子どもに言ってしまう「早くして」が与える影響とは?代わりに使える効果的な言葉も
「早くして」が及ぼす子供への影響
日常的に使ってしまう「早くして」ですが、子どもに与える影響とは一体どのようなものなのでしょうか。
自己肯定感を下げてしまう
子どもはなんでも「自分でやりたい」時期があります。自主的に行動することでやり方のコツやポイントを掴んで子どもは成長していきますが、最初から全てが上手にできるわけではありません。そのため、「自分で靴を履きたい」と言われて少し様子を見ていたもののマイペースさにイライラしてしまうこともあるのではないでしょうか。そこで「早くして」、「どうしてできないの!」と言ってしまうと、子どもは「ダメな子なんだ」と思ってしまい、自己固定感が下がってしまいます。
自分で考えなくなり指示待ち人間になってしまう
親に急かされることで、子どもは考える余裕をなくしてしまいます。そのため、「急かされていることだけを終わらせよう」と考え、行動するようになるため、自ら考えることが苦手になるでしょう。その結果、勉強に集中して取り組めなくなるなどの影響が出る可能性も。また、考えることが苦手になるので、指示されたことしかできなくなってしまう可能性も。親や先生の指示には従うけれど、指示がなければ動けない、自分がどうすればいいのかわからないという子どもになってしまうでしょう。
相手を待つことができなくなってしまう
子どもの人格形成や成句には親の普段の生活態度が大きく影響します。そのため、親がいつも「早くして」と急かしていると、子ども自身も友達を急かすようになります。良好な友人関係を保つためにはゆっくり相手待てるようになりたいものですね。
早くしなさいと言われない子どもはどう育つ?
「早くして」と言われることなく、親に待ってもらえる子どもは、自己肯定感が高く自主的に動けるようになります。家を出るときに子どもが「自分で靴を履きたい」と言って親が待つことができれば、子どもは少し時間をかけながら自分のペースで靴を履きます。これにより、「自分でできた!」と達成感が得られ、子どもの自信に繋がるのです。また、親に待ってもらう体験を積んだ子どもは、自分自身も相手を「待てる子」になります。自分がされていたように、他人に対して急かさず優しく見守れるようになるでしょう。
親がしっかり向き合うことが必要
遅刻覚悟でその日の気持ちに付き合う
ときには時間がかかるものと思い、休日を使って子どもと向き合うのも良いでしょう。子どもは、親が忙しくて急いでいる理由を分かりやすく伝える事で少しずつ気持ちを譲ってくれ寛容になります。大人の都合で振り回すのではなく、ときには子どもの期お餅に寄り添い、共感することが大切です。子どもは、自分の気持ちを分かってもらえることで他人への共感の気持ちを育てるといわれています。そのため、少し時間に余裕があるときは子どものその日の気持ちに付き合うと良いでしょう。
早くできない理由を聞いてみる
いつもスムーズに準備してくれるのに今日はグズグズしているな、と思ったら何かの理由があるはずです。
まずは体調を確認しましょう。確認するポイントとしては、顔色が悪くないか、普段よりも体温が高くないかチェックしましょう。それでも異変が感じられなかった場合は「痛いところはない?」と本人に確認するのもおすすめです。時間がないことに対して焦っていると、子どもの体調不良を見逃してしまう可能性もあります。
体調以外に考えられるのは気持ちの問題です。「どうして保育園に行きたくないのかな?」と優しく子どもの気持ちを聞いてみましょう。答えてくれないようであれば、子どもの好きな遊びを連想させて保育園は楽しいよと思わせるような言葉で誘うのも効果的です。たとえば、ブロック遊びが好きな子どもには「今日は保育園でどんなブロック作ろうか?〇〇くんの好きな消防車を作ってママに見せてくれる?」と誘ってみるのも良いでしょう。まだ言葉を上手に話せない子どもにも「何か困っていることがあるの?」と声掛けすることで自分の気持ちを理解しようとしてくれていることは伝わります。子どもの気持ちを理解しようとする姿勢・共感することで信頼関係が強くなるでしょう。
「早くして」と言いたくなったときの対処法
では、具体的に「早くして」と言いたくなった時、気持ちを押えてどのような行動をとればいいのでしょうか。
早く起きて!の対処法は好きなものを準備すること
