【色彩感覚】を養う重要性とメリット!親子で楽しみながら色彩を学ぼう
幼児期に色彩感覚を養うことが大切な理由とは?
色彩感覚とは、「色を使いこなす能力」または「色を感じ取る能力」のことです。色彩感覚をしっかり身につけることができると色の違いや濃淡を感じられ、使いこなせます。ほかにも、変わりゆく彩り豊かな四季を楽しむためにも色彩感覚は必要です。幼児期(3~6歳頃)には大人と変わらないくらいの色を見分けるようになるので、より多くの色彩体験をさせてあげるのが効果的ですよ。
色彩感覚を養うことでどんな子に育つのか
色にはそれぞれ違った「刺激」を持ち合わせています。色彩感覚を養うことで、子どもは多くの色に触れられ、多くの刺激を受けられるのです。受けた刺激には発達によいさまざまなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
多面的な視野を持つ子に育つ
幼児期にさまざまな色を見て育った子は、物のかすかな違いを観察する能力に長けているといえるでしょう。
例えば、幼児期に色彩に多く触れた子とあまり触れなかった子が「海」がテーマの絵を描いた時、その絵には大きな差が出てくるといわれています。色に触れる機会が少ない子どもに比べ、色をたくさん見て育った子の絵には雲や鳥、魚の絵を描くなどの個性があらわれます。幼児期から鍛えた色彩感覚によって、想像力を膨らませ、多面的に考えることができる子に育つといえるでしょう。
感性が豊かな子に育つ
色彩感覚を育てることは、子どもの感情を豊かにすることに繋がります。色彩感覚が豊かになると、子どもは四季によって変わる空の色や木々の色を日常的に肌や脳で感じられるようになり、感受性も豊かになっていくのです。
脳が活性化した子に育つ
人は視覚からの情報が1番多いといわれ、中でも視覚から入ってくる「色」からの情報の割合が高いそうです。幼児期に見るさまざまな色は、脳に多くの刺激と情報を与えるため、積極的に色彩に触れさせ脳を刺激し活性化させましょう。色によって脳に与える刺激は変わるため、より多くの色を見せることもポイントです。
また、色の感覚を知覚するのは右脳です。デジタル社会の現代では、多くの人が右脳ではなく左脳を活発的に働かせています。そのため、子どもには小さいころから色彩に触れさせ、右脳を活性化させてあげるのがおすすめです。
五感が発達した子に育つ
色彩感覚を養うことのメリットとして、「五感が育てられる」ことが挙げられるでしょう。赤ちゃんが生まれ約1年で、五感呼ばれる視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を感じ取る脳の神経回路の発達が進んでいきます。この発達のおかげで、新しい言葉や知識を高め続けているのです。幼児期にしっかり色彩感覚を養うことで、「色」が単なる目で確認する情報ではなく、触った感覚や匂い、音などとリンクするようになり、最終的には五感の発達につながっていきます。
色彩感覚の育て方を知っておこう
色彩感覚を育てる方法としておすすめは、絵画をみせることです。子どもにみせる絵は無意識のうちに可愛いイラストのものや絵本が多くなりがちではないでしょうか。しかし子どもは、人間や動物、植物などの直接的または間接的に好んだり経験したりした対象が描かれている絵画に興味をもちます。また、彩度や明度が高く色鮮やかな色調のものにも惹かれやすいのです。「子ども向けのイラストはこれ」という固定概念を持たずに、さまざまな絵を子どもにみせてあげましょう。親子で美術館に行くのも方法のひとつです。
家の近くに美術館がない方や、頻繁に行くことが難しい方は、ポスターや絵を子どもの目に付くところに飾るなどの工夫をしてみましょう。画集を子どもが手に取りやすい場所に置くといった方法もあります。
子どもの想像力を尊重するために親ができること
子どもの想像力を大切にするためには、親の価値観を押し付けず、見守ってあげることが大切です。例えばイラストでは「ゾウ」は水色、「ウサギ」はピンクで描かれることが多いですが、実物はどうでしょうか。実際に動物園で見るゾウは灰色、ウサギは白や茶色が多いですよね。大人は昔見た絵本の影響や固定観念で動物や植物、食べ物の色を決めつけがちです。しかし、子どもは発想が自由なため、好きな色を好きな動物や植物に塗れます。
固定観念にとらわれない子どもの自由な色付けを、親は否定せず見守り、肯定してあげましょう。
親子で挑戦!色彩感覚を養う遊び5選
