子どもの心を育てる5つの甘えさせ方!わがままと甘えはどう違う?
「甘え」と「わがまま」の違い
「甘え」と「わがまま」は似た言葉に感じられるかもしれませんが、どのような違いがあるのでしょうか?
甘えとは
自分でできることをやってもらいたがったり、だっこをせがんだりといった「甘え」は、子どもの精神的な不安によるものだといわれています。子どもは不安を感じると、ママやパパの愛情を確かめ、安心感を得たくなるのだとか。
甘えることによって、ママやパパがいつでも自分を受け止めてくれることを実感することにより、子どもは自立心を育んでいけるかもしれません。そのため思う存分ママやパパに甘えた子どもほど、安心して親のそばを離れて新しい環境に飛び込みやすいのだとか。
一方で十分にママやパパに甘えられなかった子どもは、一度親のそばを離れるともう甘えられなくなるのではないかという不安にかられてしまう傾向があるといいます。子どもを甘やかしたらその分甘えん坊になると考えている人も多いですが、実は逆のケースが多いというのは意外ですね。
わがままとは
甘えは子どもが安心感を求めることによる一方、「物を買ってほしい」「順番を守りたくない」などといったわがままは「自分の思い通りに他人を動かしたい」という身勝手な気持ちによるものだといいます。
子どものわがままを何でもきいていると、子どもは「ママやパパに言えば何でも思い通りになる」「自分は何もしなくてもいい」と感じ、どんどん要望がエスカレートしてしまうことも。そうしたわがままは子どもの心の成長に悪影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。
ただし自分の気持ちや考えを伝える「自己主張」も、わがままと混同されがちなので気を付けることをおすすめします。自己主張はあくまで人に自分の主張を伝えることが目的であり、相手にいうことを聞いてほしいというわがままとは異なるのだとか。
自己主張は子どもが社会で生きていくうえで大切な力のひとつなので、否定せずに気持ちを受け止めてあげたいものですね。
甘えとわがままの見分け方
甘えとわがままの境界はあいまいで、わがままの中に甘えが隠れているケースもあり、判断に悩むこともあるでしょう。そんなときは人の迷惑にならないか、子どもの健康や安全を脅かす危険がないかを判断材料の一つにしてもいいかもしれません。
子どもの心を育てる5つの甘えさせ方
甘えさせることは子どもの心の成長につながるといわれていますが、どのように甘えさせればいいのか悩む人も多いでしょう。そんなときは、以下の方法を意識してみることをおすすめします。
甘えさせ方1:できる限り甘えを受け止める
忙しい日々の中で、自分でできることまでやってもらいたがる子どもに対して「わがままだ」と感じられることもあるかもしれません。筆者自身、3歳の息子に「ごはん食べさせて」「だっこして」と甘えられたとき、思わず面倒に思ってしまうことも多いです。
しかしそうした甘えを受け入れることも、大切な子育ての過程のひとつ。すべての要求をかなえることは難しいものの、できる限り甘えたい気持ちを受け止めてあげたいですね。
甘えさせ方2:余計な手出し・口出しはしない
「子どもを存分に甘えさせてあげよう」「失敗しないように助けてあげよう」と親の判断で口や手を出すのは、おすすめできません。あくまで甘えは子どもからの要求であり、大人の都合で押し付けるものではないと頭に入れておきたいですね。
そうして何でも先回りしてしまうと、子どものやる気や自立心を阻害してしまう可能性もあるといいます。
甘えさせ方3:甘やかさない
子どもを「甘えさせる」ことと「甘やかす」ことは、似ているようで違うといいます。「甘えさせる」場合は子どもが主体となり、子どもの気持ちやペースが尊重されるもの。しかし「甘やかす」場合はママやパパが主体となり、子どもの要望を何でも叶えてあげたり、子どもができることであっても代わりにやってあげたりすることを指すケースが多いです。
そのような甘やかしを続けていると、子どもがわがままになってしまったり、将来の社会的・精神的な自立を妨げたりする可能性が懸念されます。
甘えさせ方4:甘え下手な子どもには大人から声をかける
