メンタルが強い子に育てたい!メンタルを鍛えるにはどうしたらいい?
メンタルが弱い子どもとメンタルが強い子どもの違い
メンタルが弱い子どもと、メンタルが強い子ども。具体的にはどのような点が異なるのでしょうか。それぞれ見ていきます。
メンタルが弱い子どもの特徴
メンタルが弱い子どもはどのような傾向があるのでしょうか。
- 自分に自信がなく、挑戦する前から諦めてしまう
- 自分をダメな人間だと思いがちで、ネガティブなことばかりを考える
- 少しでも困難にぶつかったら諦める
- 傷つくのが怖いので交友関係が広がりにくい
メンタルが弱い子は、自分に自信がなくマイナス思考であるのが特徴です。
メンタルが強い子どもの特徴
一方メンタルが強い子どもはどうでしょうか。
- 自分に自信があるので何にでも挑戦する意欲がある
- 自分ならできると自信にあふれ、刺激的で楽しい毎日を過ごすことができる
- 多少の困難にも諦めることなく、最後までやり抜く努力をする
- コミュニケーションがとれ、どんな相手とでも良い交友関係が築ける
メンタルが強い子は、自分に自信があり積極的であるのが特徴です。
メンタルの強い・弱いでこのような違いがあることが分かりました。では、なぜこのような違いが出てきてしまうのでしょうか。次の項目では原因について解説していきます。
メンタルが弱い子どもになってしまう原因は?
メンタルが弱いとされている特徴が形成される原因はなんでしょうか。原因のひとつに、自己肯定感の低さが挙げられます。「自己肯定感」とは、自分の存在自体を認める感覚のことで、他の人と比較せずありのままの自分を肯定して、好意的に受け止められる状態です。自己肯定感と似た言葉で「自己効力感」というものがあります。これは、自分の可能性を認知している感覚で、この感覚が強い子ほど実際に行動できる傾向にあります。これを踏まえて原因を探ってみましょう。
親が自分の価値観や意見を押しつけている
パパやママの意見を押しつけることは、子どものメンタルを弱くさせてしまう要因のひとつです。自分の意思ではなく親の価値観によって習い事をしている場合では、失敗したりつまずいたりしたときに、親の理想と自分の不甲斐なさに劣等感を感じてしまうかもしれません。その結果、ネガティブ思考や自信喪失につながりやすく、自己肯定感が低くなります。
兄弟や友達と比べられている
誰かと比べられることも、自信をなくして自己肯定感が低くなる原因として挙げられます。比較されてほめられたとしても、自分の本質を見てくれていないという感覚になってしまう子どもも。人との比較はトラウマになる可能性もあるので、できるだけ避けるようにしましょう。
親が過保護になり過ぎている
子ども自身で解決できる問題に口をだしたり、失敗しないように先回りをしたりと、パパママが過保護になりすぎることは、心の成長のきっかけを奪うことになるかもしれません。問題や失敗を自分で乗り越えることは、「失敗してしまったけれど乗り越えられた」という体験につながり、自信を育むことができます。このプロセスの経験がないと、自信がつかず、自己効力感を高めることができません。引っ込み思案になることもあるので気をつけましょう。
生まれつきの気質によるもの
メンタルの弱さは、生まれつきの気質が原因であることも。その中でも「HSC(Highly Sensitive Child)」と呼ばれる性質の子どもは、人一倍感敏感で受性が強いので、心身に疲れをためやすいと言われています。心を強くしようと無理に働きかけると、ストレスを感じてしまうこともあるため、まずは親が子どもの気質を受け止めてHSCについても知る必要があるでしょう。
Kaonavi(カオナビ)|自己肯定感とは?【意味を簡単に】低い人の特徴、高める方法 - カオナビ人事用語集(https://www.kaonavi.jp/dictionary/jikokoteikan/)
子どものときから精神力を鍛えるメリットは?
メンタルを鍛えることで得られるメリットはどんなことでしょうか。解説していきます。
チャレンジ精神が身に付き可能性が広がる
子どもの頃から強い精神力を身につけておくと、自分に自信がつき、成長してからもさまざまなことに挑戦できるようになります。失敗しても立ち直りが早く、多少のストレスにも負けずに継続できる力は、自分の可能性を広げるでしょう。
社会人になってから物事を続けやすい
会社に就職したにも関わらず、新社会人の約1/3が3年以内に退職してしまうと言われています。退職の理由はさまざまですが、業務上のストレスや人間関係を理由に会社を辞める方も多いでしょう。残業やパワハラに耐えてまで続ける必要はありませんが、ある程度の期間は仕事を続けてみなければ成長できません。また、辞める癖がついてしまう可能性もあります。ある程度のストレスには耐えられ物事を継続できるように、精神力を鍛えておくことは大切です。
子どもの精神力を鍛えるにはどんな方法がある?