親としては朝早く起きてもらわなければ困るのですが、かといって無理やり起こしてしまっては子どもが不機嫌になってしまいます。そこで、子どもがご機嫌になるものを渡す、もしくは提案してみましょう。ヨーグルトが好きな子であれば、「朝ごはんに大好きなヨーグルトがあるよ、一緒に食べよう」と声掛けをする、車が好きな子であれば「消防車さんが起きて一緒に遊ぼうって言っていよ」と誘ってみるのも良いでしょう。朝起きるのが苦手な子どもには、朝の楽しみを用意するとスムーズに起きられるのではないでしょうか。
早く準備して!の対処法は時計を見える化させること
「あと3分で家を出るよ、いい?」と子どもに伝えると「うん、わかった」と言いつつも全く準備する気配がない、ということもありますよね。具体的な時間を伝えられても、子どもはどのぐらいのペースで準備すれば良いのかわかりません。そこで、時間がイメージしやすくするために、模擬時計がおすすめです。ご飯を食べ終わる時間・着替え終わる時間・片付け終わる時間などを描き、「本当の時計と、この絵の時計が同じになるまでに片付けようね」と声かけすると良いでしょう。
早くたべて!の対処法とは遊びのように楽しむこと
子どもが食に興味がなかったり、偏食だったりすると食事に集中しないのはよくあることです。そこで、ちょっとした工夫を行います。小さなメモ用紙にメニューを書き、「これが今日のごはんチケットだよ。それをママに渡すとハンバーグが出てくるからね」チケット制にしたり、ごっこ遊びを取り入れたりしてみるのもおすすめです。たとえば、スーパーの試食ごっこでは、おかずを小さく切り分け、お皿に並べます。「試食どうですかー?」と声掛けすると、子どもはおもしろがってパクパク食べたくなる気持ちが高まります。
子どもの行動がスムーズに!2つのコツをご紹介!
具体的な対処法をお伝えしましたが、次に伝え方のコツについてご紹介していきます。
急がなければいけない理由を伝える
ただ、「早くして」と言われるだけでは子どもは混乱してしまいます。なぜ急がなければいけないのか理由も一緒に伝えるのがおすすめです。たとえば「早くお着替えしないと幼稚園のバスが行っちゃうよ」と言われると子どももなぜ急がなければいけないのかが分かります。
具体的な行動を一つに絞って伝える
一度にいくつものことを急かされても、子どもは何から手を付ければいいのかわからず、焦ってしまいます。そこで、子どもの行動を早くさせたい場合は、一つに絞って伝えると分かりやすいです。たとえば、「早く準備しないと幼稚園に送れるよ!」と言っても、具体的にどうすれば良いのかわからない子どももいるでしょう。その場合は「パジャマを着替えよう」「お着替えしたら朝ごはんを食べよう」などと順番に一つずつ伝えると子どもは混乱することなくスムーズに動けます。
ゆったりした気持ちで子どもと向き合おう
家事や仕事をしながらの子育ては時間に追われ、気持ち的にも余裕がなく子どもにイライラしてしまうこともありますよね。そんなときは、ママが頑張りすぎているのかもしれません。頑張ることは必要ですが、頑張りすぎてしまうと心に余裕がなくなってしまいます。まずはゆっくり深呼吸してリラックスすることを心がけましょう。また、1日休みを取って自分一人だけの時間を作り、気分転換するのもおすすめです。
さいごに
「早くして」という言葉を普段使ってしまいがちですが、言い続けていると子どもの自己肯定感が下がり、指示がなければ動けなくなってしまいます。自己肯定感を高く、自主的になんでも挑戦できる子どもになってほしいのならば、急かさずに少しの間見守ることも必要です。しかし、時間と心に余裕がなければ難しいので、日常生活の中で子どもの行動がスムーズにできるよう、上手に工夫できるといいですね。
参考サイト
- PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)|「『早くしなさい』と言えば言うほど、遅くなる」子供が急に動き出す"最強のフレーズ" "しぶしぶ動くくせ"がつく (https://president.jp/articles/-/49114)
- こどもちゃれんじ子育てコラム|「早くしなさい!」から子どもを笑顔にする言いかえ術(https://www2.shimajiro.co.jp/contents/column/wm_paraphrase/)
- All About|行動が遅い子どもへの適切な対応法は?「早く」「急いで」の弊害 [子供のしつけ](https://allabout.co.jp/gm/gc/471543/)