夫婦仲が子どもに与える影響は?夫婦仲を良好に保つコツ
良い夫婦仲が子どもに与える影響
夫婦仲が良い家庭では、子どもにどのような影響を与える可能性があるのでしょうか?
子どもが自信を持ちやすい
ママとパパの仲がいいと、子どもは「ぼくは望まれて生まれてきたんだ」「愛されているんだ」と自信を持ちやすいといわれています。
自分の存在に自信があることで、家庭の外にも積極的に出ていくことができるのだとか。また夫婦関係が良好であると、ママやパパも心に余裕を持って過ごしやすくなるため、子どもにも優しく接することができそうですね。
一方両親の仲が悪いと、子どもは「自分が家庭を離れているうちにママかパパがいなくなってしまうのではないか」という不安にかられてしまうかもしれません。
コミュニケーション能力が育まれる
夫婦仲が良いということは、夫婦間で適切なコミュニケーションがきちんととられているということですよね。そのため、子どもは夫婦のやり取りをお手本にして、コミュニケーションの方法を学ぶことができるかもしれません。
異性との付き合いに抵抗がなくなる
ママとパパの仲の良い姿を見せることは、子どもが異性と接するときの前向きなイメージへつながることでしょう。夫婦仲が悪いと、気づかぬうちに異性へ対する不信感を植え付けてしまう可能性が懸念されるといいます。
思いやりの心が培われる
夫婦仲を良好に保つには、互いに思いやりを持って接することが必要ですよね。そうして互いを尊重する姿をみせることで、子どもの思いやりの心を育てることができるかもしれません。
心の健康につながる
子どもにとって家庭は、心を落ち着けられる場所であることが大切だといいます。しかし夫婦仲が悪いと、子どもは家庭内で緊張にさらされ、心を休めることができないかもしれません。そんな状態が続くと、子どもの心が不安定になり、ネガティブ思考や情緒不安定に陥ってしまう可能性が考えられます。
夫婦仲を良好に保ち、子どもが安心して過ごせる家庭を維持することで、子どもは勉強やスポーツ、社会生活へ前向きに取り組んでいけるのではないでしょうか?
夫婦仲が悪い家庭で育つ悪影響
夫婦仲が悪い家庭で育つことは、子どもにどのような悪影響を及ぼす可能性があるのでしょう?
親の顔色を窺うようになる
子どもに対してどんなに優しく接していても、夫婦間で攻撃的な言動をとっていると、子どもは親に対して恐怖心を抱いてしまうかもしれません。そのため「ママやパパを怒らせないようにしなくては」と親の顔色を窺うようになってしまうケースも少なくないようです。
そうして親の様子を気にする子どもは、一見手がかからず、育てやすく感じられるかもしれません。しかしそんな環境は子どもに大きなストレスを与えかねないため、いつしか気持ちが爆発してしまったり、心を病んでしまったりしてしまう可能性も懸念されます。
自宅で過ごす時間を苦痛に感じる
夫婦仲が悪い家庭では、子どもは心が休まらず、緊張状態にさらされるといいます。そのため、自宅で過ごす時間を苦痛に感じるようになるかもしれません。そんな居心地の悪い環境から逃れようと、自分の部屋に閉じこもったり、なんだかんだと理由をつけて外出する時間が増えたりする子どもも。
自己肯定感が育まれない
自己肯定感とは、ありのままの自分の存在や価値を認める感覚のことをいいますが、仲の悪い両親から生まれてきた自分に対して、存在意義を見出すのは難しいかもしれません。また子どもは自己中心的なものの考え方をするため、夫婦仲が悪い原因は自分であると認識してしまうことがあるといいます。
また心の支えになるべき両親がいがみ合ってしまうことで、子どもはママとパパのどちらを信頼すればいいのか混乱してしまうことでしょう。
良好な人間関係が築けない
子どもには思いやりのある行動ができるようになってもらいたいものですが、夫婦間で思いやりのあるやり取りができていなければ、いくら子どもに言い聞かせても説得力がないですよね。そうして相手を思いやる心を育めなければ、良好な人間関係を築くことも難しいかもしれません。
またママとパパが険悪な関係だと、子どもは結婚に対してもネガティブなイメージを抱いてしまう可能性があります。「結婚するとママやパパのように不幸になってしまう」という悪印象が根付いてしまうかもしれないため、注意しましょう。
夫婦仲を良好に保つコツ
良い夫婦関係を築くためには、どのようなコツを押さえればいいのでしょうか?
