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子ども同士のおもちゃの貸し借りトラブルを徹底解説!大人が介入する際のポイントは?

水城あづさ
2021/08/22 02:08
子ども同士がおもちゃの取り合いになり困った経験がある保護者は、多いのではないでしょうか。「かーしーて」と言われたら「いいよ」で返すのが当たり前のような気がしますが、実は子どもがおもちゃの貸し借りなどのルールを理解し、相手に譲れるようになるのは4歳頃と言われています。本記事では、子どもがルールを理解できるようになるまでの発達の過程と、子ども同士のおもちゃの貸し借りに大人が介入する際のポイントを解説します。

おもちゃの取り合いは公共の遊び場でのあるある

支援センターなどの公共の場で子どもを遊ばせていると、おもちゃの取り合いは避けられないトラブルのひとつです。おもちゃを取る側、取られる側、どちらの立場でも保護者としては、心が痛みますよね。

子どものトラブル
本当に些細なおもちゃの取り合いから大げんかに発展してしまうことも。。。

特に、我が子がおもちゃを取ってしまった場合や、貸してと言われたおもちゃを譲れなかった場合、「どうしてルールがわからないの?」「どうして貸せないの?」と悩んでしまうパパやママも多いのではないでしょうか。

実はおもちゃの貸し借りができるようになるのは4歳頃

実は、おもちゃの貸し借りができるようになるのは4歳頃と言われています。(※1)

おもちゃの貸し借りを含め社会規範を守れるようになるには、言葉の理解だけでなく子どもの心が発達し、相手の気持ちを尊重できることが必要です。


(※1)

東京都教育委員会「規範意識の芽生え」に関する発達の道筋及び大人の関わり 4(https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/pre_school/files/handbook_for_instructor/9.pdf


子どもの心の発達段階について

言語能力も身体能力もめきめきと成長する幼児期。2~3歳頃になると、言葉はある程度通じるのに、どうしてルールを守れないの?と多くのパパやママが悩みます。

それでは、子どもの心はどのように発達していくのでしょうか?

わかっていても譲れない…3歳までは自分が最優先!の時期

3歳までは自分が最優先のため、自己中心的で所有欲が強く自己中心的なのが自然な姿です。見るもの全部欲しくなり、全てのものは自分のもの、「貸してあげて」と声掛けしても伝わらないことがほとんど。一見すると他の子どもたちと一緒に遊んでいるようにみえますが、実は個別で遊んでいることが多いのです。

3歳児
3歳ですとまだ自分の経験でしか答えられず主観的な会話が多かったり、話が脱線したりすることも

せっかくなら他の子どもと遊んで欲しいと親はつい期待してしまいますが、この時期は夢中になれるものや1人で没頭できる時間を与えてあげましょう


自分の気持ちが尊重されることで、相手の気持ちを尊重し、ルールを守る大切さを理解できるようになります。ルールを守るために必要な規範意識の発達には「個」の尊重が欠かせません。


「ちょっと貸してね」と取り上げたら子どもがこの世の終わりのように泣き出してしまった経験がある方も多いでしょう。この時期の子どもの多くは、いったん自分の手元を離れたものは、そのままなくなってしまうと認識します。おもちゃを手放したくないのはごく自然なことなのです。

4歳頃になるとルール・規範意識が発達する

鬼ごっこなどルールのある遊びを楽しめるようになり、「この子も自分と同じおもちゃで遊びたがっている」など、他の子どもの気持ちが分かる脳になるのは4歳頃とされています。


自分の気持ちをセーブして、相手の気持ちを尊重することは大人の想像以上に難しいのです。

「かーしーて」と「いいよ」はワンセットにしない方がメリット大!

ルールを理解する前の子どもに大人ができる関わりを紹介していきましょう。


「かーしーて」と「いいよ」はワンセットのイメージがありませんか?

実は、子どもにとっては、「いいよ」以外の答えがあってもいい、と伝えた方が大きなメリットがあるのです。

大人だっていつも「いいよ」と言えるとは限らない

「かーしーて」と言われたら遊びたくても自分の意思に関係なく「いいよ」と言わなければいけない、と思っていたら、「いいよ」と言いたくなくなってしまいますよね。


大人も子どもに話しかけられたときすぐ対応できず「ちょっと待ってね!」ということはあるでしょう。今はまだ遊びたい!という気持ちを尊重された経験は、相手の気持ちを尊重することへの理解に繋がります。


「今始めたところだからあと〇分だけ待ってね」「今はだめなのごめんね」といった「いいよ」以外の返事も選べることを、日頃の親子間のやりとりの中でも伝えていきたいですね。

