
小学校受験が不合格だった!トラウマや挫折にさせないための親の対応とは?

合否が家庭や子どもの優劣ではないことを認識する
大前提として、小学校受験は家庭および子どもの優劣が判定されるものではないということをしっかりと認識しておきましょう。たしかに不合格であれば、希望の小学校に入学はできません。しかしながら、小学校受験は家庭や子ども自体を評価するものさしではないのです。なぜなら、小学校受験には、単なる学力のみならず、子どもと小学校の相性も問われるからです。

相性に関しては、人間関係と同様に対策の仕様がないと言っても過言ではありません。したがって、不合格を家庭や子どもの自尊心を傷つけるような出来事と捉えず、この小学校とは縁が無かったのだと親も解釈するべきなのです。不合格だからといって、これからの子どもの人生が閉ざされたなどと不必要に悲観しないようにしましょう。
小学校受験の結果が不合格!子どものためにまず親がするべきこと
不合格の結果が出て親もショックを受けることはもちろんですが、落ち込み続けるわけにはいきません。ここでは、親が子どものためにできることを紹介していきます。
最後まで諦めない!他の受験可能な小学校を探す

不合格が分かった時点で、他にまだ受験ができる小学校を探すのも一つの手です。もしくは、事前に合格圏内にある小学校への併願を行っておきましょう。
もちろん、志望校に合格することは大切ですが、気持ちを切り替えてこれまでの頑張りを良い形で残せるように配慮することも重要です。
受験を頑張ったいくつかの小学校の一つに「合格できた」という経験が、第一志望が例え不合格であっても子どもの挫折にしない方法の一例です。
自分の感情を整理して子どもの心のケアに回る

愛するわが子の頑張りを間近で見てきた親側も、不合格の結果が辛いのは当然ですよね。子どものモチベーションを保つ工夫や塾の送り迎え、面接対策など親の頑張りも相当なものだったはずです。
しかし、親が子どもの目から見ても分かるほどの落ち込み方をしてしまうと、5歳や6歳の子どもであってもそれを察し「自分のせいでパパやママが落ち込んでいる…」と気持ちを暗くしてしまいます。したがって、辛い気持ちは子どもの前以外でパパとママの二人時間や、気のおける同じく子育て中の友人などに吐き出すようにしましょう。
そして、心の中では相当落ち込んでいたとしても、子どもの心のケアを何よりも優先し、親子で一緒に気持ちの方向転換をしていきたいところです。
子どもへの伝え方を工夫して入学する小学校に気持ちを向ける

そもそも、子どもにストレートな言葉で不合格を伝える必要はありません。子どもであっても、自分の頑張りが報われなかったと分かれば傷つき、トラウマになってしまう恐れがあるのです。
不合格となった学校のことは、「○○小学校とは、あまり合わなかったみたい。」などと言うにとどめ、「これまでよく頑張ったね!」とこれまでの頑張りを労う声かけを行いましょう。親からのそういった言葉かけが、子どもにとって次のモチベーションへと繋がるのです。
そして、公立の学校や、滑り止めで合格が決まっている小学校について「○○小学校の先生がぜひ入学してください!って言っていたよ。」などと話題にしても良いでしょう。さらに、入学が決まっている小学校の素敵なところを話したり、ランドセルを決めに行ったりすることで、1年生になる喜びに子どもの気持ちを向けさせてあげることができます。
合否ではなく、頑張りを最大限に認めて、明るい気持ちでわが子が入学式を迎えることが何より大切なのです。
小学校受験から得たものを子どもと振り返る

