼児期にしておくと、小学校の体育の授業などで着替えるときに役立つことでしょう。
社会的生活習慣
「公共の場で騒がない」「きちんとあいさつをする」「順番を守る」など、社会的なルールやマナーを守ることは社会で生きるために必要なことですよね。幼児期にそうしたルールに沿った社会的生活習慣を身に付けることも、重要だといえるでしょう。
ただ頭ごなしにルールやマナーを守ることを強要するのではなく、どうして守る必要があるのか子どもにわかりやすい言葉で説明してあげると、受け入れてもらいやすいかもしれません。
子どもの生活習慣の身につけ方
子どもに生活習慣を教えるときは、下記の3つのステップを意識してみてはいかがでしょうか?
1:お手本を見せる
まずは大人がお手本を見せてあげましょう。簡単な言葉で実況するように目の前で実践してみせると、よりわかりやすいかもしれません。子どもの興味をひくきっかけにもなりそうですね。
お手本を見せるときは、子どもに手順がわかりやすいよう、普段よりもゆっくりと動くことをおすすめします。
2:いっしょにやってみる
いくらお手本を見せたからといって、いきなり一人でやらせるのは難しいもの。まずはママやパパがサポートしながら、いっしょにやってみてくださいね。手順を一つ一つ確認するように、子どものペースにあわせてあげるのがポイントかもしれません。
3:自分で挑戦させる
子どもがおおよその手順を理解できたら、ひとりで挑戦させてみてはいかがでしょうか?なかなかうまくできずにもどかしく感じられるかもしれませんが、余計な手出しや口出しは極力控え、子どもの頑張りを見守ってあげてくださいね。
途中でやり方がわからなくなってしまったら、また改めて確認するといいでしょう。
子どもに生活習慣を教えるときのポイント
子どもに生活習慣を教えるときは、どのようなポイントを意識すればいいのでしょうか?
親が手本となる行動を心がける
いくら子どもに生活習慣を身につけさせようとしても、大人がしていないことを子どもだけにやらせるのは難しいもの。早寝早起きを心がけたり、清潔な状態を維持したり、挨拶をしっかりしたりと、子どもの模範となる行動を意識してみてくださいね。
遊び感覚で教える
子どもに生活習慣を教えるときは、遊びの延長のような形で楽しく教えてあげてはいかがでしょうか?頭ごなしに命令すると、子どもの反発を招くだけでなく、子どもを追いつめることにつながりかねません。
子どもがなかなか寝ないからといって「早く寝なさい!」と𠮟りつけるのではなく「ぬいぐるみのうさぎさんが眠たいんだって。〇〇ちゃん、いっしょに寝てあげてくれる?」「お布団でどの絵本を読もうか?」など、子どもが前向きな気持ちで行動できる声かけを意識してみてはいかがでしょうか?
言葉で丁寧に説明する
生活習慣を身につけることの重要性は、大人であれば常識として知っているかもしれませんが、子どもにとっては「どうしてそうしなくてはならないのか」よくわからない場合もあるといいます。
子どもにとってわかりやすい言葉を意識しつつ、どうしてその生活習慣が大切なのか丁寧に伝えてあげてはいかがでしょうか?そうした理由に納得できれば、子どもも積極的に生活習慣を身につけるために練習に励むことができるかもしれません。
環境を整える
子どもが手洗いや歯磨きをしやすいように洗面台に踏み台を用意したり、子どもが使いやすい食器を用意したりと、子どもが頑張りやすい環境を整えてあげることも大切でしょう。また子どもが練習に集中しやすいよう、子どもの興味をひくおもちゃなどを目につかないところに片付けておくこともポイントのひとつです。
時間に余裕を持つ
大人でも初めて挑戦することや慣れないことをするときは、どうしても時間がかかってしまいますよね。子どもも同様に、生活習慣に慣れるまではなかなかスムーズに行動することは難しいでしょう。
そのため、子どもの行動には時間がかかるものだということを考慮して、時間に余裕を持って行動することをおすすめします。どうしても急がなくてはならないというときもあるかもしれませんが、そのときは「今日は時間がないから、いっしょにやろうね」などと声をかけ、子どもの手助けをしてあげてもいいでしょう。
状況に応じて臨機応変に対応し、あまりママやパパ自身を追い詰めないようにしてくださいね。
子どものペースを大切にする
新しい習慣を身につけるためには、想像以上に長い時間がかかるといいます。また生活習慣を身につけるまでにかかる時間は、子どもによってさまざまです。すぐにできる子もいれば、反対に時間をたっぷりかける必要がある子どもも。
生活習慣に限らず、子どもの成長や発達には個人差があるため、周囲と比べて焦らないように注意しましょう。少しずつでも、子ども自身の成長に目を向けてあげてはいかがでしょうか?
さいごに
子どもの生活習慣は、一朝一夕で身につけることは難しいといいます。一進一退でうまくいく日もあれば、そうでない日もあるかもしれません。つい周囲と比較して気が急くこともあるかもしれませんが、ママやパパ自身あまり気負いすぎず、ゆったりと長い目で見守ってあげてはいかがでしょうか?