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【赤ちゃんの指差し】どんな意味がある?いつからはじまる?

kazasato
2023/03/16 02:03
赤ちゃんのしぐさは、どれをとってもかわいらしく、成長とともにバリエーションも豊富に。「指差し」もその1つで、まだ話すことのできない赤ちゃんのさまざまなメッセージが込められています。そこで、今回は、赤ちゃんの指差しにはどんな意味があるのか、発達段階による違いや指差しをしない子への促し方もあわせてご紹介します。

赤ちゃんにとって指差しは言語に代わる大事なツール

赤ちゃんが指差しをするようになるのは、早くて生後10カ月くらいからです。生後10カ月の発達の特徴として、つかまり立ちができる、手先が器用になる、少し言葉の内容が理解できるなどが挙げられます。指差しもその成長の現れであり、言葉で伝えられない赤ちゃんにとって、とても大切なコミュニケーションツールなのです。  

「伝えたい」を形にしたコミュニケーション方法

生後10カ月を過ぎた赤ちゃんは、言葉はまだしゃべれませんがとても活動的に動きます。記憶力もついてくるので、たとえば、前に飲んだジュースの場所を覚えていて、冷蔵庫の方を指さして「取ってほしい、飲みたい」といった意思表示をするようになる子もいるでしょう。それに大人が対応してあげると、子どもは喜びの反応を返します。言葉ではありませんが、そこには赤ちゃんとの間に確かなコミュニケーションが成立しているのではないでしょうか。  

また、赤ちゃんが指差した対象が絵本であれば、ぜひ声に出して応えてあげてください。「この絵本がほしかったんだね」と伝えると、赤ちゃんは自分を理解してもらえたと感じ、親子の間で信頼関係を結ぶことができます。また、大人が声に出すことで、赤ちゃんが新しい言葉を覚えるきっかけにもなるでしょう。赤ちゃんは、自分の言葉で気持ちを伝えられるようになると、指差しは自然にやらなくなるものです。 子どもの「伝えたい」という想いに向き合うことで、限られた親子の時間を大切に育むことができます。 

指差しは発達状態の目安になっている

指差しの有無は、1歳半の幼児検診のときに、子どもの発達状況を見極める目安にされています。それは、指差しが一般的な成長過程でよく見られる行動であるからです。しかし、もちろんすべての赤ちゃんが指差しをするわけではありません。先述したように、赤ちゃんにとってはコミュニケーションツールなのであって、指差しではなくても、視線で訴えてくる子や別のジェスチャーで自分の意思を伝える子もいるでしょう。どれが正解というものではなく、個人差も大きいので、あくまで目安として考えておきましょう。  

年齢別に見る指差しの種類

指差しは、実は4種類あることをご存知ですか?具体的には、「自発の指差し」「要求の指差し」「共感の指差し」「応答の指差し」の4つです。生まれたばかりの赤ちゃんは、成長とともに、まず自分と他者(物)といった2者間でのやりとりを覚えます。それが、指差しをするころになると、自分を含めた3者間でやりとりができるようになるのです。自分の感情を他者と共感できるようになると、子どもたちの世界はますます広がりをみせるようになります。ここでは、指差しを通して、子ども達が年齢とともにどのようにステップアップしていくのか見ていきましょう。  

指差し前に表れるサイン

生後9ヵ月から10ヵ月くらいまでに表れる指差し前のサインを、「指向の指差し」と呼びます。たとえば、「あ、犬が来たよ」と声をかけたとき、赤ちゃんが相手と同じ対象に視線を向けて見ることがあるでしょう。このしぐさは、赤ちゃんが相手の興味が視線の先にあると察し、そこに対象の物があるのだと推測できるようになったことを意味します。  

自発の指差し

生後11ヵ月くらいからの指差しを「自発の指差し」と呼びます。おもに、自分の興味のある対象を指さすときのしぐさで、まわりの物や環境に興味を持つようになったことを意味するのです。  

要求の指差し

1歳くらいからの指差しを「要求の指差し」と呼びます。自発の指差しよりもさらに踏み込んで、自分のほしいという気持ちを指差しに込めて伝えるしぐさです。指差しと一緒に「あ、あ」と声にだして、要求してくる赤ちゃんもいます。  

共感の指差し

1歳から1歳6ヵ月くらいまでの指差しを「共感の指差し」と呼びます。興味の対象を見つけたとき、そばにいる人に見てほしい、気づいてほしいという気持ちを伝えるためのしぐさです。また、指差しによる相手の反応や表情を読みとり、感情を分かちあおうとする行為も見られ、誰かと共有する感覚が身についていることがわかります。 