受験の準備期間がどのようなものであったか、子どもと振り返りましょう。最初は、自分の名前を書くことすら難しかったお子さんも多いのではないでしょうか。そんなところからスタートし、受験を終えた今、できることがたくさん増えたお子さんの成長に目を向けてみてください。
「名前が上手に書けるようになったね!」や、「ちゃんと座ってお話が聞けるようになったね。」などの声かけを行い、一緒に成長を喜びましょう。そして、両親にとっても、受験の準備期間がわが子と丁寧に向き合ったかけがえのない大切な時間となっているはずです。
また、小学校受験を経験した子どもは、そうでない子どもに比べて落ち着きがあり、授業に対しても自信を持って取り組むケースが多いとされています。このように、小学校受験を経験は、これから始まる長い学生生活における大きな財産となり得るのです。
不合格を通して考える「失敗」って悪いこと?
頑張ったのに報われなかった…。たしかに不合格はショックな結果ではありますが、人生において決して無駄な経験ではないのです。ここでは、子どもの失敗を成長の糧にできる親の対応方法を紹介していきます。
心配しすぎて先回りして子どもを助けようとしない
子どもを失敗から守りたい一心から、先回りして障害物を取り除こうとする親のことを「ヘリコプターペアレント」と呼びます。
良かれと思って先回りすることで子どもは何に対しても受け身となり、無気力になってしまう可能性もあるのです。例えば、もし不合格になったら可哀想だからそもそも受験をさせないなど、失敗を回避させる先回りの仕方では、子どもの頑張りの機会を取り上げることに繋がってしまいます。
才能や能力など不確かなワードでほめない
「頭がいい」や「賢い」など才能や能力を指す言葉で子どもをほめないようにしましょう。これらの言葉をかけられて育つと、子どもが自身の才能や能力を過信しすぎる恐れがあるからです。さらに、努力せずに結果を残せることが能力や才能がある人間の証であるという大いなる勘違いを招くことも。頑張っていることや、挑戦しようと踏み出した努力を取り上げて褒めることが大切です。
子どもが動揺しても一緒になって動揺しない
受験で不合格であった場合のように子どもが失敗や挫折に直面しているときには、親も一緒になって動揺しないようにしましょう。ただでさえ不安な精神状態にあるにも関わらず、本来頼りになるべき親が動揺していたら子どもの不安は大きくなるばかりです。冷静な気持ちで、目先の失敗に囚われずに子どもの本来の目標を再確認させるのが親の役割といえます。
親の失敗談とともに失敗が怖くないと伝える
親が過去に失敗した出来事や、その失敗をどのように解決したのかを子どもに話して、失敗を笑い話にするような余裕を見せましょう。

失敗は、過度に恐れたり、周りの目を気にしたりする必要の無いものであるというイメージを子どもに抱かせることが重要です。
興味を持てるものに自分で目標を決めさせる
子どもが興味を持つ好きな分野に対して、自分で目標を決めさせましょう。好きなことであれば、途中で失敗しても目標に向けたモチベーションの維持がしやすく、諦めずにやりきる成功体験を積むことができるのです。
子どもを信じてプレッシャーをかけず見守る
失敗して苦しんでいる子どもに対して、厳しく「もっと頑張れ。」などと声かけをしてプレッシャーをかけるのは避けましょう。子どもが安心できる休息や食事など物理的な環境面を親がサポートし、頑張る子どもを見守る姿勢が大切です。
子どもが過去に成し遂げた成功体験を思い起こさせる
子どもが失敗や挫折をしそうになった時には、子どもが過去に経験した成功体験を話題にするのも有効です。「あのとき、習い事で頑張って進級できたよね。」といった具合に、子どもが自分には乗り越える力があるんだと再び自信を持つことのできるきっかけを作ります。そのためにも、親は子どもに日頃からさまざまな成功体験をたくさん積ませておくことが必要です。
失敗は改善のチャンスだと理解させる
親が子どもを才能や結果ばかりを評価せず、挑戦を続ける過程をほめましょう。子どもが、「まだできていないけど、頑張り続ければきっとできる!」などと自ら考えられるように親が勇気づけを行います。さらに、子どもが失敗したシーンで「他に上手くいく方法はあるかな?」といったような問いかけをすることで、子どもが自分で改善点を探して挑戦を続けられるように意識を向けさせると良いでしょう。このように、失敗したときには、結果ばかり目を向けず、失敗に至るまでの道筋に目を向け、「どうして間違えたのか」を考えることが重要といえます。
まとめ
小学校受験の不合格は、もしかしたら初めて経験する子どもの挫折となり得るかもしれません。しかし、この不合格を本当の「挫折」とするかどうかは親にかかっています。不合格であっても、子どもの人生にとって小学校受験の経験が無駄となるわけではありません。適切な態度や声かけにより、この経験を子どもが「糧」とできるようにサポートしていきましょう。
