【子育て】メディアと上手に付き合おう!親が取り入れたい5つのこと
メディアは親子で一緒にコミュニケーションしながら楽しもう
テレビやスマートフォンなどで映像を見るときは、見せっぱなしにするのではなく、親子で一緒にコミュニケーションしながら使うのが安全です。
映像に出てくるものに対して、コミュニケーションをとることで、ことばの発達や物事への理解をうながします。忙しい家事の間はしかたがありませんが、30分程度の視聴にとどめておきましょう。メディア機器に子守をさせない意識を持つことが大切です。
一つのことに集中できるように「ながら見」は避け、食事の時間などは消すようにしましょう。
子どもの発達をうながす、良質な番組を選んで見せよう
子ども向け番組にはさまざまなものがあるので、見せる前に番組内容を確認しましょう。子どもの発達をうながしてくれるような映像、ストーリー、分かりやすい表現で作られた番組は、子どもの想像力を豊かにしたり、物語の理解を深めたりします。
どんな番組が良いの?
子どもに良い番組を選ぶポイントとしては以下があります。
- トイレや着替えなど身近な生活習慣のやり方を教えてくれるもの
- 自然や生き物、ものの仕組みを自分で考えられるもの
- リズムやメロディーを楽しんで、表現できるもの
- はさみやクレヨンなどを使った工作の幅を広げるもの
- ことばのリズムや、ひらがなの読み書きに触れられるもの
- 外国のことばや文化に触れられるもの
- 集団生活や、人と接するうえでのマナーなどを身につけられるもの
厳密に良し悪しの判断というものは難しいため、親が見たときに「良い」と思えるものが子どもにとっても良い番組と考えてもらってよいです。子どもの年齢、発達に合った良質な番組を選んであげるのが良いでしょう。
刺激の強い内容を見てしまったときは、子どもの気持ちに寄り添おう
テレビをつけていると、不意にショッキングなニュース(災害や事件の報道など)が飛び込んでくることもあります。映像や音に不安を感じ、子どもがショックを受けてしまうときもあるでしょう。
そんなときは、「怖かったね」「大丈夫だよ」と子どもの気持ちに寄り添い、慰めてあげてください。日常的にテレビをつけている家庭は特に注意が必要です。子どもが見ても安心できる番組、チャンネルを意識して選択することが大切です。
番組の暴力的なシーンなど目にしたときは、親の価値観を示そう
乱暴なことば遣いや振る舞いが映されているような番組は、教育上ふさわしくありません。善悪の判断がつかない子どもは、見たものはなんでも真似してしまいます。もし一緒にテレビを見ているときに、暴力的なシーンや性的なシーンが流れたときは、親のことばで考えを示しましょう。
たとえば、暴力的なシーンでは、「これは良くないよね」と説明してあげることも大切です。3歳を過ぎた子どもは、親の善悪の考えを守ろうとします。4~5歳ごろになると、親の価値観をもとに、自分で考え、判断するようになります。見ている内容について、親子で話をする機会を増やすこと心に留めておきましょう。
メディアから目の健康を守ろう
目に負担がかかる見方をしていると、目の発達を妨げ、乱視や遠視、視線がずれる斜視などを引き起こすおそれがあります。現代社会で、メディアに触れる機会をゼロにすることはできません。では、具体的にどんなことに気をつければいいのでしょうか。
目の発達において、乳幼児期はとても大切な時期!
生まれたばかりのほとんどの赤ちゃんは、視力が0.01~0.02程度で、ほぼ見えていません。1歳までにだんだんとピントを合わせる能力が発達し、見える色も増えていきます。2歳で視力は0.5程度まで発達し、4~5歳で視力1.0程度まで発達していきます。乳幼児期が目の発達において大切な時期というのは言うまでもありません。
ブルーライトって気をつけたほうがよいの?
