子どもの知的好奇心を高めるためにできるおすすめの方法とは?
子どもの知的好奇心にはどんなものがあるの?
知的好奇心は、「もっと知りたい」「知識を深めたい」と興味や関心があることに対して感じることです。大人が気にしないことでも、子どもにとっては日々が発見の連続なので、さまざまな角度から興味をもちます。子どもが「どうして?」「知りたい!」と情報を求めるのは、今後の探求心や主体性、学習意欲などに大きく影響するでしょう。
わが子の知的好奇心を把握するためのポイント
わが子が何に興味や関心があるのか分かりづらく、何をしてあげたらいいのか分からないという場合は、これから紹介する2つの行動を参考にしてください。わが子が何に興味があるのかを把握するためのポイントについてみていきましょう。
興味や関心のあるものはじっと見つめる
子どもが、「もっと知りたい!見てみたい!」と言わなくても、興味や関心のあるものは、無意識に目で追っているでしょう。例えば、お散歩しているときに車や電車をじっと見つめたり、お花屋さんに気を取られたりしてはいませんか?子どもの視線の先を観察してみると、子どもが今何に興味があるのか新たに発見できるかもしれませんよ。
興味のあるところに行きたがるようになる
興味や関心のあるものは、視線だけではなく行動にも表れます。実際に、電車の方まで近づいてみたり、道端の花に触ろうとしたりして、歩くのが遅くなったり立ち止まったりしませんか。興味や関心のあるものをじっと見つめるのと同様に、日常の些細な動作からも発見できるでしょう。知的好奇心は、普段の生活の何気ない発見から育まれていきます。
似ているけど違う! 知的好奇心と好奇心の違いとは?
知的好奇心と好奇心は似ていますが、実は少し意味が異なります。好奇心はさまざまな分野に対して興味や関心があることを指しますが、知的好奇心は学習などの知的分野を対象とした好奇心のことです。また、知的好奇心には「特殊的好奇心」「拡散的好奇心」の2つのタイプがあります。それぞれ定義が異なるので詳しくみていきましょう。
特殊的好奇心の特徴
特殊的好奇心は、知識のズレや矛盾点を解消して、本当に知りたい具体的な情報を探し求めることです。
例えば、学習中に分からない問題に出くわしたときに、納得いくまで理解しようと取り組む行動を指します。特殊好奇心が強ければ、理解して解決しようと努力するので、難しい問題に直面しても、「分からない」で済まさず原因が分かるまで取り組むようになるでしょう。
教育心理学研究,|『知的好奇心尺度の作成 拡散的好奇心と特殊的好奇心』(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/63/4/63_412/_pdf)
拡散的好奇心の特徴
拡散的好奇心は「さまざまなことを幅広く知りたい」と思うことです。
具体的な目的がなく、色んな体験や知識を得ようとする特徴があります。引っ越しや進学などの環境が大きく変化した際でも、拡散的好奇心が強ければ動じない傾向です。新しいことに挑戦するのが好きなタイプといえます。
教育心理学研究,|『知的好奇心尺度の作成 拡散的好奇心と特殊的好奇心』(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/63/4/63_412/_pdf)
子どもの知的好奇心が高まるとどんないいことがあるの
知的好奇心が高まるとどんなメリットがあるのでしょうか。具体的に2つに分けてご紹介します。
行動力が身について探求心が生まれる
知的好奇心が高いと、積極的に行動し、自分で理解を深めたいという探求心が生まれやすくなります。分からないことや知りたいことを知るために、図書館へ足を運んでみたり、実際にその場所を訪れてみたりして、自発的に行動するようになるでしょう。調べていくうちに、また別の疑問点が出ても、知的好奇心が高いと行動力が身についているので新しい課題にも挑戦しやすいですよ。
学ぶことが楽しくなるだけではなく、知識もどんどん身につく
知らないことを知っていく喜びを覚えると、自然と勉強するのが楽しくなるでしょう。理解できるまで、とことん調べて解決できると「もっと知りたい、学びたい!」という意欲にもなります。学ぶことへの喜びを覚えると、日々の生活も楽しく充実したものになるかもしれませんね。