感謝を言動で伝える
親しい間柄になると、つい感謝の心を忘れてしまいがちですよね。相手の好意や善意を当たり前のものと受け止めるのではなく、日頃から言葉や行動で感謝の気持ちを伝えることをおすすめします。
感謝の気持ちをしっかりと伝え合うことは、互いに「もっと相手のために頑張ろう」というやる気につながるかもしれません。
褒めることを意識する
いっしょに過ごす時間が長くなるほど、相手の良いところよりも悪いところのほうが目につきやすくなるものですよね。しかし小言や不満ばかりぶつけていては、相手の自尊心を傷つけてしまいかねません。
些細なことでも相手の良いところにきちんと目を向け「さすがだね!」「すごい!」などほめ言葉をかけるよう意識してみてはいかがでしょうか?
相手を価値観・意見を尊重する
夫婦はそれぞれ生まれ育った環境が違うため、価値観や考え方にズレが生じてしまうこともあるでしょう。そんなとき、自分の価値観を押し付けるのではなく、相手の考えを尊重して歩み寄る姿勢が大切だといいます。
また相手の趣味や付き合いも、否定しないことをおすすめします。家庭から離れて自分の時間を持って息抜きをすることで、家庭でのストレスが緩和され、より良好な家族関係を築けることでしょう。
夫婦の会話の時間を作る
良好な夫婦関係を築くには、コミュニケーションを通して信頼関係を構築することが求められますよね。そのため意識的に、夫婦でゆったりと会話をする時間を作ってみてはいかがでしょうか?ときには子どもも含め、家族会議を行うのもおすすめです。
ただ闇雲に会話の時間を設けようとしても、タイミングがあわずに衝突してしまう可能性があります。可能であれば「毎週土曜日の夜」など予定を決めておいてはいかがでしょうか?
夫婦で話す時間を決めておくことは「いつも話を聞いてくれない」「今は違うことに集中したいのに」という不平不満を防ぐことにもつながりそうですね。また相手の言動に感情が高ぶってしまったときも、その場で話さずに約束の時間まで待つことで、感情的にならずに冷静に話し合いができるかもしれません。
子どもの前で夫婦喧嘩はしないほうがいい?
子どもの前ではなるべく夫婦喧嘩をしたくないものですが、絶対に夫婦喧嘩をする姿を見せてはいけないのでしょうか?
仲直りするところまでみせる
子どもの前で夫婦喧嘩をしないように注意していても、つい感情的になって喧嘩をしてしまうこともあるでしょう。そんなときは、仲直りするところまでしっかりとみせることをおすすめします。
考え方の違いで衝突したときにどうすればいいのか、お互いに歩み寄ったり、謝ったりする姿をみせることで、子どもはコミュニケーションの方法や人間関係の築き方・保ち方を学べることでしょう。
注意点
夫婦喧嘩をしてしまったとき、子どもに八つ当たりしないように気を付けましょう。また子どもを自分の味方に付けようと、相手の悪口を吹き込んでしまうと、親子関係を歪めるだけでなく、子どもの心を傷つけてしまいかねないため控えることをおすすめします。
さいごに
良好な夫婦関係を維持することは、子どもに良い影響を与えることが期待できます。また一方で、夫婦関係が良好だと長生きする傾向があるという研究結果もあるのだとか。良い夫婦関係を築くことは、子どもだけでなく大人にとってもメリットが大きいのでしょう。
ただしどうしても価値観が合わないなど、努力をしても夫婦関係を良好に保つことが困難な場合もありますよね。子どものために仮面夫婦を選択する家庭もありますが、敏感な子どもは表面上隠していても両親の不仲を察してしまうこともあるといいます。
一方で、離婚を選択することで結婚していたころよりも良好な家族関係が築けるようになったという家庭も。どの選択が正しいということはないため、夫婦間で時間をかけて話し合い、家族みんなが幸せになれる方法を探してみてはいかがでしょうか?