   

応答の指差し

1歳6カ月くらいからの指差しを「応答の指差し」と呼びます。「○○はどこにあるかな?」と質問したときに、答えを教えるためのしぐさです。答えの対象が目の前にないときは、記憶を頼りに、答えのある方向を指差しで教えてくれるようになります。また、言葉は話せませんが、周囲の大人の言葉を理解できるようになっている点に子どもの成長を感じますね。 

指差しをしない赤ちゃんへの対応

先述したように 、指差しの有無には個人差があります。中には、乳幼児検診の時期にはまだ指差しができなくて、我が子の発達過程について少し不安になってしまった親御さんもいるでしょう。 

頭では理解していても、ついほかの赤ちゃんと比較して心配してしまうのが親というものです。実は、周りの大人がコミュニケーション方法を工夫することで、指差しは意図的に引き出すことができます。ここでは、赤ちゃんから指差しを引き出すための具体的な方法について解説します。      

興味の対象ができるまで待つ

そもそも、赤ちゃんが指差しをしない理由の1つとして、まだ興味の対象が見つかっていないことが考えられます。赤ちゃんの指差しは、コミュニケーションツールであり、それを活用する前提として赤ちゃん自身の興味や関心を引く対象が存在します。赤ちゃんの好奇心がいつ、どこで芽生えるかは誰にもわかりません。早ければいいものではないですし、無理に作るものでもありません。指差しは、確かに子どもたちの発達の状況を見極める目安にはなりますが、焦らず待つことも大切です。  

絵本を見ながら一緒に指差しをする

絵本は、指差しの練習をするのにおすすめです。赤ちゃんの興味の対象をリサーチすることもできるので、なるべくいろいろな種類の絵本で試してみるといいでしょう。ただし、赤ちゃんが認識しやすいように、「イヌ」、「くるま」など物の名前と形がしっかり一致するような絵で描かれている絵本がおすすめです。指差しの練習をするときは、読み手ははっきりと大きな声で発音し、最初は、子どもの指に手を添えて教えてあげてください。ポイントは、焦らず、根気強く繰り返し練習することです。子どもが、指差しの練習は親と一緒にスキンシップがとれる心地いい時間であると認識すると練習を継続していけるでしょう。 

   

遊びの中で指差しを引き出す

日常の遊びの中でも、指差しを引き出す練習はできます。たとえば、子どもは大人の真似をするのが大好きです。指先を使った物まねや、手遊びを交えて歌を一緒に歌うことで、楽しみながら指差しの練習ができるのではないでしょうか。また、「シャボン玉」も子どもが興味を持ちやすく、空に飛んでいくシャボン玉を捕まえようと手を伸ばすしぐさや指差しを引き出す遊びとしてはおすすめです。ほかにも、子どもの興味のある遊びを通して、指差しを引き出す練習ができるか検討してみてください。  

2つの物から選ばせる

子どもの興味の対象や、好きなものを把握できているなら、選択方式で指差しの練習をするのはどうでしょうか。たとえば、好きなおもちゃを並ばせて、どちらかを選ばせるといった方法です。練習をするときは、まず、おもちゃを2つ用意してそれぞれをしっかりと子どもに認識させます。そして目線を合わせてどちらがいいのか、あるいはどちらが好きか問いかけてみましょう。ポイントは、子どもが集中できるように静かな環境の中で練習することです。  

聴力、発達に問題がないか確認する

まれにですが、耳の聞こえに問題があって指差しなどのしぐさをしないという赤ちゃんがいます。また、指先を細かく動かす機能の発達が遅れていることで指差しがなかなかできない可能性も。見た目だけでは判断できないので、まずは専門の医療機関や、乳幼児健診のときに相談してみるのがいいでしょう。  

さいごに

赤ちゃんのしぐさのひとつ、「指差し」についてご紹介しました。指差しは、赤ちゃんにとってコミュニケーションツールの1つであり成長の証しです。指差しも成長の段階によって4つに分類できます。早い赤ちゃんなら生後10カ月くらいから指差しのしぐさが見られますが、個人差が大きいので焦らず見守ってあげましょう。指差しを意図的に引き出す方法もありますが、そのときは子ども達がリラックスできる環境で、寄り添いながら教えてあげてくださいね。 

参考サイト

 

 

 

    この記事の著者
    kazasato(peekaboo)
    ライター
    5歳、3歳、1歳の3人兄弟のママです。新しい知識を学ぶことが好きなので、ライター業を通していろいろなジャンルについて勉強していきたいなと思います。
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