知的好奇心が高まると、学習能力が向上するだけではなく、主体的に取り組むことができます。教育現場でも、「自らが疑問を持って課題に挑戦する」ということは、子どもに求められることです。勉強する行為自体を楽しむことができ、学習への意欲やモチベーションの維持がしやすいといえます。知的好奇心の高い子どもは、先生や親に強制的に勉強させられているという感覚がないため、学習することにストレスを感じにくい傾向があります。
知的好奇心が高まること知的好奇心が高まることで、行動力や学ぶことにプラスな感情が生まれ、子どもの成長の役にたつでしょう
子どもの知的好奇心を高めるためできること
知的好奇心を家庭でも高める方法はあるのでしょうか。ここからは、子どもの知的好奇心を育てやすい方法について詳しくみていきましょう。
図鑑や新聞、旅行誌などで子どもの興味をもつきっかけ作り
子どもは少なからず、知的好奇心がありますが、わが子は何に興味があるのか分からない場合もあります。そのため、さまざまな物事を知るきっかけを作ってあげることが大切になります。図鑑や新聞、旅行誌などを子どもと一緒に見ることで、子どもの知的好奇心を高めることができるでしょう。世の中では、さまざまな事象があることを伝えると、興味関心を広げやすくなります。まだ字を読むのが難しい子どもには、写真などが多く掲載されているものを一緒に見ることで、視覚的に興味を持てやすくなりますよ。
ある程度字が読める子どもであれば、子ども向けの新聞などもおすすめです。子ども向けの新聞は、幅広いトピックや興味のある内容を扱っており、知らなかったことに出会える機会でもあります。
旅行誌などは、各地の魅力が写真付きで掲載されていることが多いので、子どもにもわかりやすくおすすめです。わざわざ購入をしなくても、広告や近隣地域のチラシなどを見せてみてはいかがでしょうか。
興味をもったら実際にさまざまな場所に出かけてみる
図鑑や新聞、旅行誌などで興味や関心が広がれば、実際にその場所に訪れてみましょう。子どもの知的好奇心は、本やチラシなどで記憶した後に本物を見ることで記憶した情報とリンクして、さらに強くなります。既にインプットしたものを体験することは、子どもにとって特別な経験となり、印象深くなるでしょう。訪れる場所は、水族館や動物園、博物館など事前に興味をもったところに行くのがおすすめです。実際に訪れて見たときに、「図鑑ではこうだったのに、実物は少し違った!」などの発見や疑問に敏感になることもあります。積極的に図鑑とは違う矛盾を徹底的に解明したくなる可能性もあり、特殊好奇心が育ちやすくなるかもしれません。
親が楽しんで学ぶ様子を積極的に見せる
子どもは、親が楽しく情報を集める様子を見ると興味を惹かれるでしょう。子どもは、親の真似をしたがるものです。知的好奇心を高めるためには、まず、親も知的好奇心を持つことが大切です。
例えば、形の違う松ぼっくりがあったら、「松ぼっくりの形が違うけど、なんでかな?今度、図書館に行って調べてみようか!」などと、親自身も楽しんで、知りたいと思う姿勢が子どもの知的好奇心を育てることに繋がります。
子どもの知的好奇心を育てるためには、子どもの素朴な疑問に親も「なんでだろう?」と疑問をもてるかどうかがカギになるでしょう。
親が楽しそうに情報収集したり学んだりする姿勢を見ることで、子どもの興味がかき立てられます。知的好奇心が旺盛な子どもに育てるためには、真剣に考え事と向き合っている様子や、疑問があるとその場で調べるなど、疑問に対して積極的に向き合う親の様子を見せるようにしましょう。親子で疑問に思ったり、充実した時間を過ごしたりする日常が子どもの経験値の土台となりますよ。
すぐに回答せずに、子どもにも考える機会を与える
子どもが自分である程度考えられる年齢になれば、自ら考える機会を与えてあげましょう。子どもに「なんで?」と聞かれたときに、すぐに答えるのではなく、「なんでだと思う?」と逆に聞き返してみましょう。そうすることで、子どもは自ら答えを導きだそうとするでしょう。それでも、答えを求める場合には、曖昧な反応をしたり段階的に答えたりして、子どもが考えやすいようにしてあげてみてはいかがでしょうか。親でも知らないことがあると分かると、張り切って調べる子どももいます。図書館の使い方や図鑑の読み方など、調べる方法を勉強できる機会にもつながりますね。
さいごに
知的好奇心は、親の学ぶ姿勢を見せることで育むことができます。何に興味や関心があるのかまだ分からない場合には、図鑑や新聞などで、きっかけを作ってあげることが大切です。疑問があれば、実際に行ってその場を訪れるのもおすすめですよ。子どものもつ疑問に対して親も一緒にワクワクしながら調べたり学んだりして、子どもと楽しく知的好奇心を育てていってください。