人それぞれ性格や考え方が異なるように、同じ子どもでも上手に甘えられる子どももいれば、甘えたい気持ちを伝えることが苦手な子どももいます。なかには「ママが忙しそうだから」「甘えたら怒られるかも」などという気遣いや不安から、甘えることを我慢するケースも。
そんな甘え下手な子どもには、ママやパパから積極的にコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか?いっしょに遊んだり、ゆっくりと話をしたり、スキンシップをとったりと親子の時間を大切にすることで、子どもの甘えたい気持ちを満たしてあげられるかもしれません。
甘えさせ方5:甘えを受け止めるのが難しいときは理由を説明する
子どもに十分甘えさせてあげたいと思っていても「時間がない」「具合が悪い」などさまざまな都合によって難しいときもありますよね。そんなときはどうして無理なのか、子どもにとってわかりやすい言葉で説明してあげるといいでしょう。
子どもの気持ちに寄り添ってあげることはもちろん大切ですが、だからといって大人が無理をし過ぎると、ママやパパのほうが参ってしまうかもしれません。その代わり、時間や気持ちに余裕があるときは、思い切り子どもに甘えさせてあげてくださいね。
子どものわがままへの対処法
子どもがわがままをいうときは、どのように対処するのが望ましいのでしょうか?
ルールを決めておく
「おもちゃを買うタイミング」「お菓子を与える頻度」など、あらかじめ家庭内でルールを決めておくと、子どもがわがままをいったときに一貫した対応がとりやすいでしょう。場面によって対応を変えていると、子どもも混乱してしまい、わがままを聞いてもらえないとき納得しづらくなるかもしれません。
またわがままを言っても、すべてをはねのける必要もないといいます。あくまでルールに従った上で、時には子どものわがままを受け入れてあげてもいいのではないでしょうか?
理由を説明する
わがままを聞けない場合は、どうしてだめなのかきちんと理由を説明してあげることをおすすめします。理由もわからずに頭ごなしに否定されると、子どもも納得することは難しいでしょう。
「お菓子を食べ過ぎると、虫歯ができちゃうよ」「テレビを見過ぎると、目が疲れてみえにくくなっちゃうよ」などと子どもが理解しやすいように説明してあげるといいですね。
代替案をだす
子どものわがままをただ拒否するだけでは、子どもの気持ちがおさまらないこともあるでしょう。そんなときは「絵本を読もうか」などと違う遊びに誘導したり「お誕生日に買おうね」と約束したりと、代替案をあげてみてはいかがでしょうか?
自己主張と混同しない
わがままと自己主張は混同されやすいとご紹介しましたが、子どもの言動が本当に「わがまま」なのか客観的に考えることを意識したいですね。例えば、大人の用意した服を着せようとすると、嫌がって着てくれずに困ることもあるでしょう。
そんな子どもは大人にはわがままに感じられるかもしれませんが「違う服を着たい」という自己主張である可能性もあります。そうした子どもの主張は押さえつけず、きちんと尊重してあげることが大切だといいます。
気持ちを受け止める
子どもがわがままをいうとき、わがままな言動ばかりに目を向けて厳しい言葉で叱ってしまうこともあるかもしれません。しかし子どものわがままな言動の裏には「もっと甘えたい」「かまってほしい」などといった気持ちが隠れていることも多いでしょう。
とくにママやパパにかまってほしい場合、手っ取り早く親の関心を引くために、わがままを言ったりイタズラをしたりすることもあるのだとか。いけないことはいけないと伝えたうえで、子どもの不安な気持ちに寄り添ってあげてはいかがでしょうか?
また子どもがわがままを繰り返すときは、親子の時間を意識して作るなど日常の中で子どもと向き合う時間を作るといいかもしれません。
さいごに
「甘え」というとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、ママやパパに思い切り甘えるのは、子どもの心の成長に大切な過程のひとつだといいます。わがままとの境界があいまいで対応に悩むこともあるかもしれませんが、子どもの気持ちに寄り添うことを意識してその場にあった対応を心がけたいですね。
ママやパパという心を落ち着けられる安全な場所があることで、子どもは多くのことに挑戦する意欲を持てるのではないでしょうか?