ブルーライトとは、可視光線(目に見える光線)の一部(波長 380~495nm 前後の青色成分)で、太陽の光や電球から出ているものです。昨今のデジタルデバイスの普及により、液晶画面から発せられるブルーライトについて様々な議論が展開されております。
2021年4月に日本眼科学会等複数の学会と日本眼科医会が、共同で「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」を発表しました。(https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf)
そちらで言及されている内容をまとめると以下のような主張になります。
- 体内時計とブルーライトの関係についてはいくつかの論文(根拠)があり、夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると、睡眠障害をきたす恐れが指摘されている
- 故に、夕方以降にブルーライトをカットすることには、「睡眠障害の予防」という面で、一定の効果が見込まれる可能性はある
- しかしながら、液晶画面から発せられるブルーライトは、自然光よりも少ないため、網膜に障害を与えるレベルではない。
- 子どもにとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるものであり、なかでも十分な太陽光を浴びない場合、子どもの近視進行のリスクが高まる。
- 米国一流科学誌に掲載された試験結果によると、ブルーライトカット眼鏡に眼精疲労を軽減する効果はないと報告されている。
- 以上から、子どもにブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はなく、むしろ日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用することは子どもの発育に悪影響を与えかねない
親としては、又聞きで得た情報から「ブルーライトって悪いから、ブルーライトカット眼鏡をつけよう」と盲目的に判断するのではなく、科学的根拠を元に判断していきましょう。
部屋を明るくして、画面から離れて見る
画面を見るときは、必ず部屋を明るくして、離れて見ましょう。暗い部屋では画面の明るさが強くなり、目の負担が大きくなります。スマートフォンやタブレットなどを見るときはスタンドで固定し、30cm以上離したところで見るようにしてください。テレビの場合は、2m以上離れて見ると良いです。目安としては「画面の縦の長さの3倍は離れて正面から見る」です。
寝転がっての視聴は、片目だけに負担をかけることがあります。見るときの姿勢にも気をつけ、声をかけてあげましょう。
参考:子どもの目|すくすく子育て情報(https://www.nhk.or.jp/sukusuku/p2018/766.html)
家庭でのルールを決めよう
一度見せ始めると、楽しい番組は見るのをやめるのが難しいですよね。子どもには時間感覚が十分にないため、親の都合でやめてしまうと泣くことがあるかもしれません。そうならないために、家庭でのルールを決めましょう。
視聴時間は最長1~2時間、2歳以下の子どもは1日30~1時間まで
睡眠時間や食事、入浴に必要な時間を考えると、1日のうち自由に使える時間は約6時間です。外遊びをする時間、パパやママと遊ぶ時間、絵本を読むなどの時間と、メディアを使う時間とのバランスをとることが、子どもの成長には大切です。
ベネッセ教育総合研究所は、長くても1~2時間未満にすることと、2歳以下の子どもは目の発達も考慮し、視聴時間を短くするようにとしています。(https://berd.benesse.jp/jisedaiken/media/qa/page02.shtml)
見始める前には、タイマーなどを使って「これが鳴ったらおわりだよ」と説明しておくことが大切です。事前にルールを説明すること、おわりの時間を視覚的に見えるようにすることで、混乱を防げるでしょう。
また、スマートフォン、タブレットの中にはスクリーンタイムを設定できるものもあります。アプリごとに使用時間などを設定することで、時間になれば画面を操作できなくなります。自分で触って操作できる年齢のお子さんには、こういった工夫も必要ですね。視聴後しばらくは、目を休めるようにしてください。
親の目が届くところで管理しよう
子どもがいつ、どんなものを見ているのかを確認できるように、親の目が届くところで使わせましょう。有料コンテンツや不適切なサイト、アプリに触れないように、子どもが使うメディア機器にはフィルタリングサービスを入れるのがおすすめです。もしヘッドホンやイヤホンを使わせるときは、音量に注意し、大音量で流さないように注意してください。
親自身のメディアとの付き合い方を見直そう
20代、30代でのスマートフォン所持率は9割を超えています。(総務省 平成29年度スマートフォンの個人保有率の推移より)親自身のメディアとの付き合い方を振り返る必要があります。長時間にわたり、スマートフォンを見ていませんか?子どもと関わっているとき、スマートフォンは手放せていますか?子どもは親の大人の行動を見て、真似をするものです。日常的にダラダラとスマートフォンを使用していないか。自分自身を見直すことも、子どもへの教育につながりますよ。
総務省|総務省|平成29年版 情報通信白書|数字で見たスマホの爆発的普及(5年間の量的拡大)|(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111110.html)
さいごに
現代では、ほとんどの人がスマートフォンを持ち歩き、テレビを見て、メディアに触れない日はありません。健康や心の発達に悪い影響を及ぼす側面と、子どもの社会性を育むいい影響を与える側面もあります。大切なのは、見せる映像や時間、環境を親がきちんと管理することです。子どもとメディアとの付き合い方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。