【赤ちゃんの睡眠退行】どうして起こる?月齢別の原因や対処法を紹介
睡眠退行とは
赤ちゃんが生まれてから、いろいろなことが不安で気になったことを調べているなかで「睡眠退行」という言葉を知った方も多いはず。睡眠退行とは今まで普通に眠れていた赤ちゃんが、急に寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目を覚ましてしまったりする現象のことです。睡眠退行は赤ちゃんの脳や身体の成長と関係があるため、成長している証拠とされています。
睡眠退行はいつ起こる?
睡眠退行は必ず起こるわけではありませんが、生後3~4カ月頃に経験する赤ちゃんが多いとされています。一時的な現象ではありますが、それまでぐっすり眠ってくれていた赤ちゃんが、突然泣きはじめたり頻繁に起きてしまったりすると、パパママの睡眠不足の原因になるでしょう。
赤ちゃんの睡眠退行が長く続いてしまうと、パパママもストレスに感じてしまうこともあります。睡眠退行には終わりがあると言い聞かせて、家族で協力しながら乗り越えるのが良いでしょう。
睡眠退行の特徴をチェック
個人差はありますが、睡眠退行には以下のような特徴が見られます。
- 昼寝の時間が短くなった
- 急に夜泣きが増えた
- 夜中に何度も起きてしまう
- 急に寝つきが悪くなった
- 眠りが浅く、すぐ起きてしまう
- 1日中ぐずり泣くことがある
- 布団で寝るのを嫌がる
夜泣きの原因は睡眠退行だけではありません。赤ちゃんにとって不快なことや、お腹が空いているなどの原因もあります。日頃から赤ちゃんをよく観察して睡眠退行を見極め、泣いている原因がわかるだけでもパパママとしては、気持ちが軽くなるかもしれません。
月齢別でみる!睡眠退行の考えられる原因
一般的に睡眠退行には現れやすい期間があるといわれています。睡眠退行が起こる月齢ごとに原因が異なり、それぞれの原因にあった対処をしてあげることで改善するケースもあるでしょう。ここでは月齢ごとの原因と特徴についてご紹介します。
3~4カ月頃
新生児の頃から、短時間で寝たり起きたりの生活だった赤ちゃんの睡眠時間が徐々に伸びて、3~4時間ほどまとまって眠るパターンへと変化する時期です。赤ちゃんの脳が急速に発達し、眠気を不快に感じるようになることが睡眠退行が起こる主な理由と考えられています。「魔の3ヵ月」と呼ばれ恐れられるのは、急速な成長による変化に赤ちゃんとまどっている可能性がある時期と重なるからなのでしょう。
7~8カ月頃
この頃になると歯が生えはじめ、歯茎に不快感や違和感を覚える赤ちゃんも多いでしょう。歯茎の腫れやよだれの分泌量が増えることで、夜中に目を覚ましてしまい、ぐずり泣きになってしまうことも。
さらに分離不安といい、いつもお世話してくれているパパやママから離れることが不安で泣いてしまうことも増えます。いつも近くにいるパパやママの姿が見えなくなることや、抱っこしてもらえないことで泣いてしまうこともあるでしょう。この頃には、朝までまとまって眠れるようになる赤ちゃんもいますが、座ったりハイハイしたりと心身の発達が睡眠に影響を及ぼし、睡眠退行につながることもあります。
1歳頃
歩けるようになる子も多く、起きている時間に脳がさまざまな刺激を受けて、眠りが浅くなる傾向があります。日中に怖い経験をしたり、たくさん活動することで疲れたりすると夜泣きしてしまうことも。
また、成長に伴い分離不安や歯ぐずりがピークを迎えることで、頻繁に夜泣きしたり、寝つきが悪くなったりするケースもあるでしょう。
1歳半頃
自立心が芽生え始める1歳半頃はお昼寝はイヤだと拒否したり、中断できないほど遊びに夢中になったりと自己主張もはっきりしてきます。分離不安が続いている子のなかには、パパママが一緒じゃないと寝つけないというケースもあるでしょう。
また、犬歯や奥歯が生えてくる子も多く、歯茎の不快感や痛みで夜間目を覚ましてしまうこともあります。
2歳頃
2歳頃になると日中たくさん活動して、夜間に睡眠を取るようなリズムがほぼできあがってきます。日中さまざまな経験を積み重ね、おばけや暗闇などを怖がったり不安に感じたりするようになるでしょう。そのせいで寝つきにくくなったり、目が覚めたときに不安で泣いてしったりするケースが考えられます。
また、イヤイヤ期がはじまる時期でもあり「まだ寝ない!」とか「ママと一緒じゃないとイヤ!」などの要望が増えてくる頃です。