「子どもの色彩感覚を鍛えたいが、どんなことをすれば良いかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ここからは、お家で親子一緒にできる簡単な色彩感覚を養う色遊びを紹介します。
親子で一緒にできるフィンガーペイント
フィンガーペイントとは、手のひらや指先に絵具をつけて絵を描く表現技法のことです。体を使用して絵を描くことからじっとすることが苦手な子や身体を使って表現するのが好きな子におすすめの色遊びでといえるでしょう。フィンガーペイントをすることによって自己表現ができ、創造性や創造力の向上を期待できるなどのメリットがあります。
また、普段汚さないように気を付ける手を自由に使えるため子どものストレスが無くなり、開放的な気持ちでのびのびと色彩遊びを楽しめるでしょう。色彩感覚を養えるだけでなく、指先の発達も促されますよ。
粘土を使った色遊び
粘土は年齢によって遊び方を変えることができるため、長期にわたって楽しめます。まだ小さな赤ちゃんの場合、粘土の色彩や質感、においを一緒に楽しんでみましょう。少し大きくなった年代の子どもなら形を作って重ねて遊ぶことや、棒やヘラを使用したごっこ遊びができるのではないでしょうか。
また、色に興味を持ち始めたら「赤と青の粘土を混ぜると何色かな?」と色混ぜ遊びがおすすめです。粘土の種類によってアレルギーを引き起こしたりや誤飲してしまったりする可能性もあるため注意してあげましょう。
色彩豊かな絵本で読み聞かせ
年齢関係なく楽しめるものとして、絵本があります。色鮮やかな色彩で描かれることが多いため「この魚は黄色だね」と話しかけるだけでも効果があるので試してみましょう。
色彩絵本は色を通してストーリーが進むため、話の内容が理解できない年齢の子どもでも色を見て楽しめます。子どもの表情を見ながらお気に入りの色を見つけ、散歩や家の中で同じ色を見つける遊びをしてみるのもいいかもしれませんね。
折り紙を使用した連想遊び
折り紙は多様な色の種類があるので、折って遊びながら、色彩感覚を養えます。まだ言葉が話せない子どもには「これは赤色だよ」と色を見せながら教えるとよいでしょう。意思疎通が取れる年齢になると「春の色はどれかな?」「太陽の色は何色だろう」と連想させる遊びがおすすめです。
親が想像する色を子どもが当てなかった場合は、「違うよ」と言いたくなるかもしれませんが、否定せずに子どもの自由な発想を尊重してあげるようにしましょう。
色水でオリジナルカラーを作ってみよう!
色水を作ると、カラフルな色を楽しめることはもちろん、細かい手先の動きを必要となるため、色彩感覚にあわせて指先の発達も期待できます。
自分で新しい色を作り出すという楽しさを覚え、混ぜ合わした色の結果がすぐに確認できるため、子どもの満足度も高くよい刺激を与えてくれるでしょう。キレイに出来上がった色水を見て誤飲する恐れもあるため目の届くところで一緒に遊ぶのがおすすめです。
自然の中で色彩感覚を養う
家から出て、自然に多く触れ合いながら色彩感覚を養うことも良いでしょう。外では四季折々その時期にしかみられない色を、特別な感覚で楽しめるはずです。散歩や買い物の途中に自然に目を向け、「赤色の葉っぱがきれいだね」「そろそろ若葉色に変わるね」など具体的な色を教えることがポイントです。
さいごに
幼児期に色彩感覚を養うメリットは、感性が豊かな子に育つだけでなく、多面的視野を持ち、脳に刺激を与えてくれるところです。幼児期にできるだけ多くの色彩に触れてもらうことで、子どもが成長してからの財産になることでしょう。6歳までの間、色彩を意識し、子どもの色の世界を広げてみてくださいね。
参考サイト
- 浜端望美|幼児期の色彩感覚の発達 | アートセラピーの教科書|(https://art-method.net/post-136/)
- 株式会社ダイヤモンド社|脳科学おばあちゃん式「色彩感覚」を育てる遊び | 1歳からみるみる頭がよくなる51の方法 | ダイヤモンド・オンライン|(https://diamond.jp/articles/-/91209)
- 社会福祉法人 北中央福祉会 あゆみ保育園|色彩を通じて育まれる完成|(https://www.city.fukushima.fukushima.jp/youhoshien/kosodate/tokusyoku/documents/p4_1.pdf )
- 株式会社いろや|わー、きれい!こどもと色遊び。自宅で美しい色の変化を親子で楽しむ遊びをしよう|(https://iroya.online/column0003/?p=4)