メンタルを鍛えるメリットを理解したうえで、ここからは、子どもの精神力を鍛えるための方法について説明していきましょう。
チャレンジ精神を認めて尊重する
子どもが何かを始めたいと言ってきた場合、「きっとできる」といったポジティブな言葉がけをし、応援してあげましょう。小さい子どもは、根気や集中力が長続きしないことも多いため、すぐに飽きてしまったりやる気をなくしたりするケースもあります。「あなたにはできない」といったネガティブな言葉は、チャレンジ精神が育たず困難に立ち向かう精神力も鍛えられません。ポジティブな言葉がけや、さまざまな経験から「自分にもできる」と感じるようになり、前向きでメンタルの強い子どもに育っていくでしょう。
失敗しても受け入れてほめる
子どものチャレンジには、失敗がつきものです。厳しく子どもに接した方が精神力を鍛えられると思いがちですが、失敗を怒ったり責めたりしてもメンタルは強くはなりません。失敗してもがんばったところをほめてあげたり、一緒に失敗した原因を考えたりすることが大切です。親が受け入れることで「失敗しても大丈夫」「もう一度がんばろう」という前向きな気持ちが育まれるでしょう。
ポジティブなとらえ方や考え方を教える
同じ出来事でも、ポジティブな面とネガティブな面があります。親がネガティブなとらえ方ばかりだと、子どもは「自分はダメな人間」と感じてしまい、失敗から立ち上がれず、挑戦もしなくなるかもしれません。ポジティブな面を見つける力は、精神力を鍛えるひとつの要素です。親がプラスな考え方やとらえ方を教えることを心がけましょう。
習い事やスポーツをしてみる
習い事やスポーツも子どもの精神力を鍛えるために効果的です。そろばんや習字は高い集中力が身に付き、どんな場面でも動じることのない強い心を養うことができるでしょう。サッカーや野球などのスポーツは、暑い日や寒い日の練習を通して、精神面が鍛えられます。チームワークや礼儀作法も学べ、チームに貢献したり先生を尊敬する気持ちを持ったりすることは高い精神力が養えるでしょう。ただし、習い事やスポーツを始める際は、子どもの意思で決めさせることが大切です。誰かが決めた道ではなく、自分で進む道を見つけて進むことは、精神力を高める上でも重要になります。
メンタルを強くするために親がしてはいけないこと
メンタルを強くするには、親はどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
子どもの感情を抑えてしまう
例えば子どもが何かを恐れて行動できない場合、親が安心させようと思って「たいしたことではないから大丈夫」と声掛けすることもあるでしょう。すると子どもは「怖いと感じたけれど、その気持ちは間違っているのかな」と思い、この先も感情を抑えてしまいがちになります。まずは、怖いと感じている子どもの感情をまずは受け止め、そのあとに励ます言葉を添えて子どもの背中を押してあげましょう。
子どもを甘やかし過ぎる
欲しいものを何でも手に入れられる状態が続くと、子どもが自制心を学ぶ機会を失ってしまっています。物質主義的に物事を捉えるようになると、大人になったときの幸福度の低下にもつながります。子どもに与えるものには限度を設け、欲しいもののために努力をさせることが大切です。
完璧を求める
期待をかけることは良いことですが、高すぎる目標は裏目に出ることもあります。勉強やスポーツで過度な期待をかけ過ぎると、成功できると思えない子は挑戦することを諦めてしまうかもしれません。現実的な目標にし、失敗や挫折を通して力強く生きる力を学ぶことが大切になります。
自然の成り行きを妨げる
子どもに宿題をやるよう何度も口をだしたり、忘れ物をその都度届けたりして子どもに失敗させないようにすることは、教訓を学ぶ機会を奪うことになります。うまくいかなかったとき、次からはどう対処したら良いのかを考えさせるためにも、親は必要以上に立ち入らないようにしましょう。
さいごに
メンタルは弱いよりも強い方がいいでしょう。しかし、その子の生まれつきの気質も関係しているということも忘れてはいけません。我が子の性格や特性を理解した上で、しなやかで折れない心を育てていけるといいですね。生きていく上で困難な状態にあっても前向きに進んでいけるよう、子どもへの接し方の参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
- Kaonavi(カオナビ)|自己肯定感とは?【意味を簡単に】低い人の特徴、高める方法 - カオナビ人事用語集(https://www.kaonavi.jp/dictionary/jikokoteikan/)
- LIFE INSIDER|メンタルの強い子どもに育てたいなら、今すぐ止めるべき7つの子育て習慣 | Business Insider Japan(https://www.businessinsider.jp/post-208877)