睡眠退行の対処方法
子どもによって個人差はありますが、睡眠退行の対処方法をご紹介します。
1日の生活リズムを整える
私たち人間の身体は、朝目覚めて明るい光を浴びて、約14時間後から少しずつ眠気を感じるようになっています。新生児の頃から短時間で寝たり起きたりを繰り返していた赤ちゃんは、徐々に夜間まとまった睡眠をとる生活リズムに変わっていきます。
活動時間が長くなってきたら、なるべく日中は明るい部屋で遊んだり、日光を浴びさせたりしてあげることが大切です。朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びて過ごし、寝る1時間ほど前には部屋を薄暗くしてリラックスして過ごせる環境を目指しましょう。
快適に眠れる環境を作る
暑かったり寒かったりすると大人でも目が覚めてしまいますよね。子どもは大人よりも体温が高いため、大人が快適と感じる温度では、子どもにとって暑すぎる場合もあります。寝室の室温は、大人が少し涼しいかなと感じるくらいを目安にしてあげると良いでしょう。
また、就寝時間の1時間ほど前には部屋を薄暗くして、入眠に向けてなるべく静かな環境を心掛けます。入眠時は部屋を暗くし、必要な場合には間接照明や常夜灯などを使い、ほんのり明るい程度にしておくと良いでしょう。
子どもの分離不安を理解してあげる
生後8カ月頃からからみられるとされている分離不安は、1歳から1歳半頃までの睡眠退行の主な原因とも考えられています。しかし夜中に目が覚めたときに、パパママがそばにいなくて泣いてしまったからといって構いすぎてしまうと、夜泣きがさらにひどくなってしまうこともあるようです。
子どもが泣いていたら抱っこしてあげたくなる気持ちもわかりますが、子どもが睡眠習慣を身につけるためにも構いすぎないよう心がけます。夜中に子どもが目を覚まして泣いてしまっても、すぐに対応せず数分様子を見てみましょう。再び自分で落ち着いて眠ることができるかもしれません。数分経っても泣き止まなければ、子どものそばに行ってトントンしてあげたり、優しく声をかけてあげたりしてみましょう。
1歳を過ぎたら、子どものお気に入りのぬいぐるみなどと一緒に寝かせてあげるのもおすすめです。お気に入りのぬいぐるみと一緒に眠ることで、安心感が得られてぐっすり眠れるようになることもあります。ただし、ボタンやリボンなど外れて誤飲してしまう恐れがあるものは避けましょう。
睡眠退行時のパパとママのストレスケアも大切
睡眠退行は同じ家で過ごすパパとママの睡眠不足の原因となり、ストレスに感じてしまうこともあります。そのため、パパとママの体調やストレスケアをしないと産後うつになったり、体調を崩してしまったりするかもしれません。
長時間まとめて眠ることは難しいかもしれませんが、短時間で良質な睡眠を取ることでストレスが軽減される場合もあります。 子どもと同じように、1日の生活リズムを整えて過ごしましょう。ぬるめのお風呂に浸かったり、寝室の温度や湿度を適切に設定したりと、入眠しやすい環境作りをすることが大切です。
また、寝る前にスマートフォンのブルーライトを浴びると、脳が覚醒してしまい睡眠に悪影響を与えてしまうこともあります。寝る前のスマートフォンやテレビなどは、なるべく控えるのが良いでしょう。
さいごに
子どもによっては長く続くこともある睡眠退行ですが、適切な対処法を試してみることで、少しは睡眠退行が軽減することもあるでしょう。睡眠退行には個人差があり、経験しない子もいますが、赤ちゃんの睡眠退行は成長の証といわれています。夜中に何度も起きてしまったり、なかなか寝つけなくてぐずったりするのは、パパママとしてはつらいことですが、いつかは落ち着きます。家族で協力して、子どもが快適に眠れる環境作りをしていきましょう。
参考サイト
- 子供英語タイムズ│しんどい睡眠退行はいつまで続く?月齢別の原因・特徴と乗りきるコツ(https://world-family.co.jp/cetimes/newborn/education/article-496.html#p02)
- e-ヘルスネット│子どもの睡眠 |
e-ヘルスネット(厚生労働省)(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html)