大切なのは「見守り」と「代弁」

子ども同士でおもちゃの取り合いが起きそうになったとき、大人は先が見通せる分、ついトラブルが起きる前に仲裁したくなるものです。正直なところ他の保護者の目も気になりますよね。子どもは楽しそうに過ごしているけれど、トラブルへの対処が憂鬱で、支援センターから足が遠のく……そんな人もいるのではないでしょうか。


ここでは、公共の場で親子ともに過ごしやすくなる「見守り」と「代弁」を使った具体的な大人の介入の方法を紹介しましょう。

おもちゃの取り合いにおける「大人の介入ポイント」

大人ができる対応【おもちゃを取ってしまう場合】

我が子が他の子どものおもちゃを取ってしまった場合、「お友だちが使ってたでしょ!」と慌てて取り上げる前に、まずは相手の子どもの反応をよく観察しましょう。性格や月齢によっては、あまり気にしていないこともあるかもしれませんよ。

支援センターや保育園でも、支援員や保育士の多くは、トラブルが起きて大人の介入が必要になるまでは子どもたちの様子を見守っています。


相手の子どもがおもちゃを取られて嫌そうだった場合は、「まだこのおもちゃで遊びたいんだって」と、相手の気持ちを代弁し、「このおもちゃで遊びたかったんだね」と我が子の気持ちに共感してあげましょう。


諦めきれずにヒートアップしてしまう場合は、ものや場所を切り替えることもおすすめです。気になったおもちゃが視界に入りいつまでも注意を注いでいると、執着心は募る一方です。


そんなときは、別のおもちゃを渡したり、いったんその場を離れたりすることで気持ちが切り替わることもあります。このとき大切なのは、その場から離れる=お説教と思わせないことです。落ち着ける場所で、子どもの気持ちに共感してあげましょう。

保護者ができる対応【おもちゃを貸したくない場合】

まずは「お友だちもこのおもちゃで遊びたいんだって。どうする?」と、他の子どもの気持ちを代弁して伝えてみましょう。


我が子がおもちゃを手離したがらないようであれば、「まだ遊びたいみたいなの、ごめんね」「今遊び始めたところだからもうちょっとしてからでもいい?」と今度は相手の子どもに我が子の気持ちを代弁します。まだ遊びたい気持ちをパパやママが理解し、守ってくれることで、子どもは安心できます。


もちろん、おもちゃを貸せたときはしっかりとほめてあげましょう。

危険な場合はすばやい対応を

保護者の関わりは「見守り」が大切、としましたが、すぐに対応が必要な場合もあります。


特に、子どもが相手に危害を加えようとしたときや、子ども自身が危険な場合は、子どもの安全が最優先です。あまり長い説明は子どもが理解しにくいですので、「叩いたら痛いよ」「あぶないよ」といった短くわかりやすい言葉を選びましょう。

「ごめんなさい」はパパやママが日頃からお手本を

我が子が他の子どものおもちゃを奪ってしまったり、思わず手が出てしまったりすると、つい「ごめんなさいは?」「ごめんなさいでしょ!」と言わせようとしていませんか?


「ごめんなさい」を理解できるようになるのは、共感性の発達する4歳後半頃とされています。

それまでは、言葉の羅列なだけで、意味が理解できていないことも。

「ごめんなさい」を言えたら言えたでふてくされたような言い方に「なにその言い方!」と保護者の怒りが再燃してしまうのはそのためです。


言葉を強要するよりも、日頃から大人同士が謝るべき場面で「ごめんなさい」を使っている姿を見せるのが大切です。

わざとでなくても子どものおもちゃを壊してしまったとき、ぶつかってしまったとき、子どもに対して心から「ごめんね」と言えていますか?「ごめんごめん!」と軽いテンションで済ませていたら、そういうものだと理解してしまうかもしれません。


我が子に「ごめんなさい」をなんとかして言わせるよりも、すぐに大人が相手の子どもに対して真摯に謝る姿勢を見せてあげる方が、「ごめんなさい」の本当の理解に繋がります。

まとめ

他の人との関わりを重ねていくことで、子どもは少しずつルールを理解できるようになっていきます。


大人は先の見通しが簡単にできるため、つい先回りしてトラブルを回避したくなるものですが、トラブルは子どもが人間関係を学ぶ貴重なチャンスかもしれません。

子どもの心の発達のステップを知っておけば、今、我が子は成長途中なんだな、と少し心にゆとりをもって見守れるのではないでしょうか。